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くぬぎのたろぐ

くぬぎ太郎の日常的視点

ブーツ

2016-12-04 12:28:11 | Weblog
3年ほど前に購入したブーツがあります。
あまりブーツを履くという柄でもないのですが、美しい形がとても気に入ったのです。

米国の西部開拓時代の名残を色濃く残したワーキングブーツのようで、見た目はすごくいいものの重たくてとにかく固い。
普通の厚さの靴下にこのブーツを履こうものなら、ものの数分で革と皮膚が擦れて血が滲む激痛に見舞われることでしょう。
登山用の分厚い靴下を履いて、ようやく何とか歩けるというレベルです。
歩けるといっても、スキーのブーツを履いて歩くようなぎこちなさですが…

いったいこんな甲冑のようなブーツをどうしたら履きこなせるのでしょう。
古くから愛好家がいる定番の商品のようなので、何か良い方法があるのかもしれないと、購入した当時にインターネットで色々調べてみたら、やはり同じ悩みに苦しんでいる人は多いようでした。
しかし解決策というほどのものは特になく、ひたすら履いてブーツが足に馴染んでくるのを待つしかないとのこと。

血を流しながらも痛みに耐えて履きこなすブーツ…。
「軍服に身体を合わせろ!」という精神に近い、何かとても理不尽なものを感じました。
しかしそれでも履きこなしたいと思わせる魅力が、このブーツにあるのも確かです。

もし履きこなすことができれば、これ以上なく快適な履き心地になり、頑丈な分一生モノになるという先人達の言葉を信じ、私も頑張ってみることにしたのです。

あれから3年の月日が経ちました。
冬場に月2〜3回履いて出歩く程度でしたが、気づいたら痛みもなくなり、だいぶ歩きやすくもなってきました。
激痛に顔を歪めながら歩いていた日々が嘘のようです。
しかも長時間歩いていても、下手なスニーカーよりもむしろ疲れにくいくらいになってきました。
履く時と脱ぐ時にまだ固くて苦労はしますが、コツを掴めば何とかなりそうな程度です。

初期の頃は、あまりの痛さに「もう手放そうか」と何度も思いましたが、諦めずに履いてきてよかったです。
ブーツが私に馴染んできたのか、私が痛みに慣れたのかは定かではありませんが、末長いお付き合いになりそうです。