昨年末~今年初めごろは、多忙のためにほとんど更新できずにいましたので、
まだ書いていなかった「お気に入り」作品を、まとめていろいろ紹介。
とりあえず、昨年出た1巻作品を5つ・・・ 他にもあったのですが、行方不明でして(^^;
『女子攻兵』1巻 (松本次郎 先生)
「まだだ・・・ 俺はまだ感染してないぞ」 (本編132ページより)
異次元へ移住した者たちと、地球側との間におきた戦争。
その戦いのために地球連合軍が用意したのは、次元兵器「女子攻兵」!
この「女子攻兵」を中心に描かれる、脳髄を直撃する“狂気”の物語。
主人公のタキガワ中尉が搭乗する巨大ロボ「女子攻兵」は、
人間そのもの(女子高生)のようにふるまうものの、銃器を駆使して敵を討つ兵器です。
しかし、搭乗時間が長ければ長いほど、精神汚染が進むというとんでもない代物。
そして、そのような兵器が投入されて行われるデタラメな“戦争”に、
脳みそをぐちゃぐちゃに溶かされるような感覚を、味わわされることしばしば。
このあたりは、松本次郎先生の作品全般に共通してますね。
「女子攻兵」のド派手なアクションにほれぼれしながらも、
精神汚染がもたらす“狂気”の描かれ方にゾッとしながら、しかし確実に引き込まれてゆく。
そのように一風変わった特別な面白さがある作品。 この世界に魅惑されるべし。
『最後のレストラン』1巻 (藤栄道彦 先生)
「おぬし・・・ 何が食べたい?」 (本編10ページより)
ちょいと偏屈なシェフ・園場凌がいるレストラン「ヘブンズドア」。
そこになぜか歴史上の人物が訪れて、園場にムチャな注文をすることに・・・
そんな偉人たちの“最後の晩餐”が描かれる、不思議なレストランの物語。
織田信長、マリー・アントワネット、ユリウス・カエサルなど、歴史上の人物たち。
彼らは、まさに死の間際という状況から「ヘブンズドア」の扉を開くことになるのですが、
そこで一品、料理を注文することに。 そこでシェフの園場があれやこれや考えて、
彼らの無理な注文にアイデアでもって応える、というのが基本形式となります。
基本1話完結。 偏屈なシェフと、彼を支えるバイト2名(女子高生と女子大生)、
そして偉人たちの個性と、出されるアイデア料理の数々、
それらの魅力がつまったレストラン物語は、かなり上質。
最後の話などで顕著ですけど、料理による魂の救済物語としての側面も見逃せない一作。
これからどんな偉人たちが登場するのかも含め楽しみですし、個人的に期待作品です!
『大砲とスタンプ』1巻 (速水螺旋人 先生)
「責任問題ですよ!」 (本編・・・各所にて)
輸送や補給などをおこなう兵站軍。
そこの新米軍人であるマルチナ・M・マヤコフスカヤ少尉は、
マジメなのは良いけれど杓子定規な性格で、現場の状況よりも書類が大事。
そんな彼女の“戦争”を描く物語!
軍事における兵站はとても重要なもの・・・ というのは常識ですが、
全線で命をかけて戦う兵士たちに比べてしまうと、事務仕事であるため大いに地味。
「紙の兵隊」と馬鹿にされてしまうような立場になっています。
そんな事務屋であるマルチナ少尉と、彼女が属する“アゲゾコ要塞”の面々が、
さまざまな任務をこなしたり、内部のごたごたを処理したりと、
大活躍(?)する様子が面白い作品となっています。
全体的にコメディタッチな雰囲気ではあるものの、やはり戦争が起きている状況なため、
人が死ぬシーンはあります。 それがやけにあっさりしているんですよね。
しかしそれが、戦場での人の命の“軽さ”を的確に表現しているように思えたりもします。
そして速水先生の描くいろんな兵器類が、軍事に興味のある人間であれば、
かなりマニアックに楽しめる要素になっていて、そんなところも面白味。
兵站という地味ながらも重要な仕事を描く作品というのは、珍しいし興味深い期待作です!
『ジョジョリオン』1巻 (荒木飛呂彦 先生)
「これは「呪い」を解く物語」 (本編46ページより)
「ジョジョの奇妙な冒険part8」 舞台は4部と同じ杜王町!
震災後のこの町で、女子高生・広瀬康穂が出逢った謎の男は何者なのか・・・?
2人を中心に起こる不思議な出来事。 ここに、新たな物語の幕は切って落とされる!
謎の男は自分が何者かわからず、まずはそこを突きとめようと動き出し、話は進行します。
やがて知ることになる名前は、4部ではおなじみのあの名前。
ここからミステリアスに物語は展開し、命の危機にさらされ追い詰められることに・・・
内容としては3部以降と同様に「不思議な力」での知恵をふりしぼったバトルが中心ですが、
主人公が何者か不明という要素が、読者を物語に食いつかせる引力となっている印象。
彼は何者なのか? あの名前が示すとおりであれば、彼の本性は・・・
と気になって仕方なくなる流れが絶妙でしたし、バトルには燃えました。
私は、「ジョジョ」に関しては全巻そろってからの一気読みを楽しむことにしていますので、
2巻以降は買わずに完結を待ちたいと思いますが、つづきがめっちゃ気になります!
『うみねこのなく頃に散 EP7:Requiem of the golden witch』1巻
(原作・監修:竜騎士07 先生 作画:水野英多 先生)
「探偵気取るなら 心を忘れるんじゃねェ!」 (本編3ページより)
大富豪・右代宮家の所有する六軒島でおきた連続大量殺人。
その謎を解き明かす「解答編」がここに始まる。
物語は、いきなり新人物2名の登場で幕を開け、
今までの視点とは異なる方向から事件へのアプローチが試みられることに。
“魔術師狩りのライト”こと異端審問官ウィル(ウィラード)が事件に挑むことになるのですが、
彼の相棒となる理御(りおん)とは何者なのか?
そして、最大の謎である魔女ベアトリーチェの正体を知るべく、
ウィルたちは右代宮金蔵の過去をのぞくことになります。
私は原作既読のため、内容を存じております。
このエピソード7にて物語の謎がほぼ解き明かされることとなりますが、
じつは本作品のテーマとの関連により、明確な答えは示されません。
しかしながら、今までの物語をじっくり眺めていれば、それは容易に想像できること・・・
たっぷりこのお話を堪能できる人であれば、じゅうぶんに楽しめるのではないかと思います。
探偵に心は必要。
ウィルが語るこの言葉の意味を、しっかりかみしめることが肝要かと・・・
本エピソードはもちろんのこと、いまだ完結していない他エピソード、
そしてラスト・エピソードも、私は楽しみです!
書き方を模索中のため、右往左往しております。
今後は時間をとりにくくなることが予想されるため、
ふたたびこの形式で「お気に入り」を書こうかと考えています。
詳細に感想を書きたいときは、中から選んでマンガ感想として書いてゆく予定です。