詳細については「sax_仏サックス協会会報」カテゴリーをご覧ください。
7)フランスのサクソフォーンについてどう思われますか?
様式感(スタイル)については個人差があるので一概には言えません。
ただフランスを中心としたヨーロッパ人は、
サクソフォンを身体の一部のように操っているイメージを抱きます。
そのイメージは日本人が笙などの和楽器を演奏することと同じものです。
私が考えるサクソフォンとは、音域によって抵抗や音色が変わり、
したがって楽器そのものに不具合があるため、
奏者は音楽性や技術の向上とはまた別の次元で、その不具合を緩和させる努力をしなければなりません。
このサクソフォンの不具合は誰もが感じるものだと思いますが、
しかしフランスで聴かれるサクソフォンの音色は、音域に関係なく均一です。
私はフランスのあまり上手ではない学生の演奏を観察したことがあります。
素晴らしい演奏とはいえませんでしたが、
しかしその不具合を感じない均一な音色に驚いたことがあります。
8)今後のコンサート等の企画、展望について教えてください。
サクソフォンの特徴の一つとして「持ち替えの妙」があげられます。
私はいくつかの企画案を持っていますが、その持ち替えを最大限に利用し、
聴衆を飽きさせない曲目の組み立てをしたいと思っています。
・一人の作曲家(もしくは複数の関わりの深い作曲家)に焦点を当てた演奏会。
・トランスクリプションや若手作曲家への委嘱。
・クラシックの名曲などを若手作曲家によって再作曲してもらうようなコラボレーション。
以上。