らんかみち

童話から老話まで

鎖骨を折って気が付いた、ツイているんだ!

2013年11月03日 | 暮らしの落とし穴


 患部の痛みが和らぐと共に、固まっていた肩が徐々に回るようになった。腫れが引いたせいもあるのか、胸張り強制バンドを自力で脱着できるようにもなった。
 このバンドには鎖骨を保護する機能はなく、胸を張る意識付けをすることで鎖骨への負荷を減らしているんだとか。なので、胸張りに慣れた今はそろそろ外しても良いはずなんだけど、装着してないと朝起きたときにうっかり伸びをしそうで怖い。

 退院直後は自分の背中を拭くことすらできなかったけど、今はもうシャワーを使って下半身を流し、上半身はタオルで拭いている。事故直後はほぼ外傷が無かったので風呂に漬かることもできたけど痛みと腫脹で服を脱げず、鋏でTシャツを切って脱ぎ、数少ない前開きの服を着ての病院巡りとなった。

 ようやくのことで入院したときには頭は痒いし体も臭ったはずで、「翌日に手術なのでシャワーをアシストしてもらいましょう」と看護師さんにいわれ、救われたぁ!
 ヘルパーさんというのか、看護師ではないおばちゃんに案内されてバスルームに行き、先ずはシャワーで頭を洗ってもらったんだけど、「体も洗ってあげますよ」といわた。上の服を脱がせてもらって背中を拭いた後、ズボンを脱ぐ。前は自分で洗えるかと聞かれたので、「も、もちろん自力で洗えますから」と答えたんだが……。

 怪我をしたのはほんの二週間ほど前のことなのに、痛みが治まってみると昔日の出来事みたいな気がする。人生が終わったみたいに落胆したのが嘘みたいだ。無事に退院できた喜びもはもちろん、バイクが無傷に近い状態だった喜びもあるしね。

 オートバイ世界選手権に参戦していたベン・スピーズ選手は、鎖骨を骨折したことが原因で引退を決断したらしい。まだ30前だし才能ある選手なんだけどねぇ、レーサー生命は絶たれてしまった。ぼくの場合は、なんてツイているんだ! と考えることにしよう。