小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「国際人権擁護記録映画祭」

2006-06-18 22:44:58 | ニューヨーク暮らしの日々

ヒューマンライト ウオッチ (人権見守り)
今、ニューヨークでフイルムソサエティがオーガナイズしているヒュ
ーマンライト ウオッチの記録映画祭がリンカーンセンターで開催され
ている。移民問題が一般の暮らしに影響を及ぼしていない日本では、
人様の基本的人権について考えるチャンスは多くはない。又、ヒュー
マンライトについて考える動機も少ないと思う。
いったいヒューマンライトの定義ってなーに?辞書によると
ヒューマンライトとは人間の尊厳を守り、人間として生きる権利、人
間として生まれた報いを受ける価値が誰にでもあるという人権のこと。
(参考:
www.hrweb.org・・ヒューマンライトのウエブサイト)1948年、
人権を守る人権宣言が国連で確立した。しかし半世紀以上もたった
今も人間の尊厳が守られるどころか、殺戮が続き餓死している人たち
が大勢いる。権力や利益がからみ、統治する者の責任が問われる問
題が多い時、記録映画は無視できない問題となって皆に問いかける。
記録映画は殆どが独立したフイルムメーカーで、少ない予算で制作し
ているが問題提起は大きい。 映画の後は毎日考えさせられるテーマ
であった。暮らしの中で人間の価値観、人間について考えるチャンス
が多いことはアメリカが多民族国家だからだろうか。
アフリカの移民が
必死で英語を学び、疲れた合間に
ーあなたの愛は私のくすりー とアフリカの言葉で歌う歌に胸が詰まる。
アメリカに来たばかりのアフリカ移民がハンバーグを買う。カウンターで
袋入りハンバーガーを “3ドル50セント!” といって差し出されると 
”中身を見せないでお金を請求するのはおかしい” という。そこで映画
を観ているアメリカ人はどっと笑う。
違う文化の中で暮らすことは誰であ
っても大変なことだ。

問題の多いアメリカだが困った人を助け、滅私奉公の美徳を実践する人
が後をたたない。国を追われ、差別を経験しているユダヤ人の中にヒュ
ーマニストが特に多い。

地球中の人種が移動している今、一人一人が人間とは?国家とは?人
間愛とは何か、考えさせられる日々である。