散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

幻想の中の歴史物語史2~55年前の歴史全集が判明

2015年01月03日 | 回想
昨日の続き。記憶を頼りに紹介した歴史全集の全貌(近代日本文学館所蔵)をFB上で教えて頂いた。合わせて全集の写真も送って頂いた。深謝!
それは、少年少女日本歴史小説全集20巻(講談社)であった。
 『幻想の中の歴史物語史~日本武尊から西郷隆盛まで150102』

先ずは、全巻を以下に示し、その後、自分の記憶を検証してみよう。古ぼけた写真は、自分にとって感動的だ!

  
  

少年向けの物語として、主人公を合わせて書いておく。
「熱火の王子」は天皇家の若き王子であったが、名前は思い出せない。また、「蒙古襲来」は蒙古の独り相撲であり、ヒーローは「神風」と云わざるを得ない。それが悲劇の特攻隊に表現され、今でも、世界的に知られているからだ。

     題名       著者    主人公
 全集1 原始少年ヤマヒコ 白木茂著  山彦
 全集2 日本武尊物語 佐藤一英著   日本武尊
 全集3 熱火の王子 中沢巠夫著    中大兄皇子の仲間
 全集4 天平の少年 福田清人著    行基
 全集5 遣唐船物語 高木卓著     吉備真備
 全集6 八幡太郎義家 真鍋呉夫著   源義家
 全集7 少年源為朝 久米元一著    源為朝
 全集8 源氏の若武者 小山勝清著   源義経
 全集9 曽我兄弟 花村奨著      曽我十郎・五郎
 全集10 蒙古きたる 海音寺潮五郎著  「神風」
 全集11 千早城の旗風 太田黒克彦著  楠木正成
 全集12 決戦川中島 松本清張著    武田信玄
 全集13 南海の快男児 野村愛正著   織田信長
 全集14 少年太閤記 吉川英治著    豊臣秀吉
 全集15 風雲関ヶ原 多田裕計著    徳川家康
 全集16 少年天草四郎 南条範夫著   天草四郎
 全集17 少年忠臣蔵 高野正巳著    大石内蔵助
 全集18 幻のオランダ船 那須辰蔵著  高野長英
 全集19 海援隊長坂本竜馬 貴司山治著 坂本竜馬
 全集20 南洲西郷隆盛 田岡典夫著   西郷隆盛

昨日、16冊まで内容を覚えていたことまで書いた。残りの4冊は以下だ。「1原始少年ヤマヒコ」「4天平の少年」「9曽我兄弟」「16少年天草四郎」。
以上の4冊に共通しているのは、青史からは、周辺的事象になっていることだ。

ヤマヒコは神話物語の世界であるから、戦後の時代では歴史から外れる。全冊のなかで、この一冊は読んだ記憶が全く残っていない。思い出せないのだ。

曾我兄弟。日本三大仇討ちの一つとして、舞台芸術の世界には存在するが、単に私的な恨みだ。忠臣蔵は広く大衆的事件であること、加えて、お上の裁きへの抗議を含めて公的な意味をつけているかもしれないが。

天平の少年。社会福祉活動をした僧・行基の話があったことは覚えていた。手元にある山川の学習参考書(詳細日本史研究)を繰って、同じ頃に僧・玄肪、聖武天皇に取り入った悪役として登場、が書いてあり、すっきりと思い出した。

天草四郎、これも蘇った。キリスト教迫害被害者の象徴的存在であるが、歴史的には単なる反乱者だ。日本の宗教史そのものが、歴史の中でどうように位置づけられているのか。戦前の天皇制下での問題なのだろう。

自分が読んだ記憶を想い起こし、印象に残る人物を改めて挙げると、千早城・楠木正成、島原の乱・天草四郎、社会福祉活動・行基、蘭学者・高野長英あたりだ。教科書、本、テレビ等で著名な人物はそれらによって、子どもの頃に読んだ本のイメージがかき消され、
 “覚えてはいるが、印象には残っていない”のだ。
なるほど…そうか。これは自分として大きな発見に思える。

      
コメント
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