らんかみち

童話から老話まで

プロの解説が当たらんはずだ!

2008年12月18日 | エンタメ
渡辺が大逆転で永世竜王 羽生の永世7冠阻止(共同通信) - goo ニュース

 この勝負はすごかった! 死闘と語り継がれてなお名局だったのではないかと思います。プロの解説では逆転に次ぐ逆転といわれ、ぼくもそうなんだろうと納得してました。
 確かに中盤の終わりごろ、羽生名人の流れから渡辺竜王に棋勢が傾いた手があったように思えます。しかしあの将棋の終盤をパソコンソフトで調べてみたら、渡辺竜王の指し手は、細いながらもぎりぎり繋がっている、これしかないという一本の綱渡りを踏みはずさないで渡り切った印象です。名人も最善の指し手で応酬しており、両者は一手のミスも犯してないようです。
 
 プロの解説よりパソコンソフトを信用するな! と叱られそうですが、終盤に関しては並みのプロをしのぐ実力をソフトは獲得しているんです。プロが悩む長手数の詰め将棋をほんの一瞬で解いてしまうあたり、将棋というゲームが単なる計算に過ぎないということを証明してくれます。
 そのパソコンの正確さと同じ終盤力を竜王戦の最終局は見せつけたのだから、名人、竜王にパソコンソフトが勝つ日はまだまだ先のことかも知れません。
 
 それにしても、解説会場に集まったお客さんの反応たるや、羽生名人劣勢とプロが言えば水を打ったように静まりかえり、名人好調と言えば沸き返る状態。多くの将棋ファンが羽生永世7冠の誕生を期待してたのが良く分かります。羽生勝ちの方が将棋界は盛り上がるだろう。そう考えながら観戦していたぼくも、あの斬新にして繊細な将棋を見せられたらきまりが悪いこと。一歩も引かない激闘で魅せてくれた両雄に拍手を送りたいです。