くぬぎのたろぐ

くぬぎ太郎の日常的視点

総火演

2015-08-30 11:56:11 | Weblog
この夏はちょっと遅いお盆休みを取って、
帰省のついでに自衛隊の富士総合火力演習を見学してきました。
国内最大規模の実弾演習でございます。

誰でもフラリと行って見学できるわけではありません。
事前の抽選に当たらなければいけないのです。
当選の倍率は何と30倍、芸大受験並みの狭き門なわけでありますが、
今回は初めて応募したら意外にアッサリと当選してしまいました。

会場は富士山の裾野、御殿場。
義理の実家かからまぁまぁ近いので車で御殿場駅まで送ってもらい、
駅からはシャトルバスで会場までピストン輸送されます。

来場者は2万7千人。
イベント会場のような大人数の収容を目的とした設備ではないので、
恐ろしいまでの人混みでございました。
「ディズニーランド以上の混雑が予想されます!」というアナウンスは、
冗談や誇張ではありませんでした。

自衛隊のイベントだけあってアースカラーや迷彩柄のファッションの人が多くいました。
その中に混じって長蛇の列に並び、
地面にレジャーシートを敷いてすし詰め状態で見学した訳でございます。

占領された離島を奪還するというストーリーに沿って、
解説のアナウンス付きで演習は粛々と進行していきます。
比較的前の方の場所だったので、
次から次に出てくる戦車や大砲をよく見ることができました。

でも見学とはいいながら、
「生」の醍醐味は見ることではなく、聞くことにあります。

実弾が発射される度に炸裂する爆音は半端ではありません。
鼓膜が縮むような大音響と共に、爆風と衝撃波が空気を揺らしながら駆け抜けていくのです。
距離の違いはあれど、そのインパクトは打ち上げ花火の比ではありませんでした。

発射された爆弾やミサイルは数キロ離れた目標に的確に命中し、
これまた派手に爆発して次々と山に穴が空いていくのでございます。
弾の軌道や爆発の仕方も目的によって様々で、
ハイテク兵器という代物の威力を存分に体感することができました。

しかしあんな強烈なものを人に向けて撃つことを想像するとゾッとしてしまいますね。
相手も同じような武器を持っていたら目も当てられない状況になってしまうことでしょう。
今後も実際に使用することなく、気楽な見学の対象のままであってほしいものです。

ささら

2015-08-16 16:59:58 | Weblog
「ささら」という道具をご存じでしょうか。
鉄製のフライパンや中華鍋を使っている方は、
日常的に利用していることと思います。

鉄製の調理器具は油膜を保つために洗剤で洗うことは厳禁です。
汚れはお湯で洗い流すのですが、
その際に焦げなどこそぎ落とす道具が「ささら」です。

簡単にいえば縦に細かく割った竹を束ねたような道具で、
タワシでは弱くて落とせない頑固な汚れも、
ささらであればガシガシと落とすことができます。
かと言って硬くもないので油膜を剥がしてしまうこともありません。

ささらは毎日のように使っていると2〜3ヶ月でボロボロになってきます。
しかし鉄製の調理器具を使っている人はあまり多くないのか、
その辺のスーパー等どこでも取り扱っているわけではないのです。

以前近所の商店街でも探したことがありました。
熱海の場末のようなひなびた商店街なので、
きっと昔ながらの鉄の道具を使っているお客さんが多くいて、
当然のようにささらを売っているだろうと思ったからです。

調理器具を扱っている雑貨屋さんで「ささらはありますか?」と尋ねたところ、
「ささらって何でしたっけ?」と聞き返されました。
めげずに「こういう形で、こういう用途で使うものです。」と説明すると、
店員は「あぁ〜…」と何かを思い出したように地下の倉庫へと消えて行きました。

再び戻ってきた店員は「1本だけありました…」と、
埃だらけで所々竹が折れているささらを申し訳なさそうに持ってきてくれたのです。
それは売り物なのか?! おt外に言葉を失い静まりかえる店内、
「…良かったら、差し上げます。」と言ってくれましたが、
もちろん答えは「NO!」です。

デパートに行けば間違いなく売ってはいるのですが、
妙に高いので腰がひけてしまいます。
日常的に使う道具なのに困ったものです。

でも最近は中華街に行けば安く売っていることに気がつきました。
歩いて行ける距離に中華鍋の本場があるのに燈台元暗しとはよく言ったものです。
そんなこんなで我が家へのささらの安定供給への道は開けたのでございます。
めでたし、めでたし。

ヴァーム

2015-08-08 14:21:28 | Weblog
すっかり暑い季節となりましたが、以前から続けているランニングを未だに続けております。
流石に日中は暑いので、陽が傾いた夕方からいつもの公園をグルグルと回っております。

先日は新たなアイテムを導入しました。
アイテムというか飲み物ですけど、VAAMです。
働き蜂のスタミナをヒントにして作られたという、体脂肪を効率的にエネルギーへと変えてくれる代物です。

運動する前に摂取すれば、持久力がアップして、効率的に痩せられるそうですが、その効果は確かにあるような無いような。
でも何となく疲れにくいような気はするかもしれません。

そんなVAAMのおかげなのか、このところ順調に距離を延ばせてきており、休憩なしで9km走れるようになりました。
10kmの大台まであと少しです。
運動部に所属していた人から見たら何てことない数字でしょうけれど、これまで全く運動をしてこなかった私にとっては、1つの節目となることでしょう。
気負わずに10km走れるようになったらランニングシューズを新調しようと、密かに企んでおります。

しかし8kmを超えたあたりから、「息が苦しい」とか「脚が痛い」とか、そういう走ることで発生する負担以外に、「お腹が空いた』とか「トイレに行きたい」などといった、生理的な問題も出てくるようです。
今後さらに距離を延ばしていこうとしたら、その辺の対策も練らないといけないのでしょうね。

学生の頃に全然運動をしていなかったので、体を動かすのが楽しみが最近になって分かってきました。
おそらく体力的には今が一番充実しているのかもしれません。

アスパラガス

2015-08-02 17:31:56 | Weblog
株式会社ギンビスという聞きなれない会社が出している
「アスパラガス」という名のお菓子が大好きです。
一般的な名称で言えばゴマスティックなどと呼ばれています。

細長いビスケットにゴマが練りこんであるシンプルなお菓子なのですが、
なぜこれが「アスパラガス」なのかはよく知りませんし、
特に調べてみようとも思いませんけれど、
そう名乗られると確かにアスパラガスに見えなくもないかもしれません。

近頃はコンビニのプライベートブランドとして安価なお菓子が売られていて、
その中には必ずといっていいほどゴマスティックがラインナップされています。

「アスパラガス」は、これらプライベートブランドのゴマスティックに比べて少々割高ですけれど、
値段が高いだけの価値がそこにはあります。
食べ比べてみるとやはり圧倒的に美味しいのです。

噛めば破片が弾け飛んでしまいそうなカリッとした焼き上がり、ちょっと強めの塩味、確かなゴマの風味など、
昨日今日に開発されたゴマスティックには真似のできない、
確固としたブランド力が細長いクッキーに秘められているのでございます。

そして何よりのこだわりはその包装でしょう。
一般的なゴマスティックがプラスチックのトレイに入れられて、
ヌクヌクと袋詰めされているのに対し、
「アスパラガス」は剥き出しのまま袋に入っております。
いかに自分自身の硬さに自信があるか、その証左と言えるでしょう。

袋は密封されているのにも関わらず、
なぜか金の針金を巻いて口元を縛ってあります。
しかもこの針金の巻き方が尋常ではなく、
かなり執拗な回数を巻いてあるので開封するのも一苦労だったりします。

しかし「アスパラガス」の愛好家はこの開封作業を面倒だとは思いません。
自分が開封するのにひねった回数と同じだけ回数を、
封をするためにひねってくれた人がいるわけです。
そう、この開封作業は作り手との対話なのです。

もしも機械でひねっていたら元も子もありませんけれど、
「今日も美味しいアスパラガスをありがとうございます」と、
感謝の念を持っていただくのでございます。