らんかみち

童話から老話まで

風評被害という拷問

2011年04月06日 | 社会
 どじょうさんは堀米薫の名前で、チャグリンという農協が発行する本に「モーモー村のおくりもの」を連載されておられます。畜産農家でないと書けないエピソードがおもしろく、「ええ大人が子ども向けの本を読んでいる」と後ろ指さされているのを顧みず、JAバンクに行ったときは必ず読んで帰ります。

 宮城県にすんでおられるので被災したんじゃないかと思うんですが、避難所に絵本の読み聞かせに行かれたりしているようです。牛たちは大丈夫なのかと心配していたら、案の定地震で悲鳴を上げながら暴れ回ったらしい。そりゃそうだ!

 福島県の酪農家が牛乳捨てるだけのために搾っている映像を見て、ホルスタインに生まれた牛も気の毒だけど、酪農家にとってはロシア式の拷問を受けているような気分じゃなかろうか。
 魚を獲ったのに市場が受け入れを拒否したというのも、市場を風評被害から守るためにやむを得ない決定かも知れんが、漁師にとっても魚にとっても、風評被害というのは拷問に似ている。

 官房長官の見解で「1年間その魚を食べ続けても……」と、口先だけで保証するんじゃなく、魚を買い上げて社員に配ったらどうなんでしょう。経済産業省の食堂で「茨城産コウナゴ」をメニューに載せ、カメラの前で毎日完食していただいたらぼくも納得します。
 
 遠く離れたぼくなんぞがゴチャゴチャ言うとっても詮無いことだけど、三陸産のメカブが届かないのは、工場や倉庫が被害を受けた上に物流が滞っているからだそうです。
 なので今夜は「国産」とだけ表記してあるメカブを食べながら、バッハの無伴奏チェロ組曲で悼みます(酒も飲まねばやっておれん!)。

<Bach - Cello Suite No.5 i-Prelude
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