村のお婆さん、というよりぼくの叔母さんだけど、オール電化にして欲しいという。オール電化にして電気代を安くしたいのかと思ったら、違うという。そうだよね、年寄りだから火を使いたくないんだ、と思ったけど違う。
良く分からないまま業者を紹介してくれる人がいたので、オール電化を前提に話をしたら、風呂の追い焚きをしたいだけだと分かった。
1年前に風呂の灯油バーナーをガス給湯器に変えたら追い炊きができなくなったという。そんなバカなと確かめたら、台所にある湯沸かし器の大きいやつが付いていて、業者さんも追い焚きができないタイプだという。
もっと驚いたのは、1年前に取り付けたというのに、給湯器の製造年が6年前だということ。どういうこっちゃ!
おりしも生協のカタログに「風呂バンス」という、電気で追い焚きをする器具が紹介されている。ネットで調べたら2万円ほどで買えそうだ。これで一件落着と思いきや、問題はまだあって給湯を自分の目で確認して止めないといけないということ。うっかり止めるのを忘れたらどうなるかは想像に難くない。
1年前に取り付けた業者を呼びつけて「年寄りだと思っていい加減なことをしやがって!」と叱責する手もあるだろうか。しかし、既に取り付けてしまったものはどうしようもあるまい。
先の長さを考えるとオール電化にするメリットがどれだけあるだろうか。風呂バンスは使いこなせたとして、追い焚きに時間がかかるとつらかろう。狭い浴室に余計な物は置きたくないだろう。
それより何より、信頼していた業者から疎かな扱いをされた叔母の心情を思うと、はらいせの一つもしてやりたくなるわな。というかぼくのパーソナルな憤りか?
今さら叔母に脱原発を説く気もないし、灯油やガスを使って温暖化ガスを排出する是非を論じるつもりもない。ましてや薪と他の燃料を使うハイブリッド(田舎では珍しくない)の手ほどきをやれるわけがない。老人なら無料で入れる共同浴場もあるけど、電動車いすでそこへ行くまでに患ってしまうんじゃないか?
選択肢はあれど、いっぱいいっぱいで生きているんだから、どんな考え方にも囚われてないで楽な方に流れたらいいんだ。
ということで写真の工事だけど、やっぱ腹立つよなぁ。最初からこうやっておけば何の問題も無かったのに。