らんかみち

童話から老話まで

瀬戸貝の季節

2007年12月01日 | 酒、食
 そろそろ瀬戸貝が旬の季節を迎えたのか、スーパーの鮮魚売り場にチラホラ並び始めました。剥き身二つがポリ袋に入れられて400円~500円。一つが大振りの牡蠣くらいの身ですから割高感がありますが、瀬戸貝の味は瀬戸貝でしか味わえないので、高くてもついつい買いたくなってしまいます。

 瀬戸貝を知っている都会育ちの人がいたら、ひょっとして食通の方? なんて尊敬したくなるほどレアな貝で、大雑把に言うとムール貝の大きなもの。ちょうど大人が両手を合わせて観音さまを拝むような感じの大きさと形です。色が黒紫なのでカラス貝と間違って呼ばれたりしますが、たぶんムール貝ともカラス貝とも違う種類の貝だと思います。

 牡蠣より美味しいというわけでもない瀬戸貝なのに、なぜ高価なのか? 実を言うとぼくが子どもの頃にはありふれた貝だったんですが、採れ過ぎたので採り過ぎたんですね。しかも流れが速くて綺麗な深い海でしか住めないので、汚れちまった瀬戸内では育たなくなったんです。高価な理由はそればかりではなく、命の危険を冒してまで潜水漁をする人が少なくなったからでしょう。

 つづく