ヤングキングアワーズ 2014年1月号より
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)
ついに、この時が・・・!
クロイセによるナポレオン襲撃。
「獅子の時代」で描かれたあのシーンが、「覇道進撃」でも再び!
・・・ということで、「獅子の時代」との共通点・相違点などを基準に
感想を書きたかったのですが、じつは「獅子の時代」1巻が現在行方不明でして(;´`)
ギリギリまで探したんですけども、たぶん崩れた本の山の下か、ダンボールの山の中。
8巻以降は見つかったのですが、それ以前が・・・無念。
もし見つかりましたら、コミックス感想として書きたいものですが、どうなることか。
クロイセの最期。
このあたりの経緯は同じでしたけど、
クロイセのキャラクターのついては、だいぶ印象が変わっていましたね。
先々月号で明らかとなったクロイセの本心が、そうさせているのでしょう。
男が男を愛しすぎたがゆえの凶行・・・ なんて言っちゃうとアレですけども、
同性愛的な意味以上に、その存在の大きさに対する敬慕のようなものが感じられて、
胸に迫るモノがあったことは、大きな違いでありました。
正直、あのクロイセが、ここまでのキャラクターになるとは思ってもみませんでしたよ!
まあ、ストーカー的な愛で、迷惑極まりないものではあるんですけども(^^;
そして始まる一大決戦!
ロシア軍、クトゥーゾフの心配をよそに、高地を下りてゆくブクスホーデン。
フランス軍、プラッツェン高地の攻略を、スルトに命じるナポレオン。
衝突するランヌとバグラチオン。
各方面で動き出す両軍に、ワクワク感が止まりません!
なにせ、史上名高きアウステルリッツの戦いですからね。
1度描かれてはいますが、別角度から、または描かれなかった部分が、
今回は拝めるのが、たまりませんよ。
ランヌが「逃げてねぇから」と言っているのは、
以前、作戦のために逃げるふりをしたことがあるからでしょうかね(^^;
プラッツェン高地をめざすスルト。
戦闘前、高地の放棄を危惧し、敗戦すら予感していた彼が、
ここにきてナポレオンの狙いに気づくシーン。
そこで、マッセナが思い浮かべられていたのは、興味深い点ですね。
「天才どもめ」と、ナポレオンのみでなく、マッセナも含めていたのは、
スルトが彼を高く評価していることを示しています。
このあたりの関係は、後の半島戦争への伏線めいたものになっているのかも。
ここでのスルトは、ナポレオンの予想をこえた活躍ぶりを見せて感心されています。
ドゼーの代わりを期待される彼への評価は、高まっていると考えてよさそうですね~。
しかし、ミュラには笑ってしまった゜(*゜´∀`゜)゜ はじめ誰だか、わからんかったですよ!
プラッツェン高地へ向かう皇帝陛下。
レザは、まだ敵のド真ン中だからと警告しますが、
やはり重要なポイントだけに、戦況をじかに眺めたいのか、気にせず駆けあがっています。
「皇帝」であっても、まずは軍人、司令官という立場を感じさせる気質ですね。
さらに、ロシア騎兵に蹂躙されるフランス兵へ、
「死ぬんじゃない」と呼びかけるナポレオンからは、
兵たちの「父」としての愛情が見えてくる気がします。
前回、兵士が死ぬことを確信している冷酷さとは、矛盾するこの愛情。
このように、相反する2つの感情を持ち合わせている所は、かなり業が深いと言えるかも。
プラッツェン高地の皇帝陛下。
決戦の行方は、すでにわかっているわけですが、
緊張高まる状況の中、どのように戦いが動いてゆくのか・・・ 今後も楽しみです!