アメニティとは心地よさ、快適性、生活を楽しくさせる事物(自然環境、社会環境を含む)のことで日本でもアメニティの言葉をよく聞く。伝統的美しいデザイン、匠の世界を競う日本でもこと西洋的になると醜悪なものが多いのは、アメリカ人がガラスケース入り藤娘をすばらしいリビングルームに飾るに等しいのかも。
街としては銀座界隈が歩いていても楽しい。小さい店でも心楽しくなり、街全体が努力している。看版のデザインも面白いし、銀座百点も心意気があり楽しい。高級ということよりも、それぞれの店がプライドを持っているからなのだろう。
日本に帰ってきて、どうしてこうなるのか、お金の問題でなく心楽しくできないのかと不思議に思うことがある。
まづ、快適性を持つ個性的デザインの駅が少ない。たとえば日暮里駅の西口、自転車置き場と駅の入り口が何時も間違えるほど、心楽しくはならない。西日暮里の駅も同じく、白壁もよごれているし、おでかけの楽しみも、お迎えの楽しみもなく、谷中に住んでいる喜びを感じることがむずかしい。日本に素晴らしいデザイナーが沢山いるのにこれは行政のせいかしら。どこかがおかしい。
街作りはイタリアの田舎の小さな街並みや広場に学ぶことが出きる。日本だってそこに行きたい街が沢山ある。そこは街のアメニティが快適だからだろう。
ニューヨークの地下鉄は100年前に作られたもので騒音も凄く、新しくできた日本の地下鉄のほうが新しさでは快適かもしれないけれど心楽しくさせてくれるわけでもない。
写真:ニューヨーク・ブロードウエイ72丁目地下鉄の駅。100年以上たっている。
72丁目の駅の外で無料で頂ける地下鉄の地図をキャンバスに、アート作品を楽しむアーチストたち。「おいくら?」と聞けばにっこり笑って「あなたの好きな値段」と答える。
写真左:14丁目8番街の地下鉄駅入口 右:タイムズスクエアの乗り換え用階段
トム・オッタネス(Tom Otterness)の現代に皮肉をこめたブロンズが乗客に語りかけ楽しい。
写真右:中央駅からタイムズスクエアまでの電車構内の壁画はどの車両も意表をつくデザイン
ニューヨークの車内で居眠りしている人はあまり見ない。魚の国日本でも、大衆浴場でもない。NY
の地下鉄の壁。
ダウンタウン地下鉄のインフォと地下道のタイル絵。広告もなく退屈しないで地上へでれる。
騒音なんかかまわないよ。楽しいんだもの。やりたいことをやる。喜んでくれる人があれば100万ドルさ。(1ドル紙幣がポンとはいる。「へい! サンキュー!」 地下鉄のホームで 。
悩んだり文句言う暇のない忙しいニューヨーカーだ。
谷中のお寺の掲示板に「やらないと何も発見しない。やって見て己を知る」 と書いてあったなー。
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