屯田物語

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神様に召される前

2020年01月12日 | 春を呼ぶ朝

昭和36年絵画館前 北都中~旭川東の同級生で同期生である。
およそ60年前の写真だけど、自分の靴がずいぶんと汚いこと。
でも、首都高がなかったから東京の空はとても広かったよね。

大村正次著「春を呼ぶ朝」―神様に召される前―

  神様に召される前

―お母さん、わたしなにやらさみしい。
 お母さん、なんにもしてもらはんで、、、、、いゝからそばに居て下さい。
 あんた、、、こゝに居られるとなにやらにぎやかになる。

―あの子は近頃こんなことを云ふ。
 それでちつとも、、、、そばを離れられん、、、
 あの子はもう間がないらしい。

―あゝ そんな不吉な話しませう。
 一心に生きようと努めてゐるあれの信念を
 皺苦茶にしてしまふやうな不吉な暗示かぜ
 すこしでもこの家へ入れずに置きませう。
 凡てが決まるまでは、母よ。


馬來田靜秋
妹に對する切なる愛憐の想ひが出てゐると思ひます。此処で作者は詩篇中郷土語を巧く取り込むでゐる。そして地方語を使ふ場合に起こる難関でありリズムに無理のない處を高く買つてもいゝと思ひます。「神様に召される前」は出色だと思ひます。