くぬぎのたろぐ

くぬぎ太郎の日常的視点

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冬瓜

2008-07-25 11:54:59 | Weblog
東京に引っ越してきて早いもので1カ月半が経ち、
家の周りに何があるかもだいたい把握できてきた。
引っ越してきたばかりの頃は
買い物といえば駅前のイトーヨーカドーだったが、
探してみると大型スーパーよりも安く食材が買える店は結構あって、
中でも極めつけは農家直売所であろう。

以前もこのブログで書いたが、私は農家直売所が好きで、
旅先で立ち寄る道の駅などに直売所があると見ずにはいられない。
農家直売所の魅力は何と言っても新鮮な食材が安く買えることで、
その日に収穫されたようなプリプリの野菜が、
ものにもよるが大型スーパーの2割引きくらいで買えてしまう。
幸いにも現在住んでいる武蔵野市周辺はまだ畑が点在していて、
農家直売所も何件か存在している。
歩いていくには遠く、交通機関もない場所が多いので、
運動がてら自転車に乗って野菜を買いに行く日々である。

会社を退職して定期的な収入が途絶えてしまった今、
気楽に好きな食材を買う気にはなかなかならない。
そういう意味でも農家直売所は経済的に助かる存在だが、
選ぶ食材に対しても最近はコストパフォーマンスを重視するようになってくる。
値段の割に大きくて食べ応えのある食材、
そんな視点で売り場を物色していて目をつけたのが冬瓜である。

目をつけたというか、売り場を歩くと嫌でも目に入ってくる。
濃い緑色の肌で、長さ20センチ程の俵型の身体、
以前から存在は知っていたが、
手にとってみることはあっても買ったことはなかった。
一人で食べるには大きいというのもあったし、
実家の食卓にも上って来なかったのでそもそも馴染みがなかったのである。
だがこの夏、私は初めて冬瓜を買った。

インターネットで冬瓜を使ったレシピを調べた結果、
今回は鶏肉と冬瓜の冷製スープを作ることにした。
鶏肉を煮立ててダシをとっている間に冬瓜を切り分けていく。
まな板の上に横たわった冬瓜は何だか太々しい印象を私に与えるが、
この期に及んでは流石に観念したのか微動だにしない。
一体中から何が出てくるのだろうか、まずは半分に切ってみる。
中からは白い果肉と、大きな身体に似つかわしくない小さな種が出てきた。
緑色の皮から白い果肉に変わる色のグラデーションが何とも綺麗である。

初めて調理する冬瓜を観察しながら切り分け、
ワタをとり、皮をむいて、さらに適当な大きさに切り分けて、
鶏肉が待つ鍋の中に投入して数分、スープは出来上がった。
冷製スープのつもりだったが冷ましているいる時間がないので
始めは普通の暖かいスープとしていただいた。
まだ味が馴染んではいなかったものの、
冬瓜の果肉は薄く透き通り、意外とトロリとした食感でなかなか上品な味であった。
残りのスープは冷蔵庫に入れて翌日に冷製スープとしていただいたが、
暑い夏にはちょうどいいさっぱりとした味を楽しむことができた。

個人的に生活環境が大きく変わった現在、
食生活に限らず、いろいろと新鮮な経験をする機会は多い。
基本的には家にいる毎日だが、
こんなちょっとした初体験、新発見は楽しいものである。

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サンダル式

2008-07-18 20:54:38 | Weblog
小学校4年生の頃、
私の身体はある病原体に冒された。
その病原体は世間では白癬菌と呼ばれていて、
足に感染すれば水虫と呼ばれ、足以外であれば田虫、
頭であれば白雲、大事な所であれば陰金と呼ばれる症状を引き起こす。
私の場合は水虫であった。

おそらくは水虫を患っていた親から感染したものと思われるが、
ポロポロと皮がむけて、無性に痒かったのを覚えている。
幸い発見が早く初期段階で治療を受けたので、
その時は大事に至らず治すことができた。
それからしばらくの間私の足は平穏な時を過ごしていたのだが、
高校1年生の頃に再びムズ痒い違和感を覚え始める。
恐れていた出来事が現実のものとなった。
水虫の再発である。

小学生の頃はすぐに病院へ駆け込んだものだが、
さすがに高校生ともなると部活や勉強が忙しく、
というのを表向きの理由に、実際は少々恥ずかしかったので、
敢えて病院へが行かずに自力で治すことにした。
とりあえず白癬菌が好む環境、
つまり足のムレを改善することで菌の繁殖を抑えようと思い、
家にいる時はスリッパはもちろん、
真冬でも靴下すらはかず、常に裸足でいることを実践した。
しばらく続けていると、この方法は意外と効果があったようで
皮が剥ける箇所の面積は徐々に小さくなり、
やがて皮が剥ける箇所はなくなったのであった。

こうして私は史上初めて自力で白癬菌に打ち勝ったかのように思い、
自分で自分を褒めてあげたい気持ちになったが、
しばらく時が流れ、大学生になってからも悲劇は繰り返された。
私の身体では絶滅したはずの白癬菌がまだ生きていたのか、
また新たに感染したのか確かめようがないが、
とにかくまたも水虫が再発したのであった。

こうなった以上もはや徹底的に足のムレをなくそうと思い、
それ以来私は白癬菌の活動が盛んになる夏がくると
どこへ行くにもサンダルを履いて出かけるようになった。
これも一定の効果を上げたのであったが、
就職してからはサンダルで仕事をするわけにもいかず、
蒸し暑い靴の中から白癬菌の歓喜の歌が聞こえてくるかのように
水虫は悪化の一途を辿っていったのである。

だが今年の夏は会社を退職したためサンダルが履き放題なので、
白癬菌を懲らしめてやるには良い機会である。
ちなみに今履いているサンダルはネットオークションで
履き心地を確認しないで落札したものだから、
履いて歩いていると足の節々に当たって少し痛い。
でも革製だからそのうち馴染むだろうと
履き続けていたら最近は痛くなくなってきた。
サンダルが馴染んだわけではなく、
サンダルが当たる箇所にマメが出来たからであって、
私がサンダルに馴染んだのである。

夏のサンダルは強し。
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扇風機

2008-07-12 16:26:10 | Weblog
まだ梅雨は明けてませんが、
今年の夏は思い切って扇風機を導入してみました。
これまでは窓を開ければ入ってくる自然風を基本に、
どうにも我慢ならないときだけクーラーをつけるというスタンスで
夏の暑さを凌いできましたが、
東京で窓を開けっ放しにするのも何か不安ですし、
新しい仕事部屋に窓がないこともあり、導入へと踏み切った次第です。

どこのメーカーの扇風機を購入したかというと、
売り上げに影響してしまってはまずいので詳しいコメントは差し控えますが
何とマイコン式の扇風機を購入したのです。
マイコン式という売り文句も久しぶりに聞いた気がしますが、
風量調節機能、首振り機能、タイマー機能が搭載された優れものなわけです。
扇風機を購入するにあたり電器屋さんでいろいろ物色しましたが、
しばらく見ないうちに扇風機にもリモコンやアロマ、リズム風など
様々な便利機能が搭載されていて、
何でも多機能にしてしまう日本メーカーの企業努力はすごいものです。

いろいろな便利機能を見てはみたものの、
結局は見た目のシンプルさで購入する製品を決めてしまいましたが、
今のところはすこぶる快調に回っておりまして、
人間の汗ばんだ肌に風をあてて涼しい雰囲気を出してくれています。
夏の暑さはまだまだこれからが本番なので、
不自然に高温多湿な東京の夏を扇風機だけで乗り切れるのか、試練の時です。
1年ほど前にもこのブログで書きましたが
季節感が狂うのでクーラーはできるだけつけたくないのです。

考えてみると扇風機は別に空気を冷やしているわけではないので、
人間の発汗機能があって初めて涼しく感じられるわけですから、
マイコン式とはいっても人間の生理現象にうまく寄り添った
なかなか情緒があるというか、親しみの持てる機械なのかもしれません。
その辺りがただひたすらに部屋空気を冷たくして、
外に暖かい空気をまき散らすクーラーとは一味違う気がしています。

そんなことを書いている今この瞬間も扇風機は健気に回って、
そよそよとした風を送ってきてくれていますが、
実は世の中にはそよそよという表現などあてはまらない
剛の者とも呼ぶべき扇風機が存在しています。
それは工事現場などに置いてある扇風機で、
まさにプロ仕様と呼ぶべきパワーを発揮する強者なのです。

過去この業務用扇風機を家庭に持ち込んだ者は
私の知りうる限りでは会社の集合寮で隣に住んでいたK君のみです。
その風力や凄まじいもので、弱でも一般の家庭用扇風機よりも力があり、
たった6畳の寮の部屋で強にでもしようものなら、あらゆる紙は舞い上がり、
まるでラピュタの飛行石に復活の呪文を唱えたような騒ぎでした。
この扇風機を真上に向けると文庫本が30cmほど浮いたので
これは相当な風力といえるでしょう。

その後、その圧倒的な力をもてあましたK君は
業務用扇風機をあまり使わなくなってしまいました。
やはりものには適材適所というものがあって、
それはしばらく使ってみて初めてわかったりします。
今年導入した扇風機は私の生活にフィットするか、どうか。
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ナス

2008-07-05 14:43:36 | Weblog
まだ旬にはちょっと早いけれど、
スーパーを徘徊しているとナスが売り場の
目立つ所に陳列されるようになってきた。
私の好きな食材の一つである。

でも、どこが好きなの?と聞かれると困ってしまう。
ナスのことを頭に思い浮かべてその魅力を探ってみる。
形が好きなのか、色が好きなのか、匂いが好きなのか、
大きさ?質感?触感?調理のしやすさ?
そもそもナスってどんな味だったか?
改めてナスのことを見つめ直してみるものの
これといって特徴的な味も匂いもないし、極めて個性がない。

だがしばらく考えているうちに私は徐々にわかってきた。
私はナスが好きというよりは、ナスを使った料理が好きなようだ。
麻婆ナス、ナスとトマトのパスタ、ナスと厚揚げの煮物、などなど。
つまりナス単品にはそれほど興味がないのかと思いきや、
焼きナスも大好物だったりして、謎は深まるばかりであり、
ナスというやつはなかなか掴みどころのない奴である。

とりあえず必死に考えても特に得るものはないので、
結局のところナス自体には特別な味や匂いはないが
その個性の無さ故にあらゆる食材と相性が良く、
周囲にある食材の旨味を吸い取って、
さも自分の実力のように見せてしまう所が
ナスの魅力なのだろうなという結論に落ち着くことにした。

ナスは皮も種もそのまま食べられるし、
灰汁抜きもそれほど神経質にしなくていいので
手早く下ごしらえができてしまう食材ではあるが、
油断していると痛い目に逢うことになる。
ナスのヘタには棘があり、
まだ料理を始めたばかりの頃は、
私も何度かナスに刺されたことがあった。
その度に調理される間際になっても、
なお生きようとするナスの強い思いを
指に受けた傷の痛みと共に感じたものである。

世の中にはナスと名付けられる人が少なからずいる。
もちろん本名ではなくニックネームとして。
過去私の周りにもナスがいた。
彼は私が小学校3年生の時に近所へ引っ越してきた1歳下の少年だったが、
その面長で少し下膨れの顔、タレ気味の細い目、名字がマスノ
しかも栃木県の那須から来たということもあって、
満場一致で彼のニックネームはナスに即決した。

彼はいたって温厚な性格で誰とでも親しくしていた。
基本的にはいじられキャラだったが、
いじり過ぎるとフトした拍子に逆上することもあり、
油断ならない側面も持ち合わせていて、
今考えてみると性格もナスっぽかったようだ。

そのナスとは、私が引っ越してしまって以来会っていない。
今頃どこで何をしているのだろうか。
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