hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

声部

2007-11-30 22:53:34 | sax関係
12月22日、23日に開催されるサクソフォーンフェスティバルの詳細が決まったようだ。
こちら

私は22日は洗足教員アンサンブル、23日はジェローム・ラランとのデュオで出演する。
どちらもバリトンサックスを吹くことになり、少しずつ練習しているところだ。

楽器の持ち替えというのは難しそうと思われるが、実は持ち替え自体はそれほど難しいものではない。
サックスは、例えばアルトからテナー、バリトンと持ちえた際、受け持つ声部とその役割を演じ分けることに難しさがある。
とは言え、それらの声部を内側から享受できるということは、貴重な体験でもある。

ちなみにジェローム・ラランとのデュオでは、アラン・ベルノーの「二つのサクソフォンの為のソナタ」を演奏する。

先輩

2007-11-29 22:45:47 | 日常
一昨日の話の続き。
この日は特に何があったというわけではないのだが、思い返すと濃密な一日だった。

尚美の試験日では、先輩である松雪さんとよく昼食をご一緒する。

いつも色々な話をして話題が尽きない。
松雪さんには昔から本当にお世話になっていて、私が管打コン一位やディナン三位になっても鳴かず飛ばずだった頃、ご自宅に招いてくださったり、すきやきや焼肉をご馳走してさったりした。
その中で、本当に親身に相談を聞いてくださったりアドバイスをいただいたりした。

そうした先輩の恩恵から、私の先輩像というものが形成されたのかもしれない。
そして、私が後輩に対して何ができるのかということも考えるようになった。

プロヴァンスの風景

2007-11-28 23:52:38 | sax関係
昨夜、尚美の実技試験が終わった後、大船の鎌倉芸術館にて行われたファブリス・モレッティー氏の演奏会を聴いてきた。

東京のリサイタルでは洗足ファンファーレバンド演奏会と重なって聴きに行くことができなかったのだが、洗足の学生からこの演奏会のことを聞き、招待券までいただいてしまった。
おそらく東京での演目と同様かと思われるが、「ラルゴ」、シューベルトの「セレナーデ」を始めとした小品から「プロヴァンスの風景」や「スカラムーシュ」等、一時間ほどの演奏会だった。

モレッティーの演奏を初めて聴いたのは、1994年ディナンの本選だった。
宿泊しているホテルも偶然一緒で、よく顔を合わせ、気さくに挨拶してくれたことを思い出す。
その頃から変わらず素晴らしい音色だった。

私も「プロヴァンスの風景」を来年のリサイタルで演奏しようと思っていて、再び勉強しているところだ。
この曲は何度となく演奏していて、ピアノ伴奏版だけではなく、オーケストラ版でも二度演奏したことがある。
一度目は1998年ディナンの本選で、ワロニー室内オーケストラと。
二度目は2004年に神奈川フィルと。
本当に貴重な経験をさせていただいた。

この曲はミュールに捧げれられているが、オーケストラ版はロンデックスの委嘱によるもので、オーケストラ版初演はロンデックスが行っている。

ちなみに「スカラムーシュ」もミュールに捧げられている曲だが、ミュールはこの曲をあまり好まなかったようで、やはりロンデックスが初演している。

グレード試験

2007-11-27 23:22:49 | 尚美
今日は珍しく、一日中楽器を吹かなかった。
夏休み中、コンクール審査で練習できなかった日以来、数ヶ月ぶりだ。

今日は朝から尚美の実技試験だった。
楽曲を演奏するのではなく、各学生が規定のグレードに沿って、初見(それぞれのグレードに見合った課題が用意される)、音階、練習曲(3曲用意、当日指定)を吹く。

全ての学生がという訳ではないが、初見、練習曲は上手に吹けても、音階がままならない学生が多く見受けられた。
音階練習は地味で難しい上に、練習してもその効果が即座に表れるという訳では無いので、退屈だと思われているのだろうか。
もしそうだとしら、私にはその気持ちが理解できない。

私が音階練習の必要性と楽しさを見出したのは高校生の頃だった。
とある日の放課後、音楽室隣の準備室から、ピアノで音階とカデンツを練習しているのが聴こえてきた。
練習していたのは音楽の先生で、授業に追われて忙しい中でも、必死にテクニックを維持しようとしている姿勢と、目まぐるしく転調していく音階が校舎全体にアラベスクを施すように響き、それがとても美しく感じたのだ。
私もその境地に少しでも近づきたくなって、練習を始めたのがきっかけだった。

表情豊かに歌うことや、初見力、譜読みの速さ等、フレーズを文節として捉えるためには音階力の向上が不可欠であり、学生たちが音階や調性の世界を楽しめるように見出すことができることを切に願っている。

客観

2007-11-26 23:02:17 | 日常
午前中は久しぶりに蓼沼くんと会い、来月開催される彼のリサイタルの演目を聴かせてもらった。

ソロ、ピアノとのデュオ、更には母校の中学校の吹奏楽部との共演もあり盛りだくさん。
今は事務仕事に追われ、練習どころではないような感じだったが、リサイタル前は練習したくてもできないという、そういう苦労もある。

蓼沼くんは、実力もあり、しっかりとした自分の世界を持っているが、しかし精進する気持ちも強いようで、未だに私のところに来ることがある。
その心理は、客観的に聴いてくれる機会を求めているのだと思う。

詳細はこちらに記載されている。

午後は自分の練習をしたかったことと、少し疲労を感じ、結局、国立音大のドゥラングル氏のクリニックには行くことができなかった。

ドゥラングル氏クリニック

2007-11-25 23:18:29 | sax関係
今日は17時よりアクタスにて行われたドゥラングル氏のクリニックを聴いてきた。

藝大院生の二人の公開レッスンの後、様々な曲を様々なモデルの楽器やマウスピースの組み合わせで聴き比べるというデモ演奏を披露した。
私もアクタスで、「~基礎からマウスピースとリードについて~」というクリニックを行ったことがあるが、これに似たものだった。

一昨日の神がかった演奏会の後、昨日はさすがにクタクタだったようだ。
それでも午後から夜にかけて5時間ほど、飲まず食わずでピアノ合わせと楽器、マウスピース選びを行っていたそうだ。
今日もまったく疲れを見せず、レッスンに演奏にと、その姿が神々しく見えた。

ドゥラングル氏のことを書き出すと長くなるので、また日を改めて書きたいと思う。
明日は国立音楽大学でクリニックが行われるそうだ。
私も余裕があれば足を運びたいと思っている。

宿泊

2007-11-23 23:15:01 | 携帯
静岡でドゥラングル氏のリサイタルを聴いた後,東名ー富士スバルラインと車を走らせ,今日は河口湖に宿泊.

夜空の星明かりで,ぼんやりと見える富士山もまた美しかった.

河口湖周辺は暗くて写真がとれなかった.

尚美授業 22日目

2007-11-22 23:05:33 | 尚美
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●今日の授業メモ(自分用)

Quatuor de Habanera: Holberg Suite(Grieg)
音階:同主調3
メカニカル:vol3 1-
無伴奏チェロ組曲:左ページ譜読み
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●今日の代講室内楽メモ

試験


J.S.Bach: Italian Concerto
A.Bernaud: Quatuorより3、4


G.F.Händel:シバの女王の入城
A.Desenclos: Quatuor


P.Lantier: Andante et Scherzetto


J.S.Bach: Symphoniaより No.1,2,4,10,12
高橋伸哉: Passion


J.B.Singelée: Quatuorより 1,4
F et M Jeanjean: Quatuorより1,2,4
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いつもなら洗足レッスンの日だが、洗足は入試を行っている。
今日は尚美のハッピーマンデーの帳尻を合わせる月曜対応日ということで、月曜日のレッスンや授業が行われた。
学校の中は月曜日の雰囲気に包まれていた。

また、今日は代講している室内楽の試験を行った。
いつもの時間帯で演奏会形式で行い、後輩たちも見守る中それぞれが約2ヶ月間の成果を披露した。
今は試験期間中で、そして来週には実技試験も控えている為、これだけのために練習時間を避けない現状の中、よく頑張っていたと思う。

私は、昨年もこの時期はずいぶんとアンサンブルづいていたが、はたしてそういう季節なのだろうか。
学生たちはどう思っているかはわからないが、それはとても幸せなことだと思う。


生命のフリーズ

2007-11-21 23:11:05 | 日常
午前中、所用で都内へ出かけ、その用事もお昼には片付いてしまったので、午後は上野の国立西洋美術館で開催されている「ムンク展」に足を運んだ。

この西洋美術館は藝大別科に通っていた頃は通学路だったのに、恥ずかしながら館内に入ったのは初めてだった。
上野公園の銀杏の香りが懐かしかった。

そもそも日本で美術館に入るということも珍しい。
パリではピカソやロダン等、いくつかの美術館や博物館には行ったことはあるが、それも観光の一環としてで、行った後はどっと疲れてしまったものだが、今回のように独りで能動的に美術館に足を運ぶと、時間を忘れ、楽しむことができた。
季節がそのような思考に駆り立てるのか、あるいは歳のせいなのだろうか。

「叫び」がムンクの代名詞となっているが、今回その「叫び」は無く、ムンクの装飾画家としての軌跡を追った珍しい展覧会で、興味深いものだった。
それぞれの画面を一点ずつみるのと、フリーズとしての一部と捉えて見る画面では、それが同じ絵画であっても、受ける印象が変わってくる。
また、人の様々な心の内を描いた表現主義の世界を垣間見た。

これらの作品をオスロで鑑賞すると、また違った印象になるのでは、などと考えていた。

音楽教育

2007-11-20 22:31:07 | 尚美
今日は尚美レッスン。
来週はエチュードの実技試験があり、大半の学生は今日が試験前最後のレッスンだった。

この時期は様々な行事や催しに加えて体調を崩す学生が多く、練習がはかどらない様子。
更には、そんな慌しい中でもアルバイトしている学生もいて、苦労しているようだ。

学生がアルバイトすることに関して、私は学生であるうちには勉強に専念してほしいとは思うのだが、家庭の事情でそうも言っていられない学生がこの学校にはたくさんいる。
もちろん私が学生の頃も、そんなたくましい人は多かった。

医学大学と並び、音楽大学は莫大な授業料がかかるということは周知のとおりで、裕福な家庭の援助がなければ音楽教育が受けることができないのが現実だ。
この学校は、どんな人にでも音楽教育を施すという精神があるようで、試験の多さや、学内外の演奏会が豊富なところもその精神の延長のような気がする。
その点ではこの学校に対し、敬意をはらうと共に更なる発展を期待したいが、学生たちも学校からの恩恵をしっかり受け止めて、よりプロ意識を持って授業やレッスンを受けてほしいと願うばかりだ。

尚美授業 21日目

2007-11-19 22:19:25 | 尚美
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●今日の授業メモ(自分用)

Vitor Morosco: Blue Caprice
音階:同主調2
メカニカル:vol3 3-13,20 4-32
無伴奏チェロ組曲:左ページ譜読み、右ページ譜読み
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●今日の代講室内楽メモ

熊 Desenclos: Quatuorより、3
小 Jeanjean: Quatuorより、4
大 Lantier: Andante et Scherzettoより、Scherzetto
大 Bernaud: Quatuor
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今朝、尚美に出勤し、いつものごとく教員室のメールボックスを開けたら、先日の体験入学での演奏を録画されたDVDが入っていた。
時分の演奏というのは、あまり聴きたくないものだが、客観的に見えてくるものが多々あるので、帰宅後に少し見てみた。

想像以上にきれいに撮っていただいていて、音の伝わり方も本番中にイメージしていた状態にかなり近いもので安心した。
とは言え、ケクラン8番のスタッカートでは、イメージしていたよりもタンギングが柔らかすぎたので、こちらはもう少し研究が必要だ。

映像として記録されたものを見てみると、本番中の立ち姿や姿勢を確認できるので、その点でも大変嬉しい。
私は2本の前歯の高さが違い、更に顎が前後左右にずれているため、楽器に対し真っ直ぐ息を入れることがかなり難しい。
結果として身体全体が吹き込む角度に合わせてやや曲がってしまうということもわかった。

ただこれは身体が歪んでいるということではなく、あくまで楽器に対して吹き方を合わせている結果なので、この奏法を維持しようと思っている。

ハイグロケース電池切れ

2007-11-18 22:02:18 | sax関係
昨日は洗足で、今日は自宅で久しぶりにゆっくり練習できた。
来年のリサイタルの曲目は難しい曲ばかりなので、早めに少しずつ準備していきたい。

気付けば自宅に置いてあったバンドレンのハイグロケースの電池が切れていた。
取り替えようと思い電池を取り出してみると、コイン型電池が出てきた。

規格を調べて電気屋で探してみたが、同じ規格は売っていなかった。
ちなみに電池の規格はCR2430。

最初から入っていた電池は「Made in Japan」と書かれていたので、日本で手に入るとは思うが、ネットで調べてみたところ、通販等では取り扱っていつつも、あまり一般的ではないようだ。

そんな流れで、このコイン型(ボタン型)電池についてネットで調べていくうちに、この電池の主な用途や規格の見方などがわかっておもしろかった。