晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

大唐内のこと(75) 丸山とイモリ村 9/2

2011-09-03 | 歴史・民俗

2011.9.2(金)雨

 いよいよ本題の丸山とイモリ村に入るわけだが、ここで云う丸山という山は一般には馴染みがない。私自身も三国岳は知っていたが丸山というのは知らなかった。もちろん地図上にも表記が無く、上林の住人でも知る人は少ないと思う。三国岳(616m)の南東、稜線上の小ピーク(545m)が丸山である。この単なる小突起が文献にたびたび登場し、重要視されているのは一体何なんだろう。私は小唐内から見たあの山容から何か宗教的なものがあるのではないかと想像したが、そういうものは何も見つけられなかった。まず文献の中から丸山の意義というものを探ってみたい。Img_2734

お伽噺に出てきそうな丸山の山容(小唐内から2011.4)


 丹波負笈録市茅野村の項に次の記述がある。
 
「市茅野大唐内二谷の奥サントラ山若州と両境 サントラ山ハ俵積し如
丸石ありて一俵宛の如 是ヲサントラ岩と云 俗ニ小浜の市ハ是を見る故繁昌すと云 丹波の方に二ツの鬼の穴と云あり 岩を積重たる岩穴入口四尺許 二里許奥に入て戸口あり 是より奥へ行人なし 今ハ口を破て入口なしといふ 三俵山ハ海上目当の山なり イモリガ嶽と云 
丹波ノ方麓大唐内村奥ニ鬼の洗濯場と云ナベガ滝五尺許落 滝壺丸の鍋の一間半四方 深四尺余 磨て清浄なりと云」


  サントラ山、三俵山、イモリガ嶽すべて545mのピークを指すのだろうが、ここでは丸山の名は出てこない。大唐内、小唐内の方々は普通に丸山と呼んでいて、サントラ山だのイモリガ嶽というのは「上林七里野」が出て初めて知ったと言うくらいだ。なお、市茅野では一人の方だけに訪ねたのだが、丸山というのもご存じなかった。市茅野からは丸山は見えないし、大唐内からだって見えそうにないのだ。これはいつか確認してみたい。
 大飯郡誌青鄕村概説に
  「山岳は北境に青葉山聳え、西境に吉坂峠に通じ、西南境には三國嶽(約五〇〇米)生守山又は丸山(約五五〇米)猪鼻峠(約三八〇米)並び起り、具坂を通じ、東境には寶尾通じ牧山大谷山互れり。」とある。丸山の名がやっと出てきたのだが、三国岳の標高と言い、若狭側から果たして丸い山に見えるのだろうかという疑問が沸いてくる。イモリガ嶽を生守山と表記している。

 実は今日小浜の市立図書館にこれ等の資料を調べるため出かけた。帰りに関屋の谷から若丹国境稜線がどのように見えるか試したかったのだが、生憎の台風12号の荒天で行くことが出来なかった。代わりに佐分利川沿いの村々でカメラを向けたが、果たして国境稜線が見えているのか判断もつかなかった。それにしても負笈録に云うように小浜の市からサンドラ岩が見えるものなのだろうか。
つづく(大唐内のこと(74)は2011.8.29)Img_3617

県道1号線が北陸道をくぐる辺り、遠くに霞むのが国境稜線かなあ?


【作業日誌 9/2】
台風対策

今日のじょん:雨も嫌いだけどもっと嫌いなのは風、何も揺れなくても風の音だけでビビリまくっている。雷の轟音には平気で寝ているのに不思議だなあ。と言うわけで音を出すようなものをしっかり片付けているのだが、今夜は寝られないみたい。

 
 

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