らんかみち

童話から老話まで

シナリオ初体験

2008年12月06日 | 童話
 ゴルフに行くと、握っている相手がミスショットするように、と願いを込めてOBや池ポチャのシナリオを書いていたもんですが、本当のシナリオは書いたことが無いので、初挑戦です。


   人物
吉田貴志(25)元体操選手
井山美由(17)高校生
男性客(35)


○駅のホーム(夕)
   ラッシュの時間には少し早い喧騒。発車前の電車に慌しく乗り込む乗客たち。
   車椅子でそこに乗り込もうとした吉田貴志(25)は、前輪をホームと電車の隙間に落とす。
   難儀する姿を見て、後ろから車椅子のハンドルを押そうとする一人の男性客。
吉田「触るんじゃねー、クソやろー」
   大声で男性客を怒鳴りつける吉田。
男性客「なんだこいつ、人が親切でしてやってるのに」
   舌打ちをくれて去っていく男性客。
   発車のベルが鳴っても車椅子の前輪は抜けない。あせる吉田。
   車内から駆けつけた井山美由(17)。金髪で派手な化粧をしたミニスカートの制服姿。
   持っていた薄っぺらな鞄を床に投げ出し、車椅子に手をかける。
吉田「やめろ、余計なことすんじゃねー」
美由「……」
   強引に車椅子を車内に引き込む美由。
   車椅子は無事に乗り込み、扉が閉まって電車が動き出す。
吉田「俺をバカにしやがって、バカにしやがって。謝れこのやろー、土下座して謝れ」
美由「……」
   鞄を拾い上げ、激昂する吉田に背を向ける美由。
吉田「聞こえんのか、このやろー」
   美由の鞄をつかみ、振り向いおた彼女に、なおも食い下がろうとする吉田。
   困惑した表情の美由。人差し指で自分の耳を指差し、首を左右に振る。
   それを見て絶句し、つかんでいた鞄を離す吉田。
   乗客をかき分けながら逃げていく美由。
吉田「ま、待ってくれ。わ、悪かった、礼を言わせてくれ、謝らせてくれ」
   ワンテンポ遅れ、意を決して美由を追うとする吉田。
   左右に分かれて吉田に通路を譲る立ち客。


 この話、つづきません