散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

幻想の中の読書事始め~ぼ、ぼ、僕らは少年探偵団

2015年01月01日 | 回想
小学生の3年生の頃だったと思う。
父親と一緒に初台通りの商店街にある、いつもの本屋さん「錦秀堂」に行ったことがある。本を読むことは、絵本から始まってそれまでにもあったと思う。一方、父親は読書のクセをつける時期だと考えたのだ。おそらく…。

錦秀堂さんでは、親父さんが店番をしていて、息子さんは頼まれた本、あるいは定期的に購入される雑誌、刊行物などを配達していた。

下の写真が店構えで、造りはそのままだが、今はお米屋だ。正面のガラス戸に「○×米店」と書かれ、商品もコメ関連だ。しかし、写真の軒の横に、紛れもなく、「本」と書かれている。この軒は変えずに、店の中だけ品物を変えただけだ。昔の錦秀堂は廃業したが、店自身は続いていて、何かホッとした気分になった。


 
ここは交差点の角になり、写真右側の道路は、右へ京王線・初台駅から国立第2劇場に、左へ環状6号線の代々木八幡駅陸橋の手前に通じる。一方、それに横断する道路は、左へ環状6号線に、右へ母校・幡代小学校に通じる。

国立第2劇場へは、偶にオペラを観に行く。
そのとき、時間を少し繰り上げて初台駅に行き、その付近を、あるいは幡ヶ谷駅へ行って、初台へ戻りがてら、勝手知ったる小道、横道を通り抜けてゆく。何か同級生に出会うような錯覚を誘う冒険をしている感覚で、自分のテーマにした「散歩から探検へ」を楽しむのだ。

話を戻して、自分としてはマンガを読みたいと思っていたのだ、その頃は…。しかし、家にはマンガを置いていなかった、まあ、禁止されていたようなものだ。父親は少年文庫、少年少女文学全集の中から選ぶことを期待していたのかも知れない。しかし、錦秀堂の親父さんが進めてくれたのは、何と、江戸川乱歩「少年探偵団シリーズ」だった。

自分には予想外であったが、渡りに船と内心は大喜びでもあった。
当時も今も、「少年少女純文学」という枠組はないと思うが、あえて云うなら、少年探偵団は「少年少女大衆文学」に属していたとも云える。即ち、赤胴鈴之助、まぼろし探偵、月光仮面などのマンガ寄りの読み物とみなされていたようだ。

ラジオ、テレビでも番組として放送されていたが、ラジオを聴いた記憶は残っていない。しかし、「ぼ、ぼ、ぼ…」との出だしで始まる主題歌はリズムがあって、友達と一緒に口ずさんでいたことは確かだ。そこで、少年少女大衆に親しまれることになったのだと思う。読んでいるか否かは次の問題なのだ。
 
そのときは、既に全集として揃っていたはずだから、「怪人二十面相」から始まって、読んだ後に次から次へと続編を、その場でツケにして買って、読んでいたのだ。何巻あったのか、覚えていないが、確かに読書のクセは付いたと思う。



写真は我が家にあるポプラ社刊行の全集(全26巻)である。当時は他の出版社から出版されていたように思う。何故、買ったのか、子どもたちに読書のクセをつけいと、自分が考えたからだ。だから、これは自分のものではなく、子どもたちのものだ。しかし、買ったときは自分も読んでみようと思っていた。

今では、仕事も辞め、ブログも書かなくなった後の楽しみとして読むのはとっておこうと考えている。

      
コメント
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