hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

別の場所

2007-12-31 21:51:37 | 日常
2007年が過ぎようとしている。

今日は久しぶりに家から一歩も出ずに、考えごとをしながら練習部屋を片付けた。
先日のフェスティバルでは、方々から痩せたというご指摘を受け、またリサイタルのチラシが素敵だとのお言葉もいただき嬉しかった。

実は急に痩せたのはいくつかの理由がある。
春の体調不良(気管支炎)がきっかけだった訳だが、同時期に気持ちの変化があり、精神的にも少し病んでいた。
一言で言えばモチベーションということだろうか。
モチベーションが無くなってしまったという事ではなく、私自身の価値観が変わってしまい、どのように対応したら良いのかまごついていたのだ。
聴衆のご意見や周りの方々のご意見も大事だが、何よりも主観と、自分自身からモチベーションを見出すことが大事なのではと感じ始めていた。

秋にはピアノ伊藤亜希子さんが函館に招いてくださり、演奏会の前前日に「旭ヶ岡の家」という特別養護老人ホームで演奏させていただいたが、終演後に理事長のグロード神父からお言葉をいただいた。
「これからもハッピーを振りまいて行ってください。」
とても嬉しく光栄の至りではあったが、今の私にとって、このお言葉はとても重く、またとても遠く感じてしまった。
一年前のブログを読み返しても感じることだが、あの時とは別の場所にいるような気がしてしまう。

そういった意味では、今年は随分ストイックに過ごしていたわけだが、それとは裏腹に秋には自転車に手を出し、美術館や温泉を堪能し、それなりにバランスも保っていた。

来年はリサイタルもあり、おそらく一生記憶に残る年となるだろう。
できるだけのことを尽くして、日毎大事に過ごしていきたい。

ワイン

2007-12-30 22:04:39 | 日常
今日は自宅レッスンを終え、今年の仕事は全て終了した。

今年はいつになく方々からワインをたくさんいただいた。
普段、お酒はほとんど飲まないのだが、いただいた方のことを考えながら、夕食後に少しずつ開けている。

とは言え、ワインの良し悪しには本当に疎い。
今年5月、パリのセルマー社に伺い、社長と会食した際、何気なく赤ワインをいただいたが、通訳してくださったCl奏者の森あゆみさんが、後に「これまでの人生で一、二を争うほどおいしかった。」とご自身のブログで書かれていて、そうだったのかと思い知り悔やんだ思い出がある。
セルマー社長は私などの為に本当に気遣ってくださったのだが、私にとっては猫に小判で、本当に申し訳ないことをしてしまった。

年の瀬に

2007-12-29 21:41:21 | 日常
フェスティバル終了直後にジェロームは鹿児島へ旅立ち、年明けにCD録音を行う。
今日、ジェロームからメールが来た。

録音に向けて毎日練習に明け暮れているとのこと。
フェスティバルのときにも話していたが、パリから持ってきたリードが、気候の変化からコシが弱くなってしまったとのこと。
彼の言葉をそのまま伝えると、"les anches sont faibles au japon...!" だそうだ。

あと、彼のホームページは引越しをしたそうだ。
先日のフェスティバルのことなどが書かれている。

Jérôme Laran : Saxophoniste

フェスティバルの記憶4

2007-12-28 21:32:45 | sax関係
今回のフェスティバルも魅力的な企画や演奏が目白押しだったが、我々のことも少しふれておきたいと思う。
「Duo Laran-Hara」は初演奏(昨年夏のコングレス)から約一年半経ち、アンサンブルとして大分慣れてきたように思う。

当初、ジェロームのスケジュールの都合で、このフェスティバルに参加できるかどうか、もしくは参加できるとしても、短い時間で合わせをし、お聴かせできるだけの演奏ができるかどうか随分悩んだ。
結論として、せっかくの機会なので参加することに、また生半可な曲ではなく、我々としてもチャレンジできる作品をということで、今回の選曲に至った次第なのだ。

ベルノーのソナタは実は近年ようやく出版されたものだが、私は十年程前にソプラノサックスで演奏したことがあった。
曲のことは幾分理解していたつもりでいたが、今回はバリトンサックスのパートを改めて練習し、この曲を深く知ることとなった。
楽器に慣れていなかったということもあるが、この曲はソプラノよりも、むしろバリトンのパートの方が難しい気がした。

今回は時間の都合で演奏できなかったが、特に第一楽章は、技術的にも音楽的にも、アンサンブル的にも難しい。
第一楽章再現部では、主題をオクターヴ隔てて(なんとオクターヴ下をソプラノ、上がバリトンになっている。)演奏する場面があるが、バリトンのフラジオ音域では、音は出るものの音程のコントロールが甚だ難しい。
聞くところによると、初演者のジャン・ルデューの楽器には高音G#キーまで付いていて、このフラジオ音域に対応していたそうなのだが、本当かどうかは定かではない。

ジェローム来日が22日夜で、フェスティバルの前日、我々の本番の2日前だった。
翌日、フェスオケや種々の本番の合間を縫って楽屋で合わせを行い、本番に挑んだが、結果的にはこの曲を深く知ることができたし、彼とのアンサンブルを楽しみ、またバリトンサックスを楽しむことができた。

来年は早々に彼のCD録音で、また今後も度々共演することになるだろう。

フェスティバルの記憶3

2007-12-27 22:46:31 | sax関係
昨年から始まった二日間開催は、運営側にしても聴く側にしても想像以上に本当に盛りだくさんだ。

今回の目玉だった「ライブエレクトロニクスとの共演」では、豪華な出演者によりとても贅沢な演奏会だった。
個人的に印象に残っているのが、井上麻子さんの演奏したミクスチョンだった。
井上さんとはリンクさせていただいているが、今までしっかりと独奏を拝聴したことがなかったため楽しみにしていた。

音響素材とのテンションのバランスとでもいうのだろうか、とにかく合わせづらいバンド(テープ)に対し、音楽的にアンサンブルし、文字通り「共演」していた。
井上さんの演奏はバランス感覚に優れており、先月のドゥラングル氏の演奏会では鈴木純明さんの「Embellie」での見事な好サポートを、CD「オリジナル・サクソフォーン」での趣のある歌(もっとも楽器がそうさせているのだと思うが)と、どれも素晴らしい。

他の出演者も筆舌に尽くし難いもので、私自身ももっと精進しなければと奮起した演奏会だった。

フェスティバルの記憶2

2007-12-26 22:47:58 | sax関係
サックスアンサンブルによるイベールの室内小協奏曲は、舞台袖で聴いていたため、客席との隔たりはあるかもしれないが、とても興味深く聴かせていただいた。
このアンサンブルによる形態は画期的なものではないだろうか。
音量バランスの問題こそあるが、アンサンブルメンバーはこの作品の内側を垣間見ることができ、また、この作品を熟知したメンバーで演奏できる意味は大きい。
この作品は、それまでの協奏曲のスタイルとは一線を隠し、独奏を含めた室内楽のための協奏曲になっている。
先日の演奏は、全員が一丸となって大きな流れを作り出していたのが素晴らしかった。

独奏の貝沼君の演奏ももちろん素晴らしいものだった。
貝沼君は、以前と比べ奏法やアプローチがやや変わったような気がした。
アンサンブルの大きな流れに逆らうことなく、しなやかで、柔らかい音色と節回しが印象的だった。
後で尋ねたところ、試行錯誤の最中だと話していたが、あるいは「大きな流れ」がそうさせていたのかもしれない。

フェスティバルの記憶1

2007-12-25 22:17:52 | sax関係
先日のフェスティバルでは、企画者の方々やお越しいただいた方々に支えられ、盛況のうちに幕を下ろすことができた。

私は両日の打ち上げに参加し、短い時間だったがたくさんの方々と話をできて楽しかった。
毎年のことではあるが、今年は特にサックス界の大御所の先生方や、海外から参加してくださったジェローム・ララン、ミーハ・ロギーナ両氏と間近に話していると、自分自身が本当に幸せだと感じるときがあった。

私自身のことはさておき、フェスティバルでのいくつかの記憶をここに書いておきたいと思う。

今回、参加してくださったロギーナ氏はパリ音楽院で有村くんと同級だった。
彼はスロベニア人で、スロベニアの音楽大学で学んだ後、セルジー・ポントワーズ音楽院、ヴェルサイユ音楽院、パリ音楽院と進み、現在もパリ音楽院第三課程(Perfectionnement)に在籍している。

今回演奏したハチャトリアンのヴァイオリン協奏曲は、数年前にアクタスで行われた来日演奏会でも演奏していた。
彼はヴァイオリン作品を演奏していくことをライフワークにして行きたいとのことだ。

実は私も以前からこの曲に目を付けていて、彼の演奏を聴くのが楽しみだった。
ハチャトリアンのヴァイオリン協奏曲は、いくつかのカデンツァが存在(オリジナル版、オイストラフ版、オリジナルの縮小版)し、また奏者によってカット、変容したりするのだが、彼はどのように演奏するのか気になり、演奏前に尋ねてみたが、なんとロギーナ氏自身が作ったものだった。
時間の都合で第一楽章のみの演奏だったが、技術的な苦労をまったく感じさせず、暗譜で、どこまでもエレガントで軽快な演奏に舌を巻いた。

ブッシュ・ド・ノエル

2007-12-24 21:13:45 | 日常
朝はアクタスにて購入者立会いでソプラノサックスの選定を行った。
その方とは初対面だとばかり思っていたら、実は何年も前からメールのやり取りをしている方だった。
本体、ネック、マウスピースをそれぞれ選定。

昨日共演したジェロームも、今朝楽器調整の為にアクタスに来店。
選定している最中に部屋に訪ねてきてくれた。
ラランご夫妻からブッシュ・ド・ノエルをいただいた。
彼らと次に会うのは年明けで、ジェロームのCD録音で共演する。

午後は洗足で冬期講習会。
二人の中学生をレッスンし、その後は夕方まで練習して帰宅。
アルトを久しぶりに吹いた気がした。

フェスティバル2007一日目

2007-12-22 23:26:42 | 日常
フェスティバル一日目終了。

朝、ソプラニーノ、バリトン、ジェロームを乗せてパルテノン多摩へ。
開演してから終演後のレセプションまであっという間だった。

色々な方々とお話しできて楽しかった。
詳細は後日書きたいと思う。

フェスティバル前日に

2007-12-21 23:15:00 | 日常
来年のリサイタルのチラシが届いた。

フェスティバル前に間に合ってよかった。
嬉しいことと同時に、焦りも感じ、頭の中で当日のことをシュミレーションし始めてきた。

今日は洗足で合わせだったので、早速演奏部へ持ち込み掲示していただくことに。
教員室の前のチラシラックにも置かせていただいた。
近日中にホームページでもお知らせできるよう準備を進めたい。

明日からフェスティバルが始まる。
夜にはジェローム・ラランも到着したようだ。

ライオンのポーズ

2007-12-20 23:49:31 | 日常
朝から洗足補講。

バリトンの練習しすぎから、珍しく首と肩が凝り過ぎて痛くなってきたため、昼休みに独りレッスン室でストレッチを行った。
上半身を中心に、凝り固まっている箇所をよく伸ばした。
特に顔面の表情筋はヨガの「ライオンのポーズ」のようによく伸ばし、また思い切り舌を伸ばして気持ちよかった。
人にはとてもお見せできない。

気がつけば30分程経ち、凝りは大分取れた。
凝りが取れたら、午後のレッスンは眠気が襲ってきて大変だった。

夜はロンデックス国際コンクールを受ける学生の演奏を聴かせてもらい、その後はサクスケルツェットの合わせ。
「クープランの墓」を合わせ、気付けば22時になっていた。
一日があっという間に過ぎていった。

チラシ

2007-12-19 22:29:50 | sax_2008リサイタル
来年のリサイタルのチラシが出来上がったそうだ。

以前、版下は拝見したが、実物はまだ見ていない。
明日か明後日には自宅に届く予定。
今週末のフェスティバルには、お越しいただく方々にお知らせできるだろう。
作成していただいた関係者の方々には厚くお礼申し上げる次第だ。

私自身も楽しみではあるが、それよりも今はフェスティバルのことを考えなければならない。
明日は朝から晩まで補講、フェスオケの合わせ、サクスケルツェット合わせをすることになる。

尚美での動画

2007-12-18 23:42:32 | 尚美
今年最後の尚美レッスン。
珍しく欠席無しで、無事に終えることが出来た。

久しぶりに尚美ホームページを覗いてみたら、先日の体験入学での演奏が動画でアップされていた。
ケクランブラームス

教室での演奏だったので、響きの無い生音だけだが、このようなマット(デッド)な音は嫌いではない。
ライブなのでミスもあるが、ぜひご覧いただければと思う。

尚美授業 25日目

2007-12-17 21:47:07 | 尚美
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●今日の授業メモ(自分用)

音階:開始音をずらした音階(Es, c)
J.S.Bach: 無伴奏チェロ組曲第一番よりPrelude(最終回)
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今年最後の授業。
明日は同様に今年最後のレッスンになる。
とは言え、私も学生たちも、今週末のフェスティバルが終わるまでは気が抜けない。

フェスティバルへ向けて、いよいよ慌しくなってきた。