くぬぎのたろぐ

くぬぎ太郎の日常的視点

花より○○○

2012-04-27 04:05:25 | Weblog
もうすっかり散ってしまいましたが
今年も桜が綺麗に咲きましたね。

桜が咲けばその下を歩いてみたり、
お弁当を作って食べてみたり、
団子を食べてみたり、
そして花見と称してお酒を飲んでみたり。

満開の桜の下で何かをしたくなるのが
日本人というものでございましょう。

私も何件か花見に呼んでいただきましたが
いずれも屋内で行われたため
桜の花はまったく見ておりません。
花見と言いつつその実情は
単なる飲み会ですわいね。

桜の花は見ておりませんけど
代わりと言っては何ですが
今年の花見では珍しいものを見ましたよ。

それは子豚の丸焼きです。

都内某所で行われた花見という名の変態パーティー。
裏の呼び名は「痛いんだヨ!全員痛風!」
痛風の原因と言われるプリン体を多く含んだ食材を持ち寄り、
間接が痛くなるまで食べようというトンデモ企画です。

長くこのブログを見ておられる方は、
浜辺でビールかけをしたり、
世界一臭い缶詰を食べたり、
「時折変わったイベントに参加するよね」って
思っておられることでしょう。

私は基本的にお呼ばれしていただく側ですが
いずれのイベントもコアメンバーは同じ方々で、
いつもこうして人に自慢(?)できる体験をさせてもらっています。

子豚の丸焼きは沖縄出身のカメラマンの方が
本場の窯で焼いた物を空輸して持ってきてくださったもので
その場で切り分けながら30人程でいただきました。

私も少し包丁を入れさせてもらいましたけど
思ったより簡単にズブッと刺さるもので
肉の塊に刃物を刺すのは何とも妙な感覚ですね。
ます背骨に沿って縦に切れ目を入れて
そこから焼き魚のように左右に開き、
細かく切り分けて参加者の胃袋の中へ。

そのほかにもメンバーが持ち寄った珍品や
絶品のお酒が目白押しで、
あっという間でしたがとても楽しい時間を過ごさせてもらいました。

何であっという間だったかって?
それは私が飲みすぎて寝てしまったから。
眠すぎて途中で帰ってしまったから。
でもそれは全てが美味かったから仕方の無いことです。

子豚は生後一ヶ月で丸焼きにされてしまったそうですが
終了後にメンバーがツイッターにアップした写真によれば
骨の髄まで食べ尽くされていたので
食材にした責任は一応全うできたと言えるでしょう。

ご馳走様でした。
南無阿弥陀仏…

いのちのケア

2012-04-20 02:51:06 | Weblog


今週はお仕事のご紹介です。

「いのちのケア」子どもの生と死に向き合う医療と療育
(武田康男 編・協同医書出版社

今回は装丁のイラストとデザインを
手がけさせていただきました。

タイトルから何となく察しがつくかと思いますが、
流産、死産、先天的な異常や病気で幼くして赤ちゃんを失った両親、
特に母親への心身のケアについて書かれた本です。

赤ちゃんを亡くした親に対して
病院から連絡を受け次第迅速にケアに当たる組織が
日本にもいくつか存在しており、
それらの組織が実際に担当した事例をまとめた内容になってます。

イラストを描く前に本文に一通り目を通しましたが
切ない話が多くて読むのにだいぶ時間がかかりました。

本の主旨としては
例えどんな形であってもこの世に生を受けたからには
その生命は必ず周囲から祝福されるべきで、
たとえ息をしていなくても赤ちゃんと一緒に過ごす時間を
しっかりと設けることで
両親は現実を早く受け入れることができ、
離れていても我が子を身近に感じていられる、
というようなことです。

最終的には前向きな気持ちになるための本なので、
基本的には幸せな雰囲気を出す必要があります。
ただ内容が内容だし、タイトルもタイトルなので
幸せそうだけど、どこか悲しげで隙間のある、
そんな雰囲気の装丁に仕上げたいと思いました。

編集者から最初に伝えられたイメージは
「子どもを抱いているお母さん」

初めはそのままラフを描いてみましたが
内容からするとちょっと生々しい印象…


全体を引いた構図にして
人の印象を薄くしてもいまひとつ…


具体的な人をやめて人っぽいものに。
お母さんと子どもが一緒にいるのは
本の内容にそぐわない気がしてきたので、
表紙と背表紙に分けてみました。


表紙にお母さん一人では寂しいのでお父さんも追加。
表には笑顔で草原に立つ両親らしき者を描き、
裏には笑顔の子どものようなものを描くことで、
背表紙を世界の境界線とすることにしました。


タイトルの文字はキャラクターに合う
丸っこい文字をアレンジ。
強くなり過ぎないように
隙間を意識して組みました。


出来上がり



帯を巻くとこんな感じ。
帯は落ち着いた雰囲気の同系色にしました。




一般の方が呼んでも大変意義深い本ですが
一応専門書の部類に入るため
よほど大きい書店でしか店頭販売はされていません。
ご興味のある方はインターネットなどで
お買い求めいたけると確実です。

世の役立つ本のお手伝いをさせていただいた協同医書出版社様、
どうもありがとうございました。

スマホザムライ

2012-04-13 03:29:17 | Weblog
携帯電話をスマートフォンに替えてはや幾年月…、
いや、ホントはたった2週間強なんですが
それでも少しずつ手に馴染んでまいりました。

画面が大きくて見やすいのは良いものの
前パネルがほとんど画面なのでミスが後を絶たず
通話をしていて頰で保留にしたり、切ってしまったり、
ちょっと持ち替えようと思って余計な所を触って
あらぬ動作が始まってしまったり…。
スマホ初心者ゆえのトラブルに関しては
枚挙にいとまがありません。

そんな中でも特に苦戦しているのが
文字の入力です。

私のスマホには4通りの入力方法がありまして、
極小のキーボード画面をチマチマ押す、
手書き、
通常の携帯電話のように番号キーをテケテケ押す、
そしてフリック入力と呼ばれる第四の入力方法です。

購入した当初は
長年親しんできた携帯電話と同様にテケテケと打っていたのですが
ボタンを押すわけではなく画面に触れるだけなので
いまいち感覚がつかめず、う~ん…

キーボード画面を押すのも細かすぎて
電車など揺れる状況では、う~ん…、
手書きも時間がかかり過ぎてう、う~ん…。

以上のような消極的な理由からフリック入力の練習を始めました。

フリック入力では
例えば「あ」の文字に振れると
四方に「い・う・え・お」の文字が浮かび上がり、
選択したい文字の方向へそのまま指を滑らせます。
「か」に触れば「き・く・け・こ」、
「さ」に触れば「し・す・せ・そ」が出るといった具合です。

携帯式入力のように何回も押さなくてよく、
どの文字も基本的にワンアクションで打てるので
慣れてくると想像以上に早く文章が打てます。
(そんな気がしてます)

フリック入力をしていると、
いったん画面に指を置き、
そこから上下左右に指を滑らせていくので
何だか画面を斬っているようで微妙に楽しくなってきます。

もっと速度が上がってきたら正に快刀乱麻。
早く回りから一目置かれる存在になりたいものです。

豆苗生活~その後

2012-04-06 11:06:18 | Weblog
以前ご紹介した豆苗のその後について
このまま黙して語らぬわけにはいかぬでしょう。

この手で隅々まで刈り取られて丸坊主となった豆苗は
一見死滅したかのように見えました。
ところがドッコイ生きてるタッパーの中。
数少ない我が家の保存容器を占領し、
日々かいがいしく水を交換してあげた結果、
見事に息を吹き返しました。

再生するという伝承は聞いていましたが、
どういう手順で再生するのかは
現代の科学ではまだ解明されてはいませんでした。

切り口から新たに芽が出てくるのか、
プラナリアのように分断された身体が
それぞれ別の個体になるのか、
事の成り行きを私は注意深く見守っていました。

そして世界の7不思議とも呼ばれる
その謎の再生技術を見届けることになったのです。

切り口より下にある茎から
かすかに枝分かれしていた芽が
グングンと大きくなり、
あれよあれよと立派な豆苗へと成長していきました。

その成長速度は凄まじく
「ジャックと豆の木」という物語が生まれるのも
無理からぬことであるなと思えるほどです。

元々縦に伸びていた茎から枝分かれしたわけですので
出発地点はほぼ横向きなわけですが
不思議なことに垂直方向に向きを変えて上へと伸びていきます。

いや、正確には上へではありません。
太陽の方向です。

風の当たらない場所に置いているのに
全ての苗が一定の方向へ傾いているので
「これは奇怪也」と思って、
クルリと180度向きを変えて見たところ
次の日にはまた同じ方向へ傾いているのです。

こうして一日の間に太陽を追って首をゆらして
支柱になる物にグルグルと巻き付いていくのでしょうね。
勝手な想像ですけど。

先端の双葉の間から一本ヒョロリと伸びた髭を
巻き付きの足がかりにしていくのでしょう、きっと。
勝手な想像ですけど。

順調に成長していった豆苗ですが、
支柱がない環境下でグルグルと向きを変えられたせいで
飼い主に似てかなりひねくれて育ちました。

しまいにはお互いに巻き付き合い始めて
阿鼻叫喚の地獄絵図の様相を呈してきたのです。
しかも食べるタイミングがなかったので
もはや豆「苗」と呼べなくなるレベルまで成長してきた個体も…。

さすがに恐怖感を覚えた私は
育ちすぎた個体を綱紀粛正する行政代執行を命じたのです。

クリクリのパーマ頭のようだったタッパーはだいぶスッキリし、
刈り取られた豆苗はサラダとして食卓に供され、
家には平和が戻ったとさ。

めでたしめでたし。