らんかみち

童話から老話まで

豪雨の日の童話講座で轟沈

2009年07月21日 | 童話
 パソコンの起動もできないほど雷が鳴り続けた昨日、ああこれで梅雨は明けたのかな、と思っていたら今日の豪雨です。
 この雨では、さすがにバイクで3時間も走って童話講座に通うわけにはいきません。高速バスに乗って定刻に着いたんですが、お師匠さまは新幹線の中に1時間半も閉じ込められ「ひどい数珠つなぎ、新幹線の糞詰まり状態なのよ!」と、線路を大腸に例えておられました。

 糞詰まりの中に閉じ込められていたエネルギーが暴発したか、それとも無事に到着できた開放感からか、お師匠さまのいつにも増して容赦のないアドバイスに、一人を欠いた合評とはいえ大盛り上がりでした。
「作品をより良くするための合評であるなら、慈愛をもって手厳しく」という合言葉に基いている合評といえども、魂のこもっていない作品は断罪に値します。他でもない、ぼくの作品のことです。

 もう一人の作品は非常に上手く、筆運びの巧みさには脱帽です。ただ上手いがゆえに自分の言葉による桃源郷を作り出し、その深奥幽玄の中を彷徨っている心象があります。読者を意識していないんじゃないか、の問いには「自分自身を解放するために書いたものです」と。
 この人が読者を意識して書いたらどんな秀作が出来上がることでしょう。

 家に無事帰り着きホッとしてニュースを観ると、うわぁ! こりゃメロスでも泳ぎ切れんぞ、というほど恐ろしい濁流の流れた防府市では、悲しい犠牲者が出たそうな。
「バイクの男性が死亡。童話講座の合評を苦にしたか、無謀にも豪雨の中を……」などと、ぼくも一歩間違えたらニュースの主人公になるところでしたが、高速バスに乗って行くという安易な選択をした勇気のある根性無しで、本当に良かったと思っています。