hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

右手のフィンガリング

2008-04-30 20:35:50 | sax関係
写真を撮ってみて気付いたのだが、私は肘と手首が内側(親指、人差し指側)に若干ひねっているようで、薬指、小指の俊敏性を欠いている原因にもなっているようだ。

左手のフィンガリング

2008-04-29 21:10:31 | sax関係
サックスの奏法は当然ながら様々な要素がある。

息、シラブル、アンブシュア等、発音に関わる要素はもちろん、指使いやフィンガリングも当然大事だ。
私もそうだが、左手の薬指や小指の操作が苦手という人は多いと思う。

私は指の動きよりも指の角度を、更に手首や腕の角度を意識している。
薬指に手の重みを乗せるイメージを抱いているが、肘が曲がっている為に明確にフォームを捉えることが難しい。

初演

2008-04-28 23:04:24 | sax関係
前々からお知らせをいただいていた藝大博士課程在籍の佐藤くんの演奏会を聴きに久しぶりに藝大へ行ってきた。


「第1回 佐藤淳一 博士サクソフォン・リサイタル」
ルチアーノ・ベリオの肖像
~SequenzaⅦbにおけるH音の変容と全体構造の拡大縮小について~
於:東京藝術大学第1ホール


佐藤くんは洗足在学の頃からベリオ研究を始め、今では日本屈指のベリオ研究者であり、華やかなサックスの世界の中で異色な活動を展開している。

今日の演奏会は「セクエンツァ7b」に焦点を当て、更にそれを取り巻く注釈作品として「アラウンド(ドゥラングル作曲)」、「シュマン4b」も併せて演奏し、曲間に楽曲解説も展開し、演奏会というよりはさながら研究発表といった面持ちだった。
佐藤くんの裏付けのある表現と集中力の高い演奏を、また「シュマン4b」は日本初演となり、貴重な演奏を聴くことができた。

ちなみに、この「セクエンツァ7b」を日本初演したのはC.ドゥラングル氏で、1996年12月にアクタスで開催されたマスタークラスとミニコンサートの中で行われた。
そのときH音を担当したのは通訳の斎藤貴志さんで、テナーサックスで一人で循環呼吸でロングトーンし、それも圧巻だった。

その数ヶ月後、1997年2月に藝大リリアで私がこの曲を演奏した。
日本人でこの曲を初めて演奏したのは私ではないだろうか。
そのときH音を担当したのは同級の大石将紀くんと先輩の佐藤尚美さん。

そして、その時の演奏をなんと当時中学生だった佐藤くんも聴いていたそうだ。

ミュールのCDを聴いて

2008-04-27 21:46:39 | sax関係
私のレッスンや記事、このブログに至ってよく出てくる語彙に「モチベーション」がある。

練習をたくさん行えば上達するが、それには練習するという行動を司る動機が必要になる。

練習をまっしぐらに行い本番を楽しめるということは、実は特殊な能力と言えるかもしれない。

少し前に「所作」について書いたことがあるが、それも強い動機付けや、その人の真に音楽好きという精神を持ち得ているということが前提になる。

先日のサクスケルツェットの打ち上げで感じたことの中で、プロの先生方はそれぞれに趣味を持ち、それがモチベーション維持のための精神的なゆとりを生んでいるということだった。

私も趣味が無いということはないが、今日久しぶりにミュールのCDを聴き、初心に帰ったような気持ちになった。
そのような奇跡的な出会いに感動することや好奇心を抱くことも、そういえば大事な要素だったことを思い出した。

一丸

2008-04-26 23:11:15 | sax関係
今日は久しぶりの休日をいただき、買い物、車の点検など雑用を片付けた。

天気の影響なのか、昨日の疲れなのか、打ち上げで美味しいからといって食べ過ぎた焼肉がもたれたのか、とにかく一日中身体が重かった。

昨日の本番では、一曲目のピアソラで冨岡先生が眼鏡を忘れたり、私も「禿山の一夜」でストラップをしたままソプラニーノを吹いていたりと、小さなハプニングはたくさんあったが、様々な年代の素晴らしい先生方と一丸となって演奏した感じがした。
サクスケルツェットは2005年から始まり、今回で4回目だったが、会を重ねるにつれ若い先生が加わり、更にアンサンブルとしてまとまりのある演奏になってきたようにも感じた。
それは各先生方がこの形態に慣れてきたということもあるが、おそらくそれだけではない目に見えない何かがあるのだろう。

また昨日の楽屋は宗貞先生と相部屋となり、久しぶりに話し込んだ。
特に宗貞先生とは出講曜日が異なるため、同じ職場であってもお会いする機会が意外に少ない。
そういう意味でもこの演奏会は貴重な機会でもある。

写真は洗足所有のコントラバスサックス。

処理能力

2008-04-24 23:13:27 | sax関係
洗足レッスン。

昨日は精神的余裕についてふれたが、今日のレッスンでは学生の譜読みの速さや集中力について考えた一日だった。

管楽器における譜読みは、思いのほか身体の様々な感覚を駆使している。
音一つを出すために呼吸、喉、口腔、指を様々な形に調節しなければならない。

更に譜読みには楽譜に書かれた情報を表現する処理能力を要する。

私自身、常々感じていることだが、新曲視唱や文章の朗読にいたるまで、音符や文章を読み言葉にしたり何かしらの表現をするための脳の発育には個人差があるような気がする。

とはいえ、譜読みの速さだけで音楽的能力を測ることはできないので、私も含め譜読みの遅い学生も諦めず効率良い譜読みの方法を探して欲しいと思っている。

夜はサクスケルツェット合わせ。
本番はいよいよ明日。

楽器選定

2008-04-23 22:54:17 | sax関係
サクスケルツェット演奏会が近づき、その練習が始まった。
朝は中編成の合わせ。
夜は全員の合奏の合わせを行った。

お昼には野中貿易(山田町)に伺い楽器選定を行った。
5/10(土)~11(日)に札幌の三響楽器で行われるフェアで売り出されるそうだ。
私も11日(日)にトーク&ライブをさせていただく予定だ。

精神的余裕

2008-04-22 22:11:43 | 尚美
尚美レッスン。

尚美の学生は今も昔もエチュードの進行状況にばらつきがある。

多くの学生がラクールやクローゼのエチュードを学んでいるが、学生にとって、例えばラクールの「50の易しく斬新な練習曲」を学んでいる学生では10番くらいで、クローゼ(ミュール編)の「25の日課練習曲」を学ぶ学生もやはり10番くらいで技術的な壁にぶつかるようで、これまでと同様に挑んでもうまく行かない要素がそこにはあるようだ。

我々としてもその壁を乗り越えられるだけの技術をそこまでに教えなければならないのだが、技術、精神、モチベーションを一人ひとりの個性を見極めて道しるべを示し導くことは並大抵のことではない。

昨日のアンサンブルの授業でも感じたことだが、自分自身に精神的余裕がなければ周囲に目を向けることはできないだろう。
精神的余裕は、困難やプレッシャーを自身の技術で乗り越えた先にあるものだ。

気持ちで負けず乗り越えて欲しいと願った一幕だった。

尚美授業2008年度 2日目

2008-04-21 23:12:30 | 尚美
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●今日の授業メモ(自分用)

一年生
・CD「Tableau de Provence」(M.Mule)
・ストラップの向き、リードの付け方
・マウスピースの音出し
・ロングトーン、左手の音域

二年生
・二重奏「Aura Lee」
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本格的に授業が始まった。
一年生は昨年とほぼ同じシラバスで、二年生は「アンサンブルトレーニング」と授業名が変わり、アンサンブルの術を少しずつ学んでいくこととなった。
先週の決め事で、四重奏をしようと話しパート決めまで行ったのに、私の気まぐれで二重奏をすることになったが、慣れないソプラノやバリトンを無理して強引に吹くよりは結果的に良かった。

とは言え、近いうちに四重奏も行いたいとは思っている。

リサイタル選曲

2008-04-20 08:30:34 | sax_2008リサイタル
リサイタルの選曲理由については、先日取材、掲載していただいた「ザ・サックス28号」、「バンドジャーナル2008年5月号」の中で語っている。
今回、記事にしてくださった編集者の方々には感謝申し上げる次第である。

実は当初、ピアニストが決まっていない段階ではゴトコフスキーの悲愴的変奏曲を取り上げようと思っていた。
その後、野原さんが共演してくださることが決まったと同時に、よりピアノとのアンサンブルを楽しめる曲目へと考えが変わり現在掲載されている曲目となった。

ケクラン、デクリュックはすぐに決まったが、あと一曲がなかなか決まらなかった。
色彩的ではあってもシリアスな曲が続くので、そこには親しみやすい曲をはさみ、且つ全体の流れを変えないようにと考え、どちらも併せ持った「プロヴァンスの風景」となった。

抜粋

2008-04-19 23:33:35 | sax関係
今週末は出かける用事がなく自宅で練習。

平日はいつも朝早く起きているので、休日でも朝6時には目覚めてしまう。
健康的ではあるが、本番の日や演奏会を聴きに行ったときには眠くなってしまうのでそれも困りものではある。

リサイタルで演奏するケクランの練習曲は3,7,8,9,10,13の6曲を演奏することに決めた。

当初は3,7,9,10,13,15で行こうと思っていたが少し変更することとなった。
抜粋なので必ずしも順次進行しなくても良いのだが、私としては抜粋でも番号順に演奏したほうが自然に感じた。

この曲は後半プログラムの幕開けでもあるので、最初に華やかなト長調のアルペジオを。
そこから属調であるニ長調の7番へ。
7番からは順次進行なので、各曲の調性の変化を気にする必要はないが、続く8番はイ長調で、ここまで嬰調の統一感があり、曲想のコントラストもある。

9番は変ロ長調ドリアン旋法、10番も変ホ長調ドリアン旋法と、途端に背景が変わり、最後に軽快でありながら瞑想的な13番で終止することにした。

二重奏

2008-04-18 22:59:43 | 日常
洗足高校授業とファンファーレバンド。

以前から高校の授業でアンサンブルを取り上げたいと思っていたが、サックスのアンサンブルの基本となる四重奏をするには人数が足りず(三名)、しかもソプラノやバリトンの借用ができないので、仕方なくアルト二重奏を取り上げてみた。

どうなることかと思ったが、思いのほか学ぶことが多く実のある授業となった。
四重奏ではアンサンブルを学ぶ以前に特殊管(ソプラノ、バリトン等)を吹く作業も考えなければならず、アンサンブルに集中することが難しい。
簡単なホモフォニーやカノン等の旋律をアルトで練習することにより、アンサンブルに要求される注意点や演奏の仕方を学ぶことができた。

レッスン室

2008-04-17 22:38:14 | 洗足
洗足レッスン日。

今年度は例年のレッスン室の向かいに変更になり、窓から中庭が見えるようになった。
毎週木曜日は朝から夜までこの部屋にいるが、空き時間に中庭を眺めてたりストレッチしたりしている。

話は変わり、昨日携帯電話を機種変更し、あまりの機能の多さに戸惑い、私の欲しい機能をなかなか使いこなせず苦労している。

先程撮影した中庭の写真も解像度が粗くなってしまった。

血流

2008-04-16 22:39:51 | 日常
昨日の「感覚を磨く」の話の続き。

少しでも時間が空いたときにはストレッチを行い、いつも血流を良好に保つよう気をつけている。
楽器を練習する際にも、あらかじめストレッチすると指が良く動くし疲れにくい。

写真は函館で大変お世話になっているヨガ道場「ササキヨガアシュラム」からいただいた、ヨガの様々なポーズを図解したもの。