実業家荒井氏は有島武郎の愛読者でもあった。
「生れ出づる悩み」を主題とする絵画を北海道出身の十二人の画家に依頼、
同時にピカソの版画百八十八点を購入して荒井記念美術館を開館した。
岩内市街を見下ろす岩内岳の斜面にその瀟洒な建物は立っている。
西村計雄の作品(斜めの線がモチーフになっているようで、あまりよく理解できなかった)が多数展示されている。
荒井記念美術館はピカソ美術館、西村計雄美術館、生まれ出ずる悩み美術館の三つから成り立つているのである。
庭園には彫刻がいくつかあって、どこにいても泊原発が視界にはいってくる。