らんかみち

童話から老話まで

禁テレ続行宣言

2007年05月02日 | 暮らしの落とし穴
 テレビが無いと、どうにも寂しくてたまりません。ですがここが我慢のしどころで、禁酒と同じように一山を越せば何とか転びながらでも着地はできるでしょう。なのでパソコンでテレビを観るためのカードは、ダンボールの底の方にしまいこみました。 
 どうしてもテレビが観たいならそれをひっくり返せば良いだけのことなんですが、性格上そういった行為を潔しとできません。
 多くの歩き遍路体験者が、
「たとえ10mの距離であっても後戻りするのには抵抗があり、困難が予見できる道だとしても前に向かって歩きたいのです」
と口にするのに似ていて、ついさっき封をしたばかりの箱を開梱するなんて許せません。武士は食わねど高楊枝と、やせ我慢するというか、意地っ張りなぼくです。

 こんなときは女に逃避するのが一番でしょうから、軟派師のテル爺に弟子入りして彼女つくりから始めたら良いのでしょう。しかしそれは確かにハイリターンかも知れませんが、ミイラ取りがミイラになりかねないリスクを伴います。そこでぼくが出したのは「ワンセグ携帯」を買うという結論でした
 なんて素敵なアイデアでしょう! ワンセグはいずれ持つのだから(昨年末に買いに行ったけど、まだDocomoには無かった)禁テレに失敗したことにはならないし、仮にそうなっても言い逃れには十分です。そう一人ごちて、ワンセグのラインナップに富んだauさんに出かけました。
 
 今Docomoの端末でやっていることをauさんに説明するのはわずらわしいですが、Docomoさんの女の子がぼくを啓蒙しようと躍起になって前に進まなかったのに対し、
「そういう使い方は良く分からないので調べます」
と、auさんの女の子はあっさりバンザイし、目の前でどこかに電話をかけて、
「分かりました、できないようです!」
と、答えてくれました。
 なるほど、できないかもしれませんし、もうあんなイリーガルな使い方できなくてもかまわないのです。ワンセグを買うという結論を出す前のモラトリアムみたいなもんで、ちょっと聞いてみただけです。

「それでお値段の方はいかほどになります?」
 買う決心がついて聞きました。
「26000円を割引して、16000円になります」
 高い! 高すぎる~! ということで、もう少しの間は禁テレを続けるのを余儀なくされました。危なく初心を忘れるところでしたが、もう少し値が下がるまでのあと2か月くらいは禁テレを続けたいと思います。