hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

亜休日

2007-06-30 22:04:45 | 日常
今日は久しぶりに少しお休みをいただいた。

「少し」というのは、今日は久しぶりに自宅レッスンを行い、また執筆の締め切りが迫っており、それを片付けなけれなければならなかったのだ。
この時期はいつも落ち着かないのだが、今日は気候の影響なのかとても疲れてしまい、夕方の変な時間にうたた寝してしまった。

目が覚めても気だるさが残るが、これからもう少し執筆を進めたいと思う。

オペラティック・ファンタジー

2007-06-29 23:11:27 | 日常
先日、楽器店でCDを眺めていたら、私も参加していた吹奏楽のCDを見つけた。こちら。
私は2ndアルトで参加している。

おととしに録音したものなのだが、聴いてみると、当時の記憶がよみがえってくる。
発売当時のトピックスも見つけたので、詳細もおわかりいただけると思う。

オペラの旋律は美しいものばかりだ。
特に須川さん、仲田さんは筋金入りのオペラ好きのようで、隣で吹かせていただき、そのこだわりぶりをうかがい知ることができた。

指揮者の齊藤氏は、私が藝大別科にいた当時、大学院で研鑚を積んでいらした。
そのとき藝祭ブラスを振っていただき、その頃から知っていたが、プロの現場で改めてご一緒してみて、この指揮者の器の大きさを感じることができた。

このCDの「ダッタン人の踊り」の後半部分である「男たちの踊り」でビオラの強烈なダウンボウがあるが、サックスパートはそれをハーフスラップで表現している。

特に楽譜には何も指示が無かったので、最初のリハーサルでは我々は普通に吹いていたところ、指揮者から「もっと強烈に。」との指示に続き、「この世のものとは思えないような音色で。」という注文が来たのだ。
そこで色々試しているうちに、「ハーフスラップで行こう。」ということになったのだ。

我々が楽譜に書いていないことを勝手に吹いているというわけではなく、あくまで指揮者の指示のもとに行ったということを申し添えておく。

イメージ

2007-06-28 23:15:30 | 日常
今日は洗足レッスン。
湿気が多く、通勤時いつも以上に体力を消耗した。

先日、ふとレッスンをしながら、今の学生たちはどんなイメージを抱いて吹いているのだろうかと考えた。

この十年くらい振り返ってみても、学生のレベルは上がっていることに気付く。
それは、楽器の性能の向上のほかに、レパートリーの拡大、情報伝達が良くなったことも影響してるかもしれない。

私が学生の頃は、インターネットやメールはまだ一般的ではなく、その頃から比べても世の中の考え方が大きく変わっているわけで、今の学生を見てみると、演奏に対する考え方や、嗜好、価値観も少しずつ変わってきているのではなどと考えてしまう。

メソード問題

2007-06-27 23:14:39 | sax関係
今日は都内の学校へレッスンに伺った。
久しぶりの車移動で、色々考えごとしながら走っていた。

そこで、先日のサックスのメソードの話題の続き。

「サックス界にはメソードが確立してない」と書いたが、メソード自体はたくさん存在する。
それらのエクササイズを実行したり、奏法を考察する時間が無いのだと私は考えている。

日本では、学校の吹奏楽部からサックスを始める人が大半だと思う。
吹奏楽や楽器を吹くことを楽しむというだけの目的なら、それだけで十分だが、中には音大等に進学して専門的に勉強したいと思うようになる人がいる。
そして、そこからレッスンに通い始める人もいるわけだが、早い人でも高校1年生くらいだろうか。
そこからエチュードや独奏曲を始めていくわけだが、入試までには否応無く慌しくなり、課題を詰め込むだけに終始してしまう。
音大入試の課題曲も受験勉強の一環になり、間違えずに吹ければ、もしくは音大に合格してしまえば、その課題曲は克服できたと錯覚してしまうのかもしれない。

本当はもっと時間をかけて、たくさんのエチュードや楽曲にふれて、音楽性、技術、音楽や楽器に対する知識を深めていきたいのだが、そんな悠長なことを言っていられないのが現実だ。

かく言う私も当然その一人だったわけで、高校3年生の春、初めてレッスンを受けた際、師匠から「これだけ吹けてればアマチュアでやっていくには十分だと思うんだけど。」と突き放された一言を言われ、大変なショックを受けたことを思い出す。

今となっては、私も教える立場になり、そのときの師匠の心境がなんとなく察することができるようになった。
そして私も生徒に突き放す一言を言っていないか心配になるときがある。

話を戻し、音大入試の為に吹奏楽部を辞めるという人もいるが、そういう行動にも賛成しかねる。
部活動は吹奏楽を学び、楽しむことはもちろん、協調性、社会性、人間性を学ぶ素晴らしい環境であるように思う。

音大に入学したあとにでも、ゆっくりひも解くゆとりがあればよいが、なかなか難しい問題もあるようだ。

続きはまた後日。

ロンデックスから

2007-06-26 22:56:14 | sax関係
もう先月の話だが、ロンデックス邸を訪れた際、氏から写真の品々をいただいた。

左は来年一月、バンコクで開催されるロンデックス国際コンクールの要項。

中央の赤い本は、最近発売されたサックスのレパートリー全集。
1849年から2003年までの古今のサックスのための作品、作曲者の経歴、編成、出版社などが網羅されている。
分厚い本で、ちまたで買うと高額なのだが、ご好意で友人割引してくださり、その七割引位の値段で譲っていただいた。

右は、ロンデックス75歳を記念して製作された四枚組CD。
貴重な録音が数多く収められている。

この写真を眺めているだけで、邸宅を訪れた際のことを思い出す。


<加筆>
四枚組みのCDは、本ページでリンクさせていただいている、"mcken's wondrland"に紹介されていた。

「Jean-Marie Londeix - Portrait」(MDG 642 1416-2)

国内ではこれから発売されるようだ。

尚美授業 9日目

2007-06-25 23:20:21 | 尚美
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●今日の授業メモ(自分用)

Denisov: Sonate

指の形と開始音をずらした音階(F,d)
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昨日の体験入学の一部がNet-TVで視聴できるとのお知らせをいただいた。
当日は2つのカメラが入っていて、緊張するかと思いきや、バッハやウズメなど、作品に対する緊張感のほうが上回っており、結果的にカメラを意識しない演奏が出来たように思う。
私も拝見したが、身体の動かし方や指の形等、客観的に見ることが出来てとてもありがたい。
ただ自分自身の演奏に関しては聴くに堪えない。

昨日の空き時間に、ピアノの原田さんと最近のサックス事情について語り合った。
私はレッスンで、原田さんも学生の伴奏で色々思うことがあるようだ。

「サックス界(特に日本の)には未だメソードが確立していないのでは、」というのが共通の見解だった。

サックス創生から約160年。
確かに他の楽器より新しい楽器ではあるが、現在これだけの人気があり、近現代のレパートリーの量を考えると、将来、楽器だけが独り歩きして、いずれは飽和して滅んでしまうのではとも考えてしまう。

フラジオなどの特殊奏法もかなり多様になり、それらも含め、サックスの奏法を総合的に系統立てて教えられる新しいメソードが必要なのではと思うこの頃。

尚美体験入学終了

2007-06-24 23:02:31 | 尚美
今日は午前、午後と2ステージ本番を行った。
バッハやウズメはかなりの集中力が必要だが、その点では最後まで良い流れだったように思う。
とは言え、どちらもサックスを超えた技術と表現を求められるので、釈然としない気持ちが残ったのも確かだ。

どちらの曲も、今後何度もやって慣れていきたい。

ウズメの踊りは7/14(土)アクタスの演奏会で再び演奏する。

後日、著作権の切れた数曲がNet-TVで配信されることになると思う。

気付けば明日はまたいつもの月曜日。
一週間が早く感じるが、少しずつでも自分を高めていきたいと思う。

本番への準備

2007-06-23 23:11:09 | 尚美
夕方から明日の体験入学の合わせ。
前回と比べ、お互いを聴き合えるようになり余裕が出てきた。
あとはそれぞれがどこまでがんばれるか。
スェルツの作品は音域が広く本当に難しい。

主に高校生向けのプログラムのはずなのだが、気がつけばかなり本腰が入っているもので、演奏してみて自分でも驚いた。
ウズメは当然だが、実はバッハの無伴奏パルティータも大変な集中力が必要だ。

あと明日は午前中に尚美の後援会の総会があり、そこでも演奏を仰せつかっている。
午前中ではウズメはやらないが、バッハは演奏する。

明日は朝早いので早めに就寝。

プライド

2007-06-22 23:13:05 | 日常
尚美、洗足へは電車で通勤している。
今に始まったことではないが、電車内や駅ホームではマナーを守れない人が多くていつも目についてしまう。

満員電車の中では、本や楽譜も出せないので、窓の外を眺めたり、中吊り広告を眺めたり、目をつぶったりして考えごとをすることが多い。

あまり自分自身のことは書きたくないのだが、なぜ日々練習に固執しているのか少し考えてみた。

もちろん根底には音楽が好きで、技術と精神を高めていくことが楽しいと感じているからなのだと思う。

ほかに挙げるとしたら、それはプライドかもしれない。
自分自身に恥じないようにするということは、とても大事なことだ。

今だから書けることなのだが、2001年12月のサクソフォーンフェスティバルで、私は国立音楽大学部ブラスオルケスターとダールを演奏させていただいた。
滅多に無い機会だし楽しみではあったが、それとは裏腹にチケットノルマがあり、結局売ることができず10万円近く支払ったのだ。
フェスティバルはボランティアで参加しているので、当然ギャラなどいらないが、その頃はアルバイトをしながら生活に苦しんでいた頃で、しかもその年の夏に勇んで挑んだミュンヘンのコンクールでは予選落ちしてしまい、精神的にも落ち込んでいた中に、更に手痛い失費に苦しんで虚脱にさいなまれたのだ。
そんな中で、演奏だけは中途半端に終わらせてはならないと奮い立ったのは、自分に少しでもプライドがあったからだと思う。

例えばブラスや室内楽の授業で、トラだから吹けてなくても良いなんていうことはない。
楽譜をもらったのが遅かったから吹けてなくても良いなんていうこともない。

そして音大の中だけではなく実社会でも、たとえ疲れていても、虫の居所が悪くても、やってはいけないことというのはある。

そんなことを今朝の通勤中に考えていた。

2号館

2007-06-21 22:56:27 | 尚美
尚美の練習棟。
私が学生の頃は1号館と呼んでいたが、今では本館が新しく建ったので、ここは2号館と呼ばれるようになった。

今では2号館の2階の廊下はサックスの学生の巣窟になっている。
そんなことを言いつつ、私も学生時代はよくここで練習していたし、しかもつい先日も少しだけ練習させもらった。

一年後

2007-06-20 23:38:34 | 日常
今度の日曜日にいつもの尚美体験入学がある。
今回は原田恭子さんのピアノで行い、今日の夜に合わせをした。


6/24(日) 13時~
東京ミュージック&メディアアーツ尚美 体験入学
場所:バリオホールもしくは2号館3階の2302教室


曲目は「白鳥」等の小品、バッハの無伴奏パルティータ、ウズメの踊りを演奏予定。
先月、フランスで棚田さんと一緒にウズメを演奏しているが、今日久しぶりに吹いてみると、吹けていない所が意外に多く苦戦した。
当日はNet-TVの収録も入るそうで、今度の演奏会の一部もネット上に公開されるそうだ。
あと数日、できる限り時間をつくって準備したい。


話は変わり、ちょうど一年後の今日にリサイタルをさせていただくことになった。
2008年6月20日(金)浜離宮朝日ホールにて。

今のところ、まだこれだけしかお知らせできない。
本当は上野の東京文化会館が第一希望だったのだが、やはり人気があるようようで、既に予約でいっぱいだったそうだ。

これまでのすべてを披露できるように。
そしてあと366日(来年はうるう年)かけて、日々充実したと思えるように、少しでも成長していきたい。

尚美時代の頃

2007-06-19 22:43:20 | 尚美
今日は尚美のレッスン。
それぞれ先週の実技試験のことを話してくれた。
正直、かなり心配していたのだが、結果はみんな思いのほか良くて驚いてしまった。

尚美の実技試験は一人ひとりに審査してくださった先生方から講評用紙に講評を書いてくださるのだが、どの先生も的確に講評してくださっていた。
今日からまた新しい気持ちでレッスンしていく。

尚美は母校ということもあり、レッスンしていて自分自身が学生だった頃をよく思い出す。

学生の頃、稀にレッスン中に注意されたことを消化できないことがあった。
それは技術的なことではなく、イメージや概念に及ぶ事柄だった。
レッスン後、復習しようにも自分自身にその引出しが無いときにはどうしようもなく、そのときはたたずんでしまった。

特に尚美一年生の秋、管打楽器コンクールを受ける準備をしていたときに、よくそんな事態に陥っていた。
今考えれば、まだ独奏曲に触れたばかりの頃に、重い課題曲を詰め込んだためだった。
(ちなみに1993年のこと。課題曲は一次ブリヤンス3,4楽章、二次ヴェローヌのラプソディーと選択曲、本選イベール。1位は大城さん。私は二次敗退)

そんなときは練習をやめて、地元鎌倉の妙本寺の山に囲まれた境内に座って先々の不安にさいなまれつつ、気持ちと思考の整理をしていたことを思い出した。

今の学生も、この多感な時期に色々なことを学んでほしいと思う。

尚美授業 8日目

2007-06-18 23:15:45 | 尚美
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●今日の授業メモ(自分用)

Debussy:Rapsodie

拍点とアーティキュレーションをずらした音階(A,fis)

ヴィブラート
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月曜日はいつも慌しい。
尚美で朝9時半から18時半まで授業とレッスンがある。
その後、教室が空いていれば20時過ぎまで練習して帰ってくる。
少しでも練習時間が取れる日はありがたいが、先月は合わせやリハが入って21時頃まで働いていたこともあった。

体調が悪い日や本当に疲れた日など、練習したくないと思う日もあるが、こういうときにサボってしまうと、それまでの人間になってしまうと思い込み、自分をいましめている。

ただ今日は身の回りにいくつかいいことがあり、帰りの電車に乗っても身が軽かった。
こういった気分の良し悪しも、体調や疲労に影響しているのだと気がついた一日だった。

自衛隊航空中央音楽隊定期演奏会

2007-06-17 23:03:29 | 日常
今日は自衛隊航空中央音楽隊定期演奏会だった。

自衛隊音楽隊は、いつもは慎ましい生活なのだそうだが、演奏会の際には高級弁当が昼食に宛がわれるそうだ。
津多屋のお弁当。大変美味しかった。



本番は集中力の高い演奏で、またどの作品もとても素晴らしいものだった。
作品についてはまた後日ゆっくり書きたいと思う。

この自衛隊音楽隊には母校の先輩や友人が多く、私が今回お招きいただいたきっかけも、尚美時代の先輩からご連絡をいただいたからなのだ。



左の塚本さんは二学年上の先輩。
楽器のことから人付き合いのことまで、学生生活のあらゆることを教わった先輩。
右の高橋さんは四学年上の先輩で、学生時代はお会いする機会は少なかったが、尚美にいくつもの伝説を残した名実ともに素晴らしい先輩だ。
この音楽隊のコンサートマスターでもある。

今回、練習から本番まで本当によく気遣ってくださり、大変感謝している。

吹奏楽コンクール

2007-06-16 23:28:52 | 日常
今日は約半年ぶりに湘南学園のパートレッスンに伺った。
そういえば吹奏楽コンクールが来月に迫っているのだった。

コンクールという、目に見える目標を立てれば、部員のモチベーションは保ちやすい。

私の母校の深沢中学校は、当時部員は70~80名いたが、吹奏楽連盟に加盟しておらず、当然コンクールにも参加していなかった。
あとから知ったのだが、それは顧問の先生の方針だったのだそうだ。

普通の学校は7月に入ればコンクールモードに入るものだが、そんなものもなく、また夏休みの練習もあったりなかったりだった。
夏休みといえば、文化祭や市の音楽祭など、秋の様々な催しの練習となり、体育館で演奏する際の釣り看板を作成するため、汗を流しながら力仕事していたことを思い出す。

今日はなぜか、自分自身が夏休みをのどかに過ごしていたことを思い出しながらレッスンしていた。