hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

3号館

2008-02-29 23:07:22 | 洗足
今日は洗足高校の最後の授業だった。

皆この一年間、音階を大事に練習していた、少しずつではあるが上達している姿を垣間見ることが出来た。

午後は先週と同様にレッスン室を借りて練習に勤しんだ。
楽譜を少し縮小して本番用に楽譜を作った。
音符がかなり小さくなってしまい、読みづらくなってしまったが仕方ない。

Puzzle譜読み05

2008-02-28 23:35:40 | sax関係
今日は思いがけず休日となり、自宅で練習していた。

Puzzleの本番があと一週間となり、ようやく全体が見渡せるようになってきた。

前回掲載した「1拍半5連符」について、うまくカウントできる方法はないものかと考えていたが、先日尚美の教員室でマリンバ奏者の小川先生に尋ねたところ、「1拍半と考えるよりも八分音符3つ分の中に十六分音符5つを入れる感覚。」というアドバイスをいただいた。

この作品はリズム転調という、テンポの変更に際し前後の速度に関連をもたせる技法が用いられている。
例えば、「四分音符=60」から「四分音符=120」への速度変化は、音符の価値が倍になり、すなわち「四分音符から二分音符への転調」と考える。
中には、複雑なリズム転調を強いられる部分があるが、細かい音符でカウントする感覚を身体で覚えられれば、さほど難しいことではないが、時間のかかる作業ではある。

暗譜で

2008-02-27 22:19:36 | 尚美
今日も尚美の実技試験。
まずオーボエを二人聴いた後サックスの一、二年生を聴いた。

尚美の楽曲試験は暗譜で演奏しなければならない。
上手く演奏できた学生はよいが、些細なことで暗譜が飛んでしまい、凍りつく場面が幾度となくあった。

サックスの曲は和声の複雑なものばかりなので、予測が難しい。
様々な状況に応じてしっかり準備しておかなければ、何かのはずみで真っ白になってしまうこともあるだろう。

私は昔、暗譜することに意味を見出せないでいたが、2001年秋、ミュンヘンのコンクールで予選落ちして、その時から自分を戒めるために、今後の本番はなるべく暗譜して臨むことにした。

その年のフェスティバル内で演奏したダール、翌年は吹奏楽との共演、函館でのリサイタルと、すべて暗譜した。
特に函館でのリサイタルは、以前なら何気なく演奏していたラグタイムやピアソラのタンゴエチュードが暗譜しづらく、これまで何でもないと感じていた曲にずいぶん苦しめられることとなった。
逆にメインプログラムだったシューマンの三つのロマンス、ブラームスのクラリネットソナタ第二番、アンコールのクララ・シューマンの作品では、大曲にもかかわらず、調性や和声、形式がはっきりしているため、暗譜する作業はさほど難しくはなかった。

話を戻し、暗譜には当然それ相応の準備が必要になってくるわけだが、暗譜した上で本番に臨むことによって、これまでとはまた違った風景が見えてくるということに気づいた。
まさに獅子搏兎だ。

南古谷へ

2008-02-26 23:01:36 | 日常
今日は来週の演奏会の合わせのため、東邦音大へ伺った。

演奏会の詳細はこちら

当初、東邦音大のサックスの先生へ出演を打診したそうだが、都合がつかなかったそうで、そこで私に回ってきたのだそうだ。
人との貴重なつながりを噛締めることになった。

打楽器科の石内先生と本当に久しぶりにお会いし、学生に至れり尽せりの接待を受けて合わせに臨んだ。
まさに「案ずるより産むが易し」で、スムーズに合わせを終えた。
皆よく練習してくださっているようで、その賜物だろう。

私自身、年明けに本番が無かった為、合わせをしたのが久しぶりとなった。
特に打楽器の、点で描く風景を線で結んでいくような感覚は、より情景がはっきりするようでして楽しかった。

尚美卒業試験

2008-02-25 22:06:35 | 尚美
尚美を教えて、初めて卒業生を送りだすことになる。
この学校は私の母校ということもあり、自分自身が学生の頃を思い出してしまう。

特にサックスはグラズノフ、イベールが重複し、「学生皆一丸となって演奏」といった印象だった。
どの学生も協奏曲などの大曲を暗譜で立派に演奏していた。
この学年は雰囲気が良く、試験ではあるが楽しんで聴くことができた。

Puzzle解説

2008-02-24 22:18:55 | sax関係
3/6(木)のアンサンブル・ヴィーヴォで演奏するガクシー作品は楽譜に奏法の詳細が記されていないのだが、ガクシー本人から鈴木純明さん経由で奏法の解説をいただいた。
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セバスチャン・ガクシー《ジグゾー・パズル》
Sébastien Gaxie :Puzzle -Pièce pour saxophone ténor-

この作品は、息の長いプロセスというよりは、異なる素材が入れ替わる
いわばモンタージュの音楽であり、ジャズマンのインプロヴィゼーションのようなイメージが投影されている。曲の最後は、フリー・ジャズのような即興で終わっている。
楽譜の最初の特殊な音は、リードに舌をつけずに、リードの先に息をたっぷり吹きかける強烈なエフェクトである。息音は、吸い込まずに楽器全体に極度に強く吹きかけるようにして作らなければならない。
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今はこの「強烈なエフェクト」というのが意外に難しく苦労している。
息をたっぷり吹きかけるだけではなく、リードに対して正面から密度の濃い息を吹きかける必要があり、勢いだけではなく高い息の精度が必要になる。

尚美実技試験

2008-02-23 22:44:05 | 日常
尚美の実技試験。
尚美は学内独自のグレード制に準じて進められている。

午前中はハイグレードの試験がバリオホールで行われた。
ファゴット、サックス、トランペット、トロンボーンが各一名ずつ、ユーフォニウムが二名。
他の楽器の実技試験を聴いたのは久しぶりだった。
以前聴いた記憶が無いので、もしかしたら初めてだったかもしれない。
他の楽器とサックスの楽曲を聴き比べてみると、サックスの楽曲は音符の数が群を抜いて多い。

午後は3年生の試験。
パスカル、ボザ、トマジ、ムチンスキー、サンカン、デクリュック等、皆、難しい曲を暗譜でよく吹いていた。

試験の出来不出来は当然大事だが、根本的には楽曲への理解と完成度に尽きると思う。
自身がその曲を好きなのかどうかが演奏にも表れるものだ。

来週も引き続き試験が続く。

打楽器アンサンブルと

2008-02-21 21:19:57 | 日常
久しぶりに本家のホームページを更新した。

演奏会情報を掲載したが、あと少しなので、何とか時間を作って譜読みを進めたい。

東邦音大打楽器科は、今年度から器楽奏者のゲストを招き、その第一号が私なのだそうだ。
光栄の至りだ。

打楽器アンサンブルとサックスは楽器としての相性はもちろん、奏者の気質や性格的な相性も良いような気がする。

Puzzle譜読み04

2008-02-20 22:14:10 | sax関係
例えば初見演奏なら、テンポ感を損なわない為に、リズム重視で音高を度外視する場面があるかもしれないが、譜読みは一字一句すべてを吟味しながら読んでいくので当然時間のかかる作業だ。
そこで長い曲を譜読みする際には、様々な要素を分解して読み進める。

最初から最後までを一気に読もうとすると、曲の流れをつかめるかもしれないが、細かな部分までを把握しづらい上に疲労も大きくなる。
特に長い曲であれば小分けにして、優先順位を決めて読んでいく。

例えば、この写真の部分は「1拍半5連符」という難しいリズムではあるが、ひとまずリズムを度外視し、音高を優先していく。
跳躍が甚だしい上にフラジオ音域も含んでいるので、指使いやアンブシュア、息の運び方も確認しなければならない。

テナーの曲なので、フラジオの指使いがアルトとは若干変わり苦労している。
ちなみにこの部分のフラジオ「ソ」は、1,C5で出している。

最後のレッスン

2008-02-19 22:35:28 | 尚美
昨日は授業、今日はレッスンだった。
昨日同様に、今年度最後のレッスンとなった。

私のクラスからは四名卒業していく。
この学校で、良かったこと良くなかったこと色々あったと思うが、それも時が経てば懐旧の思いとなるだろう。
社会に出ていく不安はあると思うが、それを乗り越えて、それぞれの分野でプロフェッショナルになり、本質的な大人になっていくのだろう。

先日、洗足ジャズ科の中村誠一先生とお話する機会があった。
レッスンや学生のことに話が及び、「人はお金を貰うようにならなきゃ上手くならないよね。」とおっしゃっていた。

たとえ少ない謝礼だとしても、お金を貰う以上、そこには責任が生じる。
深いお言葉だと思った。

尚美授業 30日目

2008-02-18 22:10:40 | 尚美
今日は授業最終日で試験を行った。

基礎練習ばかりしている授業なので、どのような試験を行うか、随分考えた挙句、それぞれに「楽器紹介」を行ってもらうことにした。
「楽器紹介」とは半分は業界用語で、オーケストラなどの音楽鑑賞会の中で楽器を紹介する際、それぞれの楽器の音を聴く為にごく短いフレーズを演奏するというものだ。

どのような結果になるか心配だったが、学生たちのセンスが光り、思いのほか楽しい試験となり、一年間の授業を締めくくった。

一年生は、おそらく来年も引き続き授業が続くことになるだろう。
二年生は、進学組、卒業組に関わらず今日が最後の授業となった。

アンサンブル・ヴィーヴォ演奏会の詳細

2008-02-17 22:51:33 | 日常
譜読みに苦労している演奏会の詳細が発表されているので、こちらからもご紹介したいと思う。


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アンサンブル・ヴィーヴォ2008公演 20→21世紀の創作

日時:2008年3月6日(木) 19時~
場所:東京オペラシティー リサイタルホール

[出演]
吉川真澄(Sop)、間部令子/難波薫(Fl)、鈴木生子(Cl)、原博巳(Sax)、窪田翔(Perc)、大須賀かおり/冨田実里(Pf)、甲斐史子(Vn)、西山健一(Vc)、夏田昌和(Cond)、金子仁美(企画構成)

[曲目]
・クロード・ヴィヴィエ:フルートとピアノのための小品
・クロード・ヴィヴィエ:ヴァイオリンとピアノのための小品
・クロード・ヴィヴィエ:パラミラボ~フルート、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための
・ベアート・フラー:粘土の足で立って[日本初演]~声とフルートのための
・フィリップ・ユレル:墓(トンボー)ジェラール・グリゼーの思い出に~打楽器とピアノのための
・セバスチャン・ガクシー:ジグゾーパズル[日本初演]~テナー・サクソフォンのための
・アラン・ゴーサン:球体のハーモニー[日本初演]~フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、打楽器のための

[料金]
全自由:3,000

企画/構成:金子仁美・夏田昌和
協力:鈴木純明
主催:アンサンブル・ヴィーヴォ2008
助成: 日本芸術文化振興基金 財団法人 ローム ミュージック ファンデーション
前売り:東京オペラシティ チケットセンター 03-5353-9999
お問い合わせ:アンサンブル・ヴィーヴォ 2008
tel:090-8438-0184
fax:03-3428-7840
e-mail:ensemblevivo@yahoo.co.jp
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Puzzle譜読み03

2008-02-16 21:57:34 | sax関係
慌しい日々が続き、ようやくゆっくり譜読みを再開できた。

楽譜への書き込みは、演奏中でも素早く読み取れるように、なるべく記号化し簡略化に努める。

この曲は音の跳躍が甚だしく、指使いを楽譜に書き込んだ。
特に、これまでテナーのフラジオ音域はあまり使ったことがないので、てこずっている。

指使いに関わる書き込みは、使用するキーの名称を書き込み、且つマルで囲むようにしている。
フラジオ音域などの読みづらい音は、音符の上に直接ふりがなを書く。

舞踏楽桃太郎

2008-02-15 23:14:12 | 日常
今日は洗足にて開催されたファインアーツ・アンサンブルの演奏会を聴いてきた。

sax岩本先生は私が尚美の学生の頃から公私共に大変お世話になっている。
その頃、岩本先生が受け持っていた授業(今年度から私が引き継いだ)では、それこそ色々な曲やアンサンブルをしたものだ。

今日演奏していた「舞踏楽桃太郎」は、1996年夏に上野公園内の奏楽堂で初演され、私はその初演も聴いている。
今回は改訂されたものを演奏していたが、内容がよく分かり楽しく聴くことができた。