賃貸は賃貸でも一軒家に住んでおりますと、
町内会という秘密結社に強制加入させられまして、
年会費として2400円という何とも微妙な金額を徴収されたりするわけです。
一軒家は快適ですけどアパートやマンションに比べて煩わしいことは多少ございます。
もう一つ例をあげますと、回覧板というものも回ってきます。
だいたい週に一回くらいのペースでしょうか。
郵便受けには入らない大きさなのですが、
気がつくと玄関のドアノブにぶら下げてあります。
いったいいつの間に錆びてキイキイと鳴る門の扉を開けて敷地内に入ってきたのか、
近隣住民の忍びの者のような身のこなしには舌を巻くばかりです。
回覧板には全国紙はもちろん地方紙にも載りようがないローカルな情報が掲載されております。
集めた町内会費の収支報告、地域のお祭り、町内会の総会、町内の誰が亡くなった成人した入学した、etc…
そこまで地域に密着した生活でもないので概ね我が身のこととして捉えられない内容がほとんどですが
一応確認の判子を押して回す習わしなので一通り目は通しております。
確認のしるしはサインでもOKなようなので、
一通り目を通したらサインを書いて次の家へと届けます。
何だかんだと2年間この家に住んでいるので回覧板ももはや生活の一部になってまいりました。
しかしそんな決まりきった日常に変化が起きました。
新年度から回覧板を回すグループの班長が変わったようで、
回す順番が急に逆になってしまったのです。
以前は隣りに住む老婦人の郵便受けに放り込めば良かったのですが、
それが逆回りとなると話が難しくなります。
次に回す小桧山さんというお宅がどこにあるのか分からないのです。
今までの順番なら小桧山さんが我が家に回覧板を届けているはずですが、
よほど手練れの忍びなのか顔も見たことがありません。
我が家の反対側の隣りは回覧板を回すグループに含まれていないアパート。
アパートの横は曲がり角で家がありません。
同じブロックのどこかに小桧山さんが棲息してるはずなのですが、
なにせ車も入れない住宅密集地でございますから探すのも容易でございません。
出かけるついでに近所の表札を見て回りましたが小桧山さんを見つけることはできず、
あまり熱心に見て回って変質者に間違われても困ります。
「いったい誰がリバースを使ったんだ!」などと軽い憤りを覚えながら途方に暮れていたところ、
新しい班長は回覧板のペースが早いようで小桧山さんを見つける前に次の回覧板が来てしまいました。
これはマズイと思った矢先、
たまたま隣りの老婦人と玄関先で会ったので小桧山さんのお宅を聞くことができました。
小桧山さん宅は裏の細い路地を入って曲がった先とのこと。
そんな入り組んだ所にあったら見つからない訳ですよね。
無事に小桧山さん宅も分かり妻にも教えてあげました。
新たな回覧板の流れにも慣れてきた頃、
再び事件は起きました。
回覧板の順番がまた逆回りになり元の順番に戻ってしまったのです。
「いったい誰がリバースを使ったんだ!」
私は心の中で叫んだのでした。
町内会という秘密結社に強制加入させられまして、
年会費として2400円という何とも微妙な金額を徴収されたりするわけです。
一軒家は快適ですけどアパートやマンションに比べて煩わしいことは多少ございます。
もう一つ例をあげますと、回覧板というものも回ってきます。
だいたい週に一回くらいのペースでしょうか。
郵便受けには入らない大きさなのですが、
気がつくと玄関のドアノブにぶら下げてあります。
いったいいつの間に錆びてキイキイと鳴る門の扉を開けて敷地内に入ってきたのか、
近隣住民の忍びの者のような身のこなしには舌を巻くばかりです。
回覧板には全国紙はもちろん地方紙にも載りようがないローカルな情報が掲載されております。
集めた町内会費の収支報告、地域のお祭り、町内会の総会、町内の誰が亡くなった成人した入学した、etc…
そこまで地域に密着した生活でもないので概ね我が身のこととして捉えられない内容がほとんどですが
一応確認の判子を押して回す習わしなので一通り目は通しております。
確認のしるしはサインでもOKなようなので、
一通り目を通したらサインを書いて次の家へと届けます。
何だかんだと2年間この家に住んでいるので回覧板ももはや生活の一部になってまいりました。
しかしそんな決まりきった日常に変化が起きました。
新年度から回覧板を回すグループの班長が変わったようで、
回す順番が急に逆になってしまったのです。
以前は隣りに住む老婦人の郵便受けに放り込めば良かったのですが、
それが逆回りとなると話が難しくなります。
次に回す小桧山さんというお宅がどこにあるのか分からないのです。
今までの順番なら小桧山さんが我が家に回覧板を届けているはずですが、
よほど手練れの忍びなのか顔も見たことがありません。
我が家の反対側の隣りは回覧板を回すグループに含まれていないアパート。
アパートの横は曲がり角で家がありません。
同じブロックのどこかに小桧山さんが棲息してるはずなのですが、
なにせ車も入れない住宅密集地でございますから探すのも容易でございません。
出かけるついでに近所の表札を見て回りましたが小桧山さんを見つけることはできず、
あまり熱心に見て回って変質者に間違われても困ります。
「いったい誰がリバースを使ったんだ!」などと軽い憤りを覚えながら途方に暮れていたところ、
新しい班長は回覧板のペースが早いようで小桧山さんを見つける前に次の回覧板が来てしまいました。
これはマズイと思った矢先、
たまたま隣りの老婦人と玄関先で会ったので小桧山さんのお宅を聞くことができました。
小桧山さん宅は裏の細い路地を入って曲がった先とのこと。
そんな入り組んだ所にあったら見つからない訳ですよね。
無事に小桧山さん宅も分かり妻にも教えてあげました。
新たな回覧板の流れにも慣れてきた頃、
再び事件は起きました。
回覧板の順番がまた逆回りになり元の順番に戻ってしまったのです。
「いったい誰がリバースを使ったんだ!」
私は心の中で叫んだのでした。