くぬぎのたろぐ

くぬぎ太郎の日常的視点

祝二周年

2009-05-29 10:27:17 | Weblog
気がつけば5月ももう終わりが近づき、
昨日から降っている雨はまだやまず、
湿っぽい空模様が続いています。

金曜日はブログの日、
このブログの更新は基本的には毎週金曜日に行っており、
自分の中で曜日というものを意識する数少ない行いの一つです。
金曜日の朝はブログ用の絵を描いて、
お茶を片手にキーボードをテケテケと打つ。
すっかり慢性化したこの行いはいつから続いているのか、
そしていつまで続いていくのか。

たいていの方がお気づきかと思いますが、
くぬぎのたろぐは今回でほぼ2周年です。

私自身は二周年ということをあまり意識していませんでしたが(小嘘)
とある熱烈なファンの方から教えていただき(嘘)、
全国から祝電や花束がひっきりなしに送られてきて(大嘘)
勢い余って出版化まで決まってしまいそうです。(激嘘)

私がいったい何のためにブログを書いているのか、
読者の方々にはちょっと想像がつかないのではないでしょうか。
実は私もよくわかりません。
書き始めた動機はなんだったのか。
普通なら第1回目にブログの目的とか書いてもよさそうなのに
唐突にびわの話から始まるとはどういうことなんでしょう。

それでも見てくれている人がいるのはありがたいことです。
ブログへのアクセス数は毎日確認できるのですが
誰がアクセスしてくれているかまではわかりません。
でも意外な方から「ブログ見てますよ」と
声をかけていただくことも少なくなく、
そんな声を一つの原動力にして、
さして目的のないこのブログは続いているのです。

これまでに書いた主だった記事を見ていると、
この2年間いろいろなことがあったなあ、と、
なかなか感慨深いものがありますが、
光陰矢のごとし、2年間なんてあっという間ですな。

私の個人的な信条の一つとして
「継続は力なり」というものがあります。
何事も続けなくては大成しないし、
一見意味のないことでも続けていれば何かあることでしょう。
しかしこのブログを続けた先に一体何があるのか、
それは神のみぞ知るところで、
私はただただ気楽に毎週更新していくのみ。

毎週見てくださっている奇特な皆様、
これからも末永いお付き合いを
どうぞよろしくお願いいたします。

わらび餅

2009-05-23 10:57:36 | Weblog
5月も下旬になってくると、
気候もそれなりの暑さになってくるわけで、
街をゆく人達の服装も軽やかになり、
何となく夏の景色を想像するのが容易になってくる。
当然、スーパーに並べられる食材にも変化が見られ、
野菜でいえば冬の根野菜が徐々に姿を消し、
夏らしい水気を多く含んだものに変わってくる。

そして、食材の入れ替わりはお菓子コーナーでも見てとれる。
饅頭や芋を使ったようなお菓子が少し幅をせばめ、
わらび餅や水ようかん、ところてんのような、
冷やしておいしく、見た目にも涼やかなお菓子が並び始める。

そんな夏のお菓子の中でも
私はわらび餅が特に好物であるわけだが、
もちろんわらび餅であれば何でもよいわけではなく、
ものすごく高いものか、ものすごく安いものが好きなのだ。
中程度の高級なのか安価なのかわからない品には興味がなく、
私の中でわらび餅の二極化が進んでいるのである。

和菓子屋で売っているような高級なわらび餅を美味しく感じるのは、
まあ当たり前というか違和感のないことなので、
今回はものすごく安いわらび餅に注目してみたい。

ものすごく安いわらび餅とは、
スーパーの和菓子コーナーに陳列されている商品で、
プラスチックのトレイに所狭しと
直径2センチ程度の半透明の球体が敷き詰められ、
その脇に袋詰めのきな粉とようじが添えられているもののことである。

この商品、
わらび餅とパッケージには書いてあるものの、
成分表示にわらび粉という記載はなく、その正体はでん粉らしい。
つまり実はわらび餅でもなんでもないのだが、
このでん粉の塊がなかなか侮りがたく、
そのほのかな甘みときな粉のコンビネーションが
ついつい癖になってしまう。

日中に買っておいたわらび餅もどきを冷蔵庫で冷やし、
夜な夜な風呂上りにひっそり食べるのが近年の夏の夜の定番。
「安っぽい包装…」
「安っぽいトレイ…」
「安っぽいきな粉…」
「安っぽいでん粉…」
(荒地の魔女風に)
でもその安っぽい味が何とも言えないのだ。
餅と餅がくっついてなかなか離れないもどかしさ、
冷たくてぷにぷにとした舌触り、
ツルツルの餅とザラザラしたきな粉のコンビネーション。。
今日も一日が過ぎていく。

しかしつらつら思んみるに、
安物の方が半端な値段のものより美味しい食品は他にもあって
私の中では、プリン、ヨーグルト、シュークリームなどもそれに該当する。
金額と物の価値というのは必ずしも一致しないものだが、
金額という他人が決めた価値よりも
自分で感じた価値を大事にしていきたいものである。

正念場

2009-05-15 10:55:49 | Weblog
私、実はこう見えて(見えないけど)、
学生時代はトランペットを吹いていた。
小学校4年生から大学までの13年間、
オーケストラや吹奏楽部に所属していた。
それだけ長くやっていれば、
さぞかし上手いんだろうとは思うなかれ。
経験年数のわりに達者ではないので、
13年という数字を言うのが恥ずかしい程である。

人生の大半をトラペットを吹きながら過ごしてきたわけで、
大学を卒業して楽器を吹かない生活が続いても
頭の片隅には常に音楽や楽器の残像が残っていた。
機会があれば再開したいなとは思っていたものの
時間やお金のことでなかなか踏ん切りがつかずにいたが
ダラダラ考えていても進歩がないなと思い、
大学時代の知り合いが多くいる小さな楽団に入って、
ホルンを吹くことにした。

話の流れからいって、なぜホルン?!
という声が聞こえてきそうだが、
13年間トランペットを続けてみたものの、
オーケストラの中で渋い活躍をするホルンの方が
華やかなトランペットよりも性格的に向いている気がするのだ。
ホルンを吹いた経験はほとんどないが
音の出し方は基本的に一緒なので、
まあ何とかなるであろう。

さて、6年ぶりの楽器演奏である。
長いブランクのせいで音が出ない。
ス~、ス~、プス~、ブ…ブブ、
慣れない楽器に悪戦苦闘していると
トランペットを始めた小学生の頃を思い出してくる。

小学校では器楽クラブという学校のクラブに所属していた。
公立の小学校のわりには、バイオリンからチューバまで
全てそろったフルオーケストラで、
なかなか本格的なものであった。
でも中身は遊びたい盛りの子供なので
顧問の先生がいない時は
練習そっちのけで遊んでいることも珍しくなかった。

当時、クラブ内では正念場という遊びが流行っていた。
金管楽器の練習場所であった理科室にある
背もたれのない四角い椅子を並べ、
その上に一人が横になる。
周りを取り囲んだ人達と順々にジャンケンをしていき、
横になった人が負ければ椅子を一つ抜かれ、
勝てば椅子を一つ足していく。

負けが込んできて椅子が少なくなり、
椅子の上で体勢を保持するのが辛くなってくると、
みんな意味もよく知らずに「さあ正念場だ」と囁き始める。
横になった友人がこの窮地をいかに切り抜けるかを見守るのだが、
横になった人が勝つ方法はルール上設定されておらず、
基本的に耐え切れなくなって落下するまで続けられた。
本当の正念場を知らない子供たちの無邪気な遊びだったが、
今思うと、案外的を得たところもある気がしないでもない。

ま、それはさておき、
絵を描くという趣味を仕事にしてしまったため、
しばらく無趣味な状態が続いていたので、
久しぶりに始めた趣味を楽しみたいと思う、今日この頃である。

独眼竜

2009-05-08 09:41:00 | Weblog
最近のささやかな楽しみといえば
レンタルビデオショップで
昔のNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」を借りて
夜な夜な鑑賞することです。

「独眼竜政宗」は歴代の大河ドラマの中でも
屈指の高視聴率を記録した作品で
平均でも30%代後半というから大したものであります。

テレビで放映されていたのは1987年で、私はまだ8歳でした。
とても面白くて毎週家族で見ていましたが
ただ面白かったという感覚しか残っておらず
詳しい内容はよくわかっていませんでしたので、
成長していろいろと歴史の予備知識も増えた今、
もう一度見直してみたいと思ったのです。

伊達政宗は戦国末期の東北地方で活躍した武将ですが、
他の有名な武将に比べて生まれた時期が少々遅く、
成人した頃には秀吉が天下の形勢をほぼ握っていました。
それにも関わらず天下を目指して東北地方で暴れまわり、
結構いいところまでいったものの、
結局は夢破れて秀吉の軍門に下ります。
そんな若々しくエネルギッシュな政宗を
主演の渡辺兼が活き活きと演じていて
観ていてとても爽快な気分になり、
記録的な高視聴率を残したのも納得できます。

テレビや映画、小説を通してのイメージしかありませんが
戦国時代の日本って現代とはだいぶ質が違っているようです。
国の全ての権利と責任が武将個人に集約されていて
それぞれの武将がそれぞれの領地で
独自の法律や社会システムを構築しており、
良くも悪くも実にバラエティ豊かな世界です。
前例や慣例は何の役にも立たず、
現代のように「みんながそうしているから」
なんていう理屈は通らないように見えます。

その世界観は武将のファッションにも現れていて、
甲冑の形や色、素材も実に種類が豊富で、
特に兜はその武将の個性を象徴しているようです。

個人的に印象に残っているのは伊達政宗の兜で
ナイキのマークのような飾りがスマートでかっこよく、
その左右非対象な形が、眼帯をした政宗の顔と
上手い具合にバランスを保っている気がします。
さすが伊達者の語源になった家柄らしく
優れた美意識を持っていたように感じます。

他にも探してみると変な兜もたくさんあって、
伊勢海老が乗ってるもの、南国風、ドロンジョ様みたいの
ダースベイダーみたいなのもありました。
中でもお気に入りはウサ耳っていうか、
ウサギが乗ってる兜です。
いったい何のつもりだったのか知りませんが
かわいくてお洒落です。

私のような事なかれ主義の人間は
戦国時代へいっても生きていけないでしょうが
個人個人の個性が強烈に発揮されている世界というものを
実際に見てみたいものだなと思います。
物陰からこっそりと。