らんかみち

童話から老話まで

2000万円男と環境問題のウソを追求しない

2007年05月14日 | 社会
 ついこの前までぼくが使っていた醤油は「玉子かけ専用醤油」でしたが、今は「生醤油うどんつゆ」というのを使っています。あんまり塩辛くなかったら何でもかまわないんですが、この醤油がなかなか手に入らなくてあちらこちらのスーパーを回っておりました。
「毎度おおきにぃ!」
 あるスーパーの調味料売り場で男から大きな声をかけられて振り向いたんですが、誰か判りませんでした。というか、あんまり変な人とかかわるとろくなこと無いですから、無視してやり過ごそうとしました。
 
「なんでこんなところに居るの?」
 もう一度声をかけられてようやく誰かわかりました。先日の日記に書いた2000万円男です。お互いに独り身なので自分の飯は自分で工面しないといけませんが、かれは資産家なので毎晩でもフグを食ってりゃいいはずです。
「何でここにって、それこっちのセリフやん。こんなところで会う人と違うでしょ」
 飲み屋で会わないと誰だか判らないぼくは言いました。
「いやいや、オレもしょっちゅうここに来てるんやで」
 どうやら彼、わざわざメルセデスベンツを転がしてスーパーに買い物に出るらしいのですが、それにしてもヨレヨレのTシャツに半ケツ出たようなダブダブズボンにツッカケと、大金持ちのくせにどこから見てもぼくと同じ種類の貧乏人に見えます。
 
「え、歩いてここまで来たの?」
 ぼくがリュックを担いでいるのを見て彼は非常に驚いた様子でした。そりゃ確かにぼくが歩いたらスーパーまで30分かかりますが、彼がベンツを動かして同じスーパーに到着するのにだって15分かかります。ぼく自身不思議に思いますが、駐車場に停めたりする時間を計算するとそれくらいの差しかないんです。
 
 環ウソを読んだ腹立ち紛れに書くんですが、環境問題って結局は人間の所業によって積み重なっている問題なのですから、ベンツに乗ってスーパーに買い物に行き「レジ袋不要」のカードを買い物籠に入れても意味ありません。そんなの分かりきったことですが、環境問題というのは、意識するということが大切なんです。
 今は模型飛行機ですらバイオエタノール(つまり焼酎やウォッカ)で飛ぶような時代なんです。
「極北の氷河が解けて海面が上昇する」を「北極の氷が解けて」とわざと間違えてまでまで環境意識を後退させる環ウソの意図が判りません。
 ですが武田先生、分別してゴミを出さなかったときの後ろめたさを拭うには環ウソは役に立ちます。毎度おおきにぃ!