ヤングキングアワーズ 2013年2月号より
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)
コミックス4巻、2月14日発売! ・・・バレンタインに打ち勝てってことですね!(違)
そんな今回、いきなり険しい表情で向き合う男2人。
ナポレオンのある要求に、ランヌさんが断固拒否の姿勢を示しています。
そこで陛下、「元帥になれなくてもいいのか」と、パワハラめいたことをおっしゃってますが、
それでもランヌさんは折れない! 男だ!(ぇ
といった風に、ランヌさんがナポレオンの要求を受け入れるか否か?
も見所ではありましたが、今回の要点は「ナポレオンの元帥たち」誕生でありました。
皇帝のもとで、元帥に就任するのは誰か?何人か?
街で話題になるほどに注目される人事ですが、
確実視されているのがマッセナくらいというのは、面白いですね。
それだけ名声が広まっているのは、彼だけだったということでしょうから。
しかし、本作品ではおなじみの面々が、次々に元帥就任してゆく様子は、
まさに栄達したな~という雰囲気満載で、ワクワクさせられてしまいましたよ!
私は手元の『ナポレオンの元帥たち フランス帝国の群雄伝』で、
1人1人確認しつつ読み進めました。 中にはあまりよく知らない人物もいたので(^^;
またネット上では、『ナポレオンの元帥たち ー栄光を追い求めた26人』のように
素晴らしい著作が無料で閲覧できますので、興味のある方はぜひ!
ちなみに、今回描かれていたルフェーブルのエピソードは存じあげなかったのですが、
手元の本によれば、ルフェーブルは「二流の戦略家だが、人情味があり」という
人柄だったらしいとのこと・・・ エピソードではちょっとネジの外れた怖い人でしたが(´▽`;)
ナポレオンによる元帥選抜の基準・・・
これはまさに政治ですね。 このあたり、ナポレオンの一貫した姿勢がみてとれますし、
それこそが帝国の基礎を盤石にする作用をもたらしていたのかも? とも思えます。
まあ同時に、危険因子も組み込まねばならないわけで、
後々それが芽を出してしまうのは、やむをえないことではあるでしょうが・・・
そして、元帥になれなかった人物の悲哀もありましたね。
マルモンさんはナポレオンとの付き合いから、就任を確信していたようですが、選外。
でも、ここで落ち込んだ姿を見せているのは、のちに元帥になったときとの対比、
つまり、栄達することを印象付けるための伏線なのかもしれませんね。
ナポレオンにとってマルモンさんはずっと後、重要なキーマンとなる場面がありますけども、
それがどのように描かれるのかも楽しみです。
そして、皇帝陛下が兵士たちを奮起させる場面。
さすが歴戦の司令官、士気の上げ方を心得ていらっしゃる!
栄達の到達点である元帥たちを背に、出世すればそこへ至ることができると示す。
魔法にでもかけられたかのような兵士たちの昂りが、轟く瞬間の盛り上がりときたら、もう!
さらに、ここでナポレオンがドゼーに想いを馳せ、
そこからスルトの失望エピソードの真相を重ねてきたのには、たまらんものがありました。
スルトは後々「大元帥」になる人物ですからねえ・・・ なるほどですよ。
また、最後のマルモン&ジュノー。
元帥になれなかった男たちですが、ここで先のナポレオンのセリフを引用しつつ、
マルモンがジュノーに問いかけているのも、彼らの心意気を感じさせてくれてよかった。
駆け出す2人の姿からは、迷いなき未来への疾走感がみてとれましたよ・・・ 素晴らしい!
その熱意に、私の心も昂らずにはいられない。 もちろん今後も、楽しみです!