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くぬぎのたろぐ

くぬぎ太郎の日常的視点

大根おろす

2008-11-27 19:02:59 | Weblog
先日、以前勤めていた会社の先輩Hさんから
5ヶ月遅れで独立祝いをいただいた。
独立といえば、まあ独立なわけだが、
私本人には独立したという意識はあまりなくて、
何となく背中のかゆい感じもするけれど
せっかくなのでありがたく頂戴した。

何をいただいたかというと、おろし金である。
ただのおろし金ではない。
職人の手で作られた銅製のおろし金である。
以前私がふとした瞬間に銅のおろし金がほしいと
つぶやいたことがあるのを覚えていてくれたらしい。
すでに私はおろし金を持ってはいるので、
このおろし金は必要以上の品物ということになり、
つまりは贅沢な品物なのである。

このおろし金は厚さ1.5mmくらいの銅板で出来ていて、
刃の一つ一つが職人の手で叩き出されている。
人の手による仕事だから、
刃の位置や高さは均一ではないのだが、
その不揃いな刃が食材をおろす時に威力を発揮する。
機械で作られ、均一な刃が規則正しく並んだおろし金で
食材を一定の方向にスライドさせていると、
だんだん食材に刃の通り道が出来てきてよくすれなくなってしまうが、
このおろし金は食材を一定の方向にスライドさせていても
見る見る食材がすれていってしまう、というわけだ。

さて、いただいたのはいいものの、
おろし金は毎日のように使う道具でもないので、
私は日々の食材のやりくりの中で、
このおろし金をデビューさせる機会を伺っていたが、
なかなか、食材、レシピ、タイミングがしっくりこない。
もどかしい日々が続いたが、
ついに意を決してみぞれ汁を作ることにした。

みぞれ汁とは好みの具をいれたダシ汁に大根おろしをいれて
塩味でさっぱりといただく汁物であるが
結構まとまった量の大根おろしが必要となる。
大根を必要な分だけ切り分け、皮をむき、
おろし金に当てがって、いよいよスライド運動を開始する。

出だしは好調、みるみる大根がシャーベットのようになっていく。
機械で作られたおろし金とは明らかに違う手応え、
ましてプラスチック製の物などは比べるべくもない。
ボウルの中にボタボタと落ちていく大根を見ていて、
いかにも大根をボウルに卸しているような気分になってくる。
大根を「おろす」の「おろす」って、
案外ここから来ているのかもという閃きが頭をよぎったが、
それを確かめる術もなく、また同意を求める人も周囲におらず
そっと胸のうちにしまっておいた。

肝心のお味の方はといえば、
正直機械製のおろし金との違いはよくわからないが、
旬の大根だけあって、とても美味しかった。
「大根おろしで医者いらず」
優れた道具で手軽に作れるようになった大根おろし、
食べる機会を増やして、滋養強壮健康増進。

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