らんかみち

童話から老話まで

大島窯の窯出し展に行ってきました

2009年07月16日 | 陶芸
 

 行ってきましたっていうか、地元じゃん。みたいな突っ込みに、ボケでなくマジで返答するなら、そこは深奥幽玄、人跡未踏とまでは言わないけど、村とは一線を画した亜空間の香りも芬々たる桃源郷。嘘だと思うなら一歩足を踏み入れ、そこの主と小一時間も話し込んでみたらいい。ぼくが嘘を垂れ流していないことがわかるでしょうから。

「あんたに買えるような品物は置いてないよ」
 窯出し展に行く前に我が陶芸クラブ「アイランド・ポッテリ」の仲間に釘を刺されました。要はブルジョア志向という意味。買えはしないと知ってはいるけど、大島窯の陶芸家はクラブの元お師匠さまであらせれるので、挨拶がてらに出かけたわけですが、なるほど!



 そうは言っても貧乏人も手を出せるように、下は1000円から用意してくれてます。写真の杯は「銹絵草紋杯=さびえそうもんはい」だったかな、は白土を挽いた素焼きの上に弁柄で絵付し、のち白萩釉をかけたもの、かもしれません。
 ぼくが真似して作ったら100円でも売れませんが、これで飲むお酒は甘露甘露かな、って大吟醸酒を注いで飲んでいるからか……。

 いや冗談抜きで酒器って不思議なのは、どんなに上等なお酒を注いでもそれを不味くするものがあるということ。その反対に、不味いお酒を美味しくするのもあるんです。酒飲みで陶芸をかじっている甲斐も無く、ぼくにその謎が解けないのは口惜しい。もっともそのわけが分かる頃には茶人ならぬ酒人となり、酒乱となり廃人となっているんでしょうか。

 念のために、杯は大島窯の女流陶芸家お二人のどちらかの手によるものですが、無責任な雰囲気を醸し出している徳利みたいなものは、ハル・ポッターが下手人。お間違えのなきよう申し上げておきます。