晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

大唐内のこと(30) 鬼伝説 1/24

2011-01-25 | 歴史・民俗

2011.1.24(月)晴、曇

 大唐内の大蜘蛛を退治した有安の弓の名人藤元善右衛門について、有安の地名については少し気になることを書いた。そして今ひとつ藤元という姓についても気になることがあるので書き留めておこう。
 金属に関連する様々な伝承がある。俵藤太秀郷の百足退治は滋賀県の三上山の百足退治で有名だし、他にも炭焼藤太、芋掘藤太伝説はいずれも鉱山、採鉱に関係するものである。佐渡には炭焼藤五郎の伝説があり、「藤」の名の付くものが多い。名ばかりで無く、姓、神社名、地名などにも「藤」が付くものは金属関連という説がある。ところがこの理由がよく解らない。若尾五雄氏は藤太=淘汰を「黄金と百足」の中で述べておられる。当初、淘汰という言葉は近代的な言葉のようで古代の鉱山、採鉱とは無縁だろうと思っていたのだが、「鼓銅図録」という古文書に淘汰の図というのがあり、従来からの金属用語であり、藤太=淘汰もありかなと言う気になってきた。
これだと思ったのが、「古代の鉄と神々」(真弓常忠著)の鉄穴(かんな)流しと藤蔓という項である。鉄穴流しとは鉄砂を含んだ土砂を河の水流で流し、底に残った鉄砂を採取することであるが、その鉄砂をすくい取るのに藤蔓を使うということだ。真弓氏も「アッ」と気がついた、と書いておられるが、このことは結構多くの研究者に藤と金属の関係について支持されているようだ。(2011.1.9参照)ところが「古代の鉄と神々」をよく読むと、上賀茂神社の御阿礼神事(みあれしんじ)に使われる「おすず」なるものが何故藤枝で出来ているか、あるいは神話にある
洩矢神が鉄輪、タケミナカタの神が藤枝を持って戦ったかという内容で書かれていることであることが解る。少なくとも「古代の鉄と神々」の中ではタケミナカタの神がなぜ藤枝を持って戦ったかと言うことを書かれたことであって、産鉄民に多い「フジ」姓のことを書かれているのではないと私は考えている。
 もっともこれらしいと言う考え方は「鍛冶屋の母」(谷川健一著)のなかで見つけた、藤のつく名前は井戸掘りを生業とする者によく付けられるという説である。(「古代伝承文学の研究」乗岡憲正著)
折口信夫氏や高崎正秀氏が、「藤」というのは水の「淵」と同語の分化で、水の精霊を象徴する語であるということも書いている。つづくImg_2228

大唐内は凄い雪だろう。これは渡辺さんに戴いた小唐内の様子、丸山がこんなに大きく見えるとは思わなかった。


今日のじょん:先日の鳥の死骸について市から回答があった。ハトだということで鳥インフルエンザなどの心配は無いので処分するということだった。ハトなら問題ないのだろうか。鳥のいたところに行きたがるので困ったもんだ。Img_2195 行くなと言ったらその場でうんPしてしまった。

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