買った当初は切れ味鋭い包丁も
使っているうちに段々と切れ味が落ちてくる。
切れ味が落ちた包丁は
研いで輝きを取り戻してあげなければならない。
一定期間使っては研いで、研いではまた使い、
包丁との付き合いはその繰り返しである。
前回包丁を研いだのはいつのことだったであろうか。
近頃包丁がその働きに精彩を欠き始めた。
トマトを切れば形が崩れ、
玉ねぎを切れば内側の層が飛び出す。
包丁に限らず切れ味の落ちた刃物は使いにくいし、
予想外の軌道で動くので危なくもある。
そろそろ包丁の性根を鍛え直す必要があるようだ。
愛用している包丁はオールステンレス製で
ほぼ見た目の好みだけで購入した。
当初は同じメーカーから出ているシャープナーで研いでいたが、
いまいち切れ味がよくならないし、そもそも風情がない。
インターネットで探してみると
ステンレス用の砥石というものが存在していることを知り、早速購入。
以来、砥石を使って包丁に闘魂を注入するようになった。
包丁を研ぐのはいつも夕食後の片付けが終わってから。
特に意味はない。
砥石は使う前に水を滲みこませる必要があるため
食事中にお風呂の洗面器に水を張って浸しておく。
十分に腹ごしらえをし、洗い物をしてキッチンを片付けて、
いざ儀式の始まりとなる。
砥石がずれないように台布巾を敷いて、砥石を乗せる。
まずは荒砥ぎの砥石から。
砥石に対して包丁を45度の角度で置き、
10円玉3枚分刃の背中を浮かせる。
右手で柄を持ち、左手を刃に添えて、包丁を前後に動かす。
角度を保持して無心で包丁を前後させる。
何となく映画の1シーンに出てくる決闘前夜のような気分になり、
包丁と砥石がこすれる音も自然と重みを増してくる。
時々砥石に水を差し、包丁についた砥石の粉を水で流す。
それっぽく片目をつぶって注意深く刃を確認するが、よくわからない。
親指の腹で刃を横になぞってみると、
指紋の溝への刃の引っかかり具合で
包丁の切れ味が向上してきていることがわかる。
途中バリが出てきたらひっくり返し、また一心に包丁を前後させ、
仕上げ用の砥石でも同じ工程を繰り返して、
包丁はその本来の輝きを取り戻す。
仕上がった包丁の試し切りはしない。
どんな切れ味に仕上がったかは次に使う時のお楽しみである。
以前、1流のプロ野球選手が野球少年に
「上手くなりたかったら道具を大事にしなさい。
自分で一生懸命手入れした道具に対して失礼なプレーはできなくなるから。」
と言っていたことを思い出す。
切れなくなってから手入れしているようでは何とも半端だが、
道具の手入れは楽しいものである。
使っているうちに段々と切れ味が落ちてくる。
切れ味が落ちた包丁は
研いで輝きを取り戻してあげなければならない。
一定期間使っては研いで、研いではまた使い、
包丁との付き合いはその繰り返しである。
前回包丁を研いだのはいつのことだったであろうか。
近頃包丁がその働きに精彩を欠き始めた。
トマトを切れば形が崩れ、
玉ねぎを切れば内側の層が飛び出す。
包丁に限らず切れ味の落ちた刃物は使いにくいし、
予想外の軌道で動くので危なくもある。
そろそろ包丁の性根を鍛え直す必要があるようだ。
愛用している包丁はオールステンレス製で
ほぼ見た目の好みだけで購入した。
当初は同じメーカーから出ているシャープナーで研いでいたが、
いまいち切れ味がよくならないし、そもそも風情がない。
インターネットで探してみると
ステンレス用の砥石というものが存在していることを知り、早速購入。
以来、砥石を使って包丁に闘魂を注入するようになった。
包丁を研ぐのはいつも夕食後の片付けが終わってから。
特に意味はない。
砥石は使う前に水を滲みこませる必要があるため
食事中にお風呂の洗面器に水を張って浸しておく。
十分に腹ごしらえをし、洗い物をしてキッチンを片付けて、
いざ儀式の始まりとなる。
砥石がずれないように台布巾を敷いて、砥石を乗せる。
まずは荒砥ぎの砥石から。
砥石に対して包丁を45度の角度で置き、
10円玉3枚分刃の背中を浮かせる。
右手で柄を持ち、左手を刃に添えて、包丁を前後に動かす。
角度を保持して無心で包丁を前後させる。
何となく映画の1シーンに出てくる決闘前夜のような気分になり、
包丁と砥石がこすれる音も自然と重みを増してくる。
時々砥石に水を差し、包丁についた砥石の粉を水で流す。
それっぽく片目をつぶって注意深く刃を確認するが、よくわからない。
親指の腹で刃を横になぞってみると、
指紋の溝への刃の引っかかり具合で
包丁の切れ味が向上してきていることがわかる。
途中バリが出てきたらひっくり返し、また一心に包丁を前後させ、
仕上げ用の砥石でも同じ工程を繰り返して、
包丁はその本来の輝きを取り戻す。
仕上がった包丁の試し切りはしない。
どんな切れ味に仕上がったかは次に使う時のお楽しみである。
以前、1流のプロ野球選手が野球少年に
「上手くなりたかったら道具を大事にしなさい。
自分で一生懸命手入れした道具に対して失礼なプレーはできなくなるから。」
と言っていたことを思い出す。
切れなくなってから手入れしているようでは何とも半端だが、
道具の手入れは楽しいものである。