小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「小林恵アメリカ人形コレクションの話:4」

2010-09-16 18:31:58 | アメリカ人形
 今から30年前以上も前のお話です。セブンスアヴェニューに会社を持ち、30代は仕事が終わるとフリュートの練習をし、40歳の誕生日には自分の誕生祝いにダウンタウンのプリンストン ストリ-トにあったズッかカマンハープシコードの会社からフレミッシュスタイルのキットを買いました。ベッド程の大きさの箱にバラで部品パートのすべてがめちゃめちゃに入っていました。それから一カ月ベッドの横に青写真を張り付け部品の名前を覚え、パートの名前を付けて分類しました。仕事から帰ってきて夜の12時まで熱中し、大奮闘の結果半年かかって完成させました。 
   ところが本職のファッションビジネスが面白くなくなり、ファッションは一生やる仕事でないと悩み始めました。1979年日本に帰国した折、尊敬する南博先生に「アメリカで学んだこと企画、プロモートする仕事をしたい」と相談しましたら「それはいい。ぜひおやりなさい!」と資生堂・ザ ギンザの社長の山田勝巳さんを紹介してくださり、即刻アメリカ人形展が決まりました。同時に文化出版局の編集長であった今井田勲さんに会い、人形の本の出版も決まりました。私の処女出版で1979年を期して第2の人生が始まりました。このチャンスを記念して南先生と東恵美子さんとカリビアンのクルーズに行ったことも楽しい思い出になりました。

アメリカ人形:文化出版局1980年のチラシ    いろいろの雑誌や新聞に取材されました。



毎日グラフ、1980年12・21、資生堂ザ・ギンザで展覧中に”南北戦争から現代まで、人形で見るアメリカの一世紀”と題して7ページ,毎日グラフに特集されました。
  
      
             
 どなたかが人形の本を当時ハーバード大学の教授をしていた元日本アメリカ大使のライシャワーさんにプレゼントしてくださった方がいて、ある日、ライシャワーさんからお手紙を頂きました。当時はハーバード大学で日本文化の研究所長でもありました。”アメリカ人でさえ知らないものをよく調査し、集めてくださったことに感謝します”旨のお手紙でした。”知らない文化を紹介する仕事は私と同じです。キルトを現在研究しているそうですが、ご成功を祈ります”と書かれてあったのは身にあまる光栄でした。当時はリサーチの明け暮れの日々でしたが小さなことですが一生懸命やれば何か光が見えるような気がし、ライシャワーさんの激励を人生の宝として名もない人たち、アメリカの普通の暮らしの文化のエネルギーを調査しつずけています。 
 30年間も倉庫で眠っていた人形ですが、何かのご縁で、このたびギンザ・ミキモトでアメリカ人形展が2011年4月7日から3週間、ミキモトのご厚意で展示されることになりました。人形を含め、皆さま方の暖かいご支援があればこその人生でした。
 来年ミキモトでぜひ人形たちに会ってあげてください。ホームシックで病気になっているかもしれません。人形たちもできるだけ日本の皆さんにあいたいと騒いでいます。その声が聞こえてきます。家族、友人、あなたのご存じの方すべてに口コミ宣伝し、お誘い合わせでゾロゾロといらして、海を渡って日本に移住したことを激励してあげてください。
 御木本幸吉が外国に行ったころからの人形たち、そして1930年代までに生れた人形たちです。いま、何か不思議な思いにかられています。会場で皆さまとお目にかかれますように今から楽しみにしています。長い間忙しさにまぎれて倉庫で眠らせていたお詫びに、恐縮ですが人形に代わって、宣伝ささせていただきました。小林恵

「小林恵コレクション・アメリカ人形展」
場所:ギンザ・ミキモト ギャラリー 6階
期日:2011年 4月7日~4月28日まで

参照;www.ny-apple.com
http://blog.goo.ne.jp/gookeikobayashiny-2005 
ブログ「小林恵のNY通信:アメリカ人形」
アルネ:  第23号・特集 小林恵さんのアメリカ人形/大橋歩
銀座百点: 第636号・2007年11月 旧友再発見の旅/山根基世

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
会いに行きます! (ソーラン、洋恵)
2010-09-21 17:55:29
会いに行きます。(愛に生きます?!)
恵先生の愛した人形達に自己紹介します。
倉庫に眠っていた人形達が緊張しながらもワイワイと団体で日本へ来てくれる。
桜咲く4月が楽しみ、友達誘って行きたいです。




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 (小林恵)
2010-09-24 01:56:26
愛に生きるソーラン洋恵さま:

うれしい!ありがとう。
 小林恵
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