散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

ロシアのウクライナ侵略~学ぶべき論稿から

2022年04月01日 | 国際政治

奇妙な始まりだった。
ニュースでは米国・バイデン大統領が、ロシア(露)によるウクライナ(宇)周辺の軍事演習を示し、露による宇への侵略の可能性を示し、警告を発していた。
それがその通りの結果になる。

本来、奇襲のはずではなかったのか?ゼレンスキー大統領が真珠湾攻撃を引き合いに出して露を批判したという。但し、宇は国境に軍隊を集結できない。どちらとも判らない一発の銃声から戦いが始まることも…盧溝橋事件のように!所詮、露が攻め込み、また、「宇から仕掛けた」とプーチンに言われるだろう。
その後は毎日、露の過酷な攻撃がニュースで流される。

そんな状況の中、一人の個人としてマスメディア、有識者たちが流す様々な情報を処理せざるを得ない。そこで、参考になった論稿を紹介してみよう。

先ず、筑波大・東野篤子准教授「露と欧州 意思疎通欠く…」(読売新聞22/3/9)
氏は「ロシアのどのような言い分を取り上げても、今回のウクライナへの軍事侵攻は正当化できるものではない」と言い切り、歴史的背景を手際よく記載する。

1991年 プーチン発言…
 米国が「北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大はしない」との口約束をした
 ドイツの再統一交渉時、米国のベーカー国務長官らが語った内容を根拠
  →NATOの一部政治指導者の発言、NATOの総意ではない
   口頭での話を理由にした主権国家侵攻は許されない
1997年 ロシア、NATOの基本議定書を結び、互いに敵と見ないこと確認。
  →NATOの東方拡大を事実上黙認。
2002年 「NATOロシア理事会」新設に関するローマ宣言にプーチン署名   →バルト3国のNATO加盟に繋がる
  →ロシアとNATOが二度にわたって文書を交わして協力に合意
  →「欧州の秩序からはじかれた」とのロシアの主張は一方的
2008年 「NATO首脳会議」ジョージアとウクライナの将来加盟が約束
 →ロシアの欧米敵視!
2014年 ロシアは94年のブダペスト覚書(ウクライナ主権を認める)を破棄
 →クリミア併合
 →先進7か国の経済制裁→ロシアの孤立感
 →クリミア併合以降、ウクライナはロシアの脅威に
 →宇・ゼレンスキー大統領が欧米への傾斜を強める(同盟を自由に選ぶ権利)
 →宇、市場経済への移行、司法制度改革等

これまでの露とNATOとの交渉、その結果としての文書への署名、調印等を示す。今回の露の行動が、国際的に認められないことが簡潔に示されている。

 

 

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