hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

プライド

2007-06-22 23:13:05 | 日常
尚美、洗足へは電車で通勤している。
今に始まったことではないが、電車内や駅ホームではマナーを守れない人が多くていつも目についてしまう。

満員電車の中では、本や楽譜も出せないので、窓の外を眺めたり、中吊り広告を眺めたり、目をつぶったりして考えごとをすることが多い。

あまり自分自身のことは書きたくないのだが、なぜ日々練習に固執しているのか少し考えてみた。

もちろん根底には音楽が好きで、技術と精神を高めていくことが楽しいと感じているからなのだと思う。

ほかに挙げるとしたら、それはプライドかもしれない。
自分自身に恥じないようにするということは、とても大事なことだ。

今だから書けることなのだが、2001年12月のサクソフォーンフェスティバルで、私は国立音楽大学部ブラスオルケスターとダールを演奏させていただいた。
滅多に無い機会だし楽しみではあったが、それとは裏腹にチケットノルマがあり、結局売ることができず10万円近く支払ったのだ。
フェスティバルはボランティアで参加しているので、当然ギャラなどいらないが、その頃はアルバイトをしながら生活に苦しんでいた頃で、しかもその年の夏に勇んで挑んだミュンヘンのコンクールでは予選落ちしてしまい、精神的にも落ち込んでいた中に、更に手痛い失費に苦しんで虚脱にさいなまれたのだ。
そんな中で、演奏だけは中途半端に終わらせてはならないと奮い立ったのは、自分に少しでもプライドがあったからだと思う。

例えばブラスや室内楽の授業で、トラだから吹けてなくても良いなんていうことはない。
楽譜をもらったのが遅かったから吹けてなくても良いなんていうこともない。

そして音大の中だけではなく実社会でも、たとえ疲れていても、虫の居所が悪くても、やってはいけないことというのはある。

そんなことを今朝の通勤中に考えていた。