くぬぎのたろぐ

くぬぎ太郎の日常的視点

捌きを下す!

2015-02-28 20:58:55 | Weblog
これまでさんざん食べ物の話題を書いてきましたが
恥ずかしながら初めて魚を捌きました。

私に捌きを受けた被告人、いや被告魚はイワシ。
スーパーで7尾400円、しかも新鮮ピチピチで売られていたのが運の尽きでした。
罪状は、澄み切った瞳、青光する体、「美しい」とすら思える裸体を公衆にさらしていたことです。
新鮮物陳列罪とでも呼べばいいのでしょうか。
もうすでに死んでいましたが、妻と相談した結果、死刑判決を言い渡しました。

我が家のキッチンに連行され、
まな板に横たわるイワシの目からは徐々に光が失われ、
会社員だった頃に社内でよく見かけた「死んだ魚の目」になりつつありました。

執行人はつい数分前にYouTubeで「イワシの捌き方」を見たばかりの私、
見よう見マネでイワシを処刑します。

ありのままの姿をしたイワシを前にして、
「今から生き物を解体するのだ」と、密かに胸が高鳴ります。
まずは頭部を切断。
赤黒い血がドロッと出てきますが、ここでひるんではいけません。
打ち首などは序の口で、これから八つ裂きの刑が始まるのですから。

お腹を切り裂き肛門の方まで刃を進め、
腹わたを掻き出していきます。

ついつい自分がこんなことをされたらと思うと、
何となくお尻がムズムズしてきてしまいますが、
そんなことを考えてる場合ではありません。

煮物にするのであればここまででいいようですが、
せっかく新鮮なイワシなので目指す所はお刺身です。
3枚におろして、要所要所を切り落として、皮を剥かなくてはいけません。
なんと猟奇的な刑でございましょう。

しばらく研いでおらず、すっかりナマクラとなった包丁で捌いたので、
切断面が多少ガタガタとなってしまいましたが、
無事に3枚におろすことに成功。
何とかお刺身の体裁にまで持っていくことができました。

ツマも大葉もなかったので、
皿に盛ったイワシには何の死化粧もしてあげられませんでしが、
その味は絶品の一言。
切り身で買ってくる刺身とは、瑞々しさが段違いでございました。

初めてにしては上出来と言っていいでしょう。
大岡越前も真っ青、遠山の金さんも裸足で逃げ出す、
歴史に残る名捌きとなったのでございます。

音無

2015-02-21 20:08:09 | Weblog
以前は仕事中に好きな音楽やラジオをかけていましたけど、
最近は何も流さず無音の世界で作業をしております。

薄々感じてはいたのですが、
無音の方が集中力の高い状態を長く保つことができるのでございます。
耳から情報が入ってくると、例えそれが言葉ではなくても、
知らず知らずに脳の処理能力を消費しているのでしょうね、きっと。

ちなみに、
音楽を聴きながら絵を描いたり、
パソコンでグラフィックをいじることは出来るのですが、
文章を書くことはまったくできません。

人によっては逆の場合もあったりするので、
何か脳の回路の違いなのでしょうね。

それにしても毎日机に座って仕事をするだけなのに
不思議とお腹は空くものでございまして、
外に出ても出なくても食べる量は変わりません。

体重は、、、体重計がないのでわかりません…。
主観では少し太ったような。

好きな仕事なので、
忙しくても特に嫌なストレスは感じないものの、
長い目で健康のことを考えると、
仕事の仕方も見直さないといけないのでしょうね。

と思いつつ、目の前の仕事に追われる日々でございます。

トンネルと抜けると…

2015-02-14 11:44:12 | Weblog
4日ぶりに外へ出て、
歩いて街へと出かけました。

快晴の昼下がり、
目が開けられないほどに日光が眩しくて、
ここはハワイか沖縄か、はたまた白夜の北極圏か。

途中150mほどの真っ直ぐのトンネルを抜けるのですが、
今度は一転して車の音が轟く暗闇の世界。
久しぶりの外出でそんなコントラストが何だか嬉しくなってしまう、35歳。
赤ちゃんのような純粋な感性を取り戻しつつあるのでしょうか。

長く続くトンネルを歩いていると、
通り過ぎていく自動車、バス、トラックの轟音が何重にも反響し合い、
ウヮンウヮンと頭に響くメロディーを奏でます。

視線の先にはトンネルの出口がずっと見えているのですが、
その逆光で前にいる人々は全て真っ黒に見えるものですから
どの人が自分と同じ方向に歩いているのか、
どの人が自分の方に向かってきているのかが分からなくなりました。

軽く世界が歪み始めて前後不覚の状態に陥りつつ、
前を歩く妻と思しき影を道標にして
トンネルを無事に抜けたのでございます。

何とも癖になってしまいそうな快感(?)でございました。
歩道と車道が柵でしっかり仕切られているので
安心してトンネルに酔いしれることができたのでございます。

道なき道をゆく

2015-02-08 10:44:36 | Weblog
家から出られない日が続く今日この頃、
合間を縫って気晴らしにと
近所の森林公園へランニングをしに行きます。

公園内をグルリと回れる道は1周1.3Kmほどで、
まぁまぁそれなりに広い敷地があり、
緑がたくさんあって起伏もあるので、
ちょっとしたランニングにはとても良い環境です。

でもここ半年ほど同じコースをグルグルと回っているので
季節の移り変わは感じられるものの、
やはりちょっとマンネリな感じになってきました。

そこで先日は公園の道の内側、
一面の芝生が植えられている丘の中を走ってみました。

急なアップダウン、左右への傾きなど、
地形を読みながら走り進むのはなかなか刺激的で、
舗装された道を走るのとは違った爽快感がありました。
身体だけでなく脳の体操にも良いようです。

実はこのように公園の中の道じゃない所を走っているのは私だけではなく、
林の中を縦横無尽に走っている人とかもたまに見かけたりします。

初めてこの森林公園に来てそういう人たちを見た時は、
「世の中には変わった人がいるものだ」と思っていたのですが、
気がつけば自分もその中の一人になりつつあるようです。

走ることにもっと慣れてきたら
トレイルランニングも面白そうだなぁ、と
山野を走る光景を妄想してみたりしています。