朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

お西さん

2010-04-18 | 京都の文化(春)
国宝の書院と飛雲閣の期間限定の公開があると聞き、西本願寺をたずねました。




 飛雲閣は、金閣(鹿苑寺)と銀閣(慈照寺)と並んで『京の三閣』と呼ばれていて、本願寺境内の一角に意匠を凝らした庭園があり、池の対岸に三層建築で建っていました。入場は無料でした。

 左右非対称のデザインは、現代的にも新鮮さを感じました。最近屋根などを補修した際、二層の外側には三十六歌仙の姿を描いた着色の杉戸が光っていました。

 太閤秀吉の聚楽第から移したとされています。

 なぜか庭園内すべてで撮影禁止だったので、写真はありません。アマチュアカメラマンのマナーの悪さからくる混雑防止のためかもしれませんが、せめて三脚禁止くらいにしてほしい。カメラに収めることで、記憶に残りプリントあるはPCディスプレイに映して復習できるのです。著作物の「フェアユース」は大切な考え方だと思います。

 書院には多くの壁画や天井画、そして狩野派の豪華絢爛な襖絵があり、見所満点でした。八方にらみの猫、書籍巻物をかじるねずみを警戒している猫が天井に描かれています。こちらも無料。

 能舞台が二箇所もあります。日本最古で、周囲に細長い小石を並べ川の流れを表現していました。

 大広間(対面所)の襖絵の大きな松には、緑青(ロクショウ、酸化銅)、水晶や珊瑚の粉など当時の最高の画材が使用され、堂々たる権威を象徴しているように思えました。



 上の写真は「さかさ銀杏」。大昔に、イチョウの苗を逆さに植えたところ、樹形が根っこのように広がって育ったとの伝説があります。

 近づいてよく見ると、イチョウの花が付いています。



 国宝「唐門」は、自由に見学することができます。秀吉の建てた伏見城から移築しました。



 牡丹に唐獅子、竹に虎、麒麟に孔雀など当時の想像上の動物も交えて、フルカラーで彫刻されています。その豪華で精巧な様を眺めていたら、時間が経つのも忘れてしまうことから、別名「日暮らし門」と呼ばれます。
 


 外側の彫刻には、子獅子が親と戯れる絵柄が数枚あります。

 なんと、境内を囲む土塀の外側からも見学することができます。飛雲閣の撮影禁止措置とは真反対の太っ腹な常時大公開、撮影し放題でした。

 織田信長が国内各地を平定して支配権を確立しようとした時代に、浄土真宗指導者は大坂石山本願寺に信徒とともに立てこもり毛利の支援を受けて長年抵抗しました。その後の攻防、和平、信長の後継者である秀吉との和解。秀吉治世の破壊をねらった徳川家康は、東本願寺を創設して対抗勢力をつくるなど、お寺の歴史は現代の日本仏教からは想像も付かない激しさでした。

コメント
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