hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

常連

2008-11-30 09:29:47 | 携帯
函館では昨夜から晴れ、雨、雪を目まぐるしく行き来した不安定な天気となっている.
いよいよ冬の北海道へと移って行く頃なのかもしれない.

そんな中でも函館に来た際には、いつもスキあらば温泉へ行く.
いつも伺っている「にしき湯」へ.

玄関に「値下げしました」と書いてあったが、昨年よりは値上がりしていた.
とは言え390円と、通常の銭湯価格だ.

十年

2008-11-29 16:04:16 | 携帯
後援会主催のリサイタルは今回で十回目を数え、過去のプログラム等が展示されていた.

今回は地元の吹奏楽団をゲストに迎えてラプソディ・イン・ブルー等を演奏し圧巻だった.

また伊藤さんの、これまでのご活躍に思いを馳せる演奏会でもあった.

サイドキー

2008-11-28 05:52:47 | sax関係
年末は恒例のサクソフォーンフェスティバルが開催されるが、私も二日目のA会員の演奏会で四重奏で出演させていただく予定。

グループ名:ランドスケープ
メンバー:
sop: ジェローム・ララン
alt: 原博巳
ten: ティボー・カナバル
bar: 大石将紀

曲はドビュッシーの「夢」とデザンクロの四重奏曲を演奏する。
私はアルトでデザンクロを演奏するのは初めてで、少しずつ練習している。

写真は第一楽章、第一主題が確保される部分。
最終的には合わせをしながら判断することではあるが、Cの前はサイドキーを使用したいと思っている。
そしてサイドキーに自身の持てる音をつくりたいとも思っている。

いただいたワイン01

2008-11-27 05:33:36 | ワイン
ボジョレー・ヌーヴォー2008: ジョルジュ・デュブッフ
Beaujolais noubeau 2008: Gœrges Duboeuf

種類、色: 赤
味: 辛口、ライトボディ
産地: ボジョレー
地域: フランス、ブルゴーニュ

普段はほとんどお酒は飲まないのだが、最近になってなぜかワインを欲し始め、就寝前に少しずついただいている。
星の数ほどあるワインではあるが、勉強を兼ねつついただいたワインを掲載していきたいと思う。

先日の解禁日に近所の酒屋で購入したハーフボトル。
ボジョレーはおそらく生まれて初めて味わったと思う。
よく「フルーティーで飲みやすい。」と謳われているが、まさにその通りだった。
私には軽すぎてやや物足りない気がした。

尚美授業2008年度22日目

2008-11-26 16:07:32 | 尚美
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授業メモ

一、二年生ともに
・CD:Eugène Bozza: Concertino 2,3mov (M.Mule)
・音域を固定した音階(全調)
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今日は尚美で、月曜対応日だった。

一週間後に練習曲の実技試験を控え、調性感をつけるための音階練習を行った。
基礎的な要素はいつも考えなければいけないが、それらを見直す良い機会でもある。

写真は授業やレッスンでいつも持ち込むお気に入りの飲料水。
昔は口に合わなかったが、事に触れて飲む毎にフランス等を旅行したときの思い出がよみがえり、今ではすっかり病み付きになってしまった。

本選の感想2

2008-11-25 06:46:42 | sax_管打楽器コンクール
本選ではメモも取らず、とにかく見聴きすることに専念した。
メモを取ろうと思えば、その時点でそちらに気を取られてしまうし、五名の個性豊かな、またレベルの高い演奏では記憶に残るためメモを取る必要性を感じなかった。
ただ時間経過とともに、記憶が歪められる可能性もあるため、出演者には申し訳ないと思いつつも、今回このページに感想を書かせていただいた次第だ。
当然ながら、私とは違った印象を抱いた方々もいらっしゃると思う。

またこちらも仕方ないことではあるが、実力ある参加者でも、惜しくも予選敗退してしまった方もいらっしゃるだろう。
課題曲の傾向や審査員の嗜好も反映される為、致し方ない部分もあるが、運営も含めてより良いコンクールになるよう、私自身も模索しているところではある。

今回のコンクールは一次予選を4日間に広げ、申し込み定員を切らずに全て受け入れてコンクールがスタートした。
参加者の演奏を全て聴き、審査をするという仕事は初めての経験だった。
日本サックス界の今を感じることができ、私は今回のコンクールを一生忘れることはないだろう。

この日本サックス界にとっての3年に一度のお祭りをこれからも守り続けて行かなければならない。

本選の感想1

2008-11-24 12:37:49 | sax_管打楽器コンクール
管打コン本選での五名の演奏の批評、もしくは個人的感想を記しておきたいと思う。

以下演奏順。

田中拓也さん
若々しくいきいきとして、また表情豊かに歌う姿勢が前面に出た演奏だった。
色々な表現が湧き水のように「溢れ出る」といった感じでもあった。
シビアな耳で聴けば、もう少し細部までの心配りが欲しいと思ったが、それも若さゆえの勢いから来ているのかもしれない。
彼が大賞演奏会後のレセプションで話していたが、一次予選での演奏直前、控え室で楽器を落とすというアクシデントに見舞われたそうだが、細かなことにとらわれず、そうしたアクシデントに対しても負けない精神力の強さは天性のものと言えるだろう。


安井寛絵さん
彼女とは当ブログでもリンクさせていただいているが、彼女が藝大の学生の頃からおさらい会などで度々お会いする機会があり、幾度か演奏を拝聴したこともあった。
今回のコンクールでは、彼女のその頃から頼もしく成長した姿を垣間見ることができて個人的に大変うれしかった。
丁寧で繊細な音と演奏でありながら独創性にも満ちており、奏法に関しても非常に器用でバランスの取れた演奏に感じた。
本選では他の演奏者と比べていささか主張の弱さが感じられ、演奏が丁寧である分、皮肉にも印象に残りづらくなったように思う。


細川紘希さん
前回の管打コン本選も拝聴しているし、その後も幾度となく演奏を聴かせていただいたことがある。
既に様々な場で仕事をし、今回も貫禄すら漂う圧巻の演奏だった。
それは柔らかな美声、安定感のある演奏など、楽器のコントロールも含めて巧さを感じ、その中には彼の美意識とこだわりの強さをうかがい知ることができたように思う。
表現の中には一生懸命さが皮肉にもややストイック過ぎる印象に感じることもあった。
当然それは彼の演奏姿勢から来ている訳だが、音楽情景をどのように表現するのかを考えさせられるような演奏だったようにも思う。


加藤里志さん
彼のことは洗足に入学した頃から知っており、門下は違ったが私の門下のおさらい会に出てもらったり、一緒に食事や飲み会をしたこともあり、今でも親しくさせてもらっている。
今回の本選出場者の中では最も音に伸びがあり、バリオホール全体が豊かに響いていたのが印象的だった。
表現も熟考され好感の持てるものだったが、音の響きに重みを置き過ぎると、演奏に対し小回りが効かないといったリスクがあり、今回の演奏ではややフレーズの軽快さを欠いていた印象を受けた。
ミスが多かったのも残念で、また演奏とは関係ないかもしれないが、ステージ上のハツラツとした笑顔に反し、ミスした際にもそれが顔に出てしまい、人前で表現することの難しさを感じた演奏だったように思う。


伊藤あさぎさん
今回の本選の中で、曲の完成度は最も高かったと言える。
解釈、技術だけではなくメンタルもコントロールしバランス良く練り上げられ、彼女自身にとっても会心の演奏だったではないだろうか。
様々な要素を底辺から慎重に積み重ね創り込まれた美しさを感じた演奏で、正直なところ演奏中に彼女のこれまでの苦労を察し涙が出そうになった。

以上。

結果は、
第一位 田中拓也
第二位 伊藤あさぎ
第三位 安井寛絵
第四位 細川紘希
第五位 加藤里志
ということになった。

終演後、各審査員の評点が順位とともに会場で公開され、評点を見れば幾分評価の割れる結果となったが、平野さんと私は偶然にも順位どおりに優劣をつけていた。
他の審査員、またお聴きになった聴衆の方々や参加者自身はこの結果をどう思ったかは定かではないが、私は審査中、第一位と第二位の優劣を相当考えた。

わずかな差ではあるが、曲の完成度を考えれば伊藤さんを、しかし奏者の資質、能力を考えれば田中さんだった。
また、二人とも音楽に対する演奏姿勢、アプローチが全く異なることもあり難しい選択だった。
考えた結果、私は田中さんの能力とこれからの可能性に賭けた訳だが、とは言え私の評点に関わらずどちらが第一位になってもおかしくないとは思っていた。

最終的な結果は当然審査員全員の意見が反映されたものとなり、私自身は納得できるものだった。

行きつけのお店

2008-11-23 19:59:43 | 日常
今日はアクタスへ伺い、楽器調整、レッスン、楽器選定、楽譜とCDを購入してきた。

うかがった際には手厚くもてなしていただきいつも感謝している。

フランスから楽器が送られてくる際には、この箱に入って来るそうだ。

管打コンを終えて

2008-11-22 14:52:57 | sax_管打楽器コンクール
昨日、サクソフォーン部門優勝者の田中拓也さんが全ての部門の中で見事に大賞を受賞した。

田中さんに限らず全ての部門の優勝者が、初々しい面持ちで演奏していたのが印象的で、温かな気持ちになった素敵な演奏会だった。

大賞授賞式の際、作曲家の浦田健次郎氏の講評で、「個々に対してのことではないが、速い速度で演奏できても、その速度に乗れていない印象を受ける。」との発言に私も大変共感するものがあった。
それはフレーズのイントネーションやとらえ方とでも言えばよいのかもしれない。
この数ヶ月間、管打コンにちなんだレッスンや審査を通じて感じたことに、舞曲の速度感や拍子感に乏しい演奏が多かったという事があげらる。
元来、西洋の踊りや気質が日本人には理解し難いという事もあるのだろう。
また頭では理解していても、実演する際には奏法等の技術的問題が多々ある。

フランス人が仲間内でフェット(パーティー)する際、飲み食いしておしゃべりし、盛り上がってくると色々な音楽に合わせてよく踊るということを聞いたことがある。
フランス人に限ったことではないと思うが、ともかく西洋人にとって「踊り」とは我々が想像する以上に日常的な行為なのかと思う。
我々もカラオケなどで「歌う」ことはあるが、「踊る」という感覚は希薄かもしれない。

たとえ舞曲ではなくても音楽やフレーズに対して、気持ちよく乗れる感覚や奏法を考えることが大事だと感じたひと幕だった。

本選後記

2008-11-20 10:24:52 | sax_管打楽器コンクール
昨日の本選では連日の演奏にも関わらず、予想以上の好演だった。

コンクール終了後の帰り道では嬉しさ、切なさなど、また言葉にできない複雑な思いを抱き、帰宅後もなかなか眠れなかった。

私が参加していた頃と今ではコンクールの規模が違い、また今と昔の時代の違いもあり参加者の皆様を昔と同じように図ることはできない。
今回は審査員としての目線から体験し、今まで気づかなかった様々なことを知ることができたように思う。

このコンクールは審査員にとっても、これからのサックス界を担う方々を見定め、その選球眼を試される厳しい場だということを改めて知ることとなった。
また、演奏やレッスンを通じて伝統を守り、これからの時代を啓蒙、啓発し育むということも強く感じることとなった。

我々審査員は昨日の本選終了をもってお役御免となり、明日の最高位入賞者演奏会での大賞審査は作曲家、指揮者などの方々が審査にあたる。

この度、第一位に輝いた田中拓也さんは今日の朝一からオーケストラとのリハーサルだそうだ。
彼にとっては、未だ連戦連投の強行軍が続いている。
明日の演奏会も楽しみだ。

二次予選後記

2008-11-19 08:41:35 | sax_管打楽器コンクール
昨日の二次予選では参加者それぞれ渾身の演奏で、とても濃い一日だった。

コンクール審査後記の決まり文句として「どの演奏も甲乙つけ難い」という、まさにこの言葉があてはまるものだった。

特に現代作品においては実にシビアに聴かざるを得ず、審査員側としても神経の磨り減る思いだった。
フラジオ奏法も含め、本来、音響的効果や音の素材としての拡張奏法(特殊奏法、現代奏法)は、新しい音楽や演奏への試みとして、または演奏会の一興として味わうべきものととらえていたが、それがコンクールという場面においては技術を競うための奏法という側面も含み、その仕上がりをシビアに聴かざるを得ない状況に複雑な思いを抱いた。

「技術」とは奏者のイメージするあらゆる情報を楽器へ伝える術であり、拡張奏法の仕上がりだけが技術ではないということを改めて記しておきたい。
それは参加者に対しては拡張奏法の有無、仕上がりが審査に大きく影響するという事ではなく、あくまでトータルに演奏をとらえていただきたいということでもあり、また私自身を戒める為でもある。

個人的には課題曲のバッハに対してもっと突っ込んだ解釈や演奏を期待していたが、速度やフレーズ、装飾音の入れ方や場所が大同小異で、それがまた審査を難しくさせた要因でもあった。
とは言え、コンクールという場面ては参加者も大胆な表現を敬遠するだろうし、こちら側も校訂譜を指定しているため致し方ないことでもある。
古典的作品への扱い方の難しさもここに来て改めて痛感するものだった。

一夜明けて今夜に本選が行われ、通過者の方々は連戦連投の強行軍になるが、それぞれ力の出し切れることをお祈り申し上げる次第だ。