虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

もみ消す「天声人語」

2010-02-13 | 新聞・テレビから
昨日の朝日はロッキード事件で中曽根幹事長(当時)が、アメリカに事件を「もみけす」ように要請していたことがアメリカの公文書からわかった、というスクープ記事がのった。

「MOMIKESU」と書かれた文書まで出ていた。この問題が公表されると、「自民党の完全な敗北、場合によっては、日米安保の枠組みの破壊につながるおそれがる」とまで指摘して(おどかして)、要求したそうだ。これは、大ニュースだろう。

国家の大犯罪のもみけしをトップ政治家が、アメリカに要請する。こんなことがあってよいのか。日米安保を守ることを盾に、米国と日本は犯罪のもみけしまでしてきたのか?そういう関係なのか?と国民は憤慨するだろう。今後、徹底取材が必要だ。中曽根首相にもただすべきことだ。「鳩山と小沢の政治とカネ」をあんなにしつこく追求するのだから、ここは是非とも、ペンの力を見せるべきだ。

さてさて、今朝の天声人語。

さっそく、この「もみ消し要請」の文書が見つかった、とする文が冒頭だ。さぞかし、新聞人として鋭い批判をすると思いきや、「内容もさることながら、表記が興味深い」。


テーマは、表記であり、言葉をめぐる日米関係であり、興味深いテーマなんだそうだ。

「「もみ消す」は政治的陰影に満ちた要請のキーワードだ」と書く。どこが、政治的陰影に満ちているのだ?ずばり、そのまんまじゃないか。

「表記」の問題として、戦争末期、ポツダム宣言」を「黙殺」したことをあげ、「黙殺」を「無視」「拒絶」と相手に受け取られたため、原爆投下はあった、と書く。「黙殺」はだれが見ても、無視、拒絶だよ。

また、「善処」するという日本の言葉がアメリカには「最善を尽くす」と通訳されて日米関係がこじれた過去の例ものべる。

「もみ消す」事件は、そういう日米の言葉の問題か?

そして、最後に出したのが、鳩山首相の「トラスト・ミー」。これは、政治的陰影をかなぐり捨てた直球の言葉で、もみけせない、と言っている。

筆者はロッキード事件にも、中曽根幹事長の行為についても語らない。
そればかりか、「「もみ消す」は政治的陰影に富んだ要請のキーワードだ」と弁護するしまつだ。

せっかく、朝日の記者がスクープ記事を書いたのに、天声人語は、それをもみ消すために文を書いている。おそらく、天のお声がかかったのだろう。

恥ずかしくないのだろうか?