展示を終えて
「子供たちに愛されたアメリカ人形展」
手作りから産業化への100年史 -1930~1930年までー
ミキモトでの展示を終えてホッとしているところです。
北海道から九州まで遠路お出かけいただいた方々、優しい眼で人形を見てくださった沢山の方々、何度もいらしてくださった方々、
楽しかったと声をかけてくださった方々、本当にありがとうございました。
記録的入場者がありました。それから6年後の1986年、横浜の人形館でアンコール展がありました。
その後、25年間倉庫の箱の中で長い眠りについていたものです。
初めて自分の手で14個の大箱をあけ、痛みがなかったことにほっとしましたが、洋服や付属の繊維製品はすべて洗ってあげました。
丁寧に手洗いし、アイロンをかけ終わるとハンガーにかけ床の間の上に“可愛い!可愛い!”と言いながらの虫ピンでさげ、眺めて楽しみました。
パンツ、シミーズ、ペティコートなど何枚も重ね着をした人形たち。丁寧にボタンホールや鉤ホックなど、どれも手抜きをせず手にハートをこめて作られたものです。
南北戦争前のもの、ペリーが日本に行く前の物、産業革命前後の人形たち、何も知らない私に、どこで,どうして,誰が,何時頃、なぜ作られたのか、
アメリカの暮らしの文化を教えてくれた人形たちです。
この人形展から、少しでもアメリカ庶民たちの、暮らしの文化の理解につなげれば目的は達せられたと思います。
人形展は資生堂・ザギンザ、横浜人形の家、銀座ミキモト、Kラインロジスティックス、凸版印刷、文化出版局などのご理解と協力を得てそれぞれが可能になったものです。
そして晴れがましい人形たちの晴れの舞台には、細やかな心使いが必要であったこの展示を手伝ってくださった方々、みなさんのハートをこめた手がなければ、
実現は不可能なことでした。人形ともども心からお礼を申し上げます。
どのようにして人形が作られたのか。私がスカートをめくって下着や体躯が日本と違うことに感動して人形を集めたので、展示が難しかった部分を公開しましょう。
左)座れるように多くの人形は立体裁断になっています。中)1920年代に大流行したベッドドールは、ベッドをきれいにしてからベッドの上に寝せて飾られたもので、
胴の下から長い足がついています。 右)ナバホインディアン人形の脚まっすぐな2本の柱の感じで縦に作者のサインがはいっています。
人形も5つ必ず売れたアメリカ中を騒がせた5つ児はみせものの様に育ち、現在は社会問題、人権問題を含む心理的影響などのスタディケー人スによく出て来ます。
日本のテルテル坊主の手法も1本の棒に古靴下をかぶせ、綿を詰めボタンの目をtけ帽子までつくて人形に仕上げた母親。
1830年ごろペンシルバニアで作られた古い人形も当時の流行と同じようにスカートはワイヤーフレームで膨らませています。
南北戦争のころコネチカットで作られた人形はフリーハンドで頭から足先まで続けられ体躯に当時流行の後ろの下がった麻地のジャケットを着ています。
足の裏や足に縫い付けたストッキングや、皮製の靴や関節、おしりの立体裁断など、人形には悪いのですが座るために立体裁断であることも日本の人形とは違う点です。
楽しんで作った人形のカードたちです。いろいろの楽しみを与えられた私の人形たち。百枚以上作りました。
みなさんの応援でこのコレクションが公共に展示され、末長く日本で生存していかれたらウレシイナアーと望んでいます。日本のように人形師の作った人形でなく、
愛する子供たちに抱かれるために作られた人形には個性やアイデアが満ち、その上パテントがとられ、豊かになるため、アメリカの可能性を探っていた時代の“手にハート“ をこめられた人形です。
そしてほほえましい日常のせつないようなアメリカの遺産です。末長く生きていてほしいと、公共に展示して、保存してくださる方が現れますように祈ってやみません。
展示に協力をしてくださった皆みな様、ご覧くださった皆みな様に重ねて心から人形と共にお礼を申し上げます。皆さん有難うございました。 小林恵
お知らせ 1
私がメイン州で購入した子供の乳母車は,1876年福沢諭吉が買い求めたものと同じでした。
慶応義塾福沢研究センターのサイト、http://www.fmc.keio.ac.jp/research/cat36/post_8.htmlをご覧ください。黄色のマーク研究活動ブログ、12月をクリックしてください。
又は福沢諭吉米国土産の乳母車と同型車のタイトルです。
お知らせ 2
2009年、銀座のミキモトホールで「暮らしの詩・日米フックド・ラグ展Ⅲ」(ミキモトホール)、また2005年の「暮らしの詩・日米フックド・ラグ展Ⅱ」(新宿プロムナードギャラリー)、「暮らしの詩・日米フックド・ラグ展Ⅰ」
(TEPCO銀座館)をご覧くださった方々、見損なった方々を含め、
2012年こそ貴女らしい創作ラグをつくってラグデイに参加みませんか?できたラグはまた皆さまに見ていただく展覧会、プロモーションを企画していますのでご参加ください。
キルトと並んで2大アメリカンクラフトと言われているアメリカンフックド・ラグは誰でも作れるばかりでなく、お玄関に置くマットとして最適です。好きなサイズが作れます。
キルトでベッドを飾ってもべッドルームまでお見せできない住宅事情の日本では玄関を彩るあなたの作ったラグがお客様を歓迎するのは愉快なことでありませんか?
考えないで実行したい方、月1度集まって楽しんでいる小林恵のラグデイに参加しませんか?あなた次第で宝物ができあがります。
お問い合わせ:ホームスパン:教室は千代田線代々木公園の出口2の前です。
ホームスパン稲船まで tel: 03-5738ー3310
はじめまして。
東京で乳母車を製造販売している(株)東京乳母車の横田と申します。
今、「世界の乳母車の歴史」について資料を収集しています。
ネット検索をしていたところ、つい先日、ミキモトで小林さんの人形展が開催され、そこにジョール・エリスの乳母車が展示されたことを知りました。タッチの差で見ることができず残念です。
展示された乳母車について、その来歴や画像などを入手する方法はないものかと思いメールさせて頂きました。
よろしくお願い申し上げます。
代表取締役 横田 建文
(株)東京乳母車
東京都渋谷区渋谷2-3-3、101
03-6427-7241
http://www.babycar.co.jp
mail@babycar.co.jp
関心をお寄せいただき有難うございます。ミキモトで展示しました私所有の乳母車は慶応義塾福沢研究センターのサイト、福沢諭吉米国土産の乳母車と同型車を展示、 http://www.fmc.keio.ac.jp/research/cat36/post_8.html (注)アンダーバーは小さいアンダーハイフンでご覧になれます。)制作年代も同じです。
私も乳母車に多大の関心があり、ニューヨークで多い双子、三つ子、四つ子などの乳母車も見かけます。
私のサイトで双子の乳母車を追ったセントラルパークの写真をご覧頂くと参考になるかとおもいます。
なお福沢諭吉の乳母車は福沢研究センターの都倉武之準教授にお問合わせ頂けたらよろしいかと存じます。
tokura@fmc.keio.ac.jp
私所有の乳母車の写真は横田様へのメールに添付いたしましよう。
有難うございました。
ニューヨークにお住まいの方だろうと思っていましたのでお電話まで頂きびっくりいたしました。
乳母車の歴史を辿ろうとすると「育児の歴史」まで見る必要があるのではないかと思えてきます。
まあ、そこまで手を広げると話がまとまらなくなってしまいますので乳母車の構造とデザインに的を絞るしかないと思っています。それでもきちんとしたものにするのは大変です。
あと数ヶ月はかかりそうですが、HPが出来上がりましたら一番にお知らせしたいと思います。
お近くまでお越しの際は、ぜひ渋谷店にお立ち寄りください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
横田 建文
(株)東京乳母車
東京都渋谷区渋谷2-3-3、101
03-6427-7241、03-6427-7243