遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
更新は猫以下の頻度です。

信念の教育者を感じた

2012-12-01 11:31:06 | 行ってきました


この頃は疎遠になりがちだった従姉妹から、ご主人の遺作展のご案内を頂いた。
亡くなった姉の旦那と春日井の文化フォーラム春日井ギャラリー(市役所前)の会場へ連れ立って見に行った。

従姉妹は世話好きの親しみやすい方で、昔は何かとお世話になっていたのだが、よく考えてみるとご主人とは一度もお会いしたことがなかった。
確か教員をされていて、水彩画家何かを趣味にする、おとなしい方だったようなことを聞いていた。

会場は広い一室でウイークデイなのに結構観覧者がおり、盛会だった。
「西尾為一遺作展 主催西尾順子」の看板も立派なもので、とても趣味の延長とは思えない。
会場には70点ほどの油絵が、2m×1mの大作10点ほどを交えて、堂々と飾ってある。
いずれも重厚なタッチで、緻密、豪快に書き込んである。

そういえば昨年80歳を越えてお亡くなりになったことを思い出す。
会場で見るご本人の写真では長身でもの柔らかく、静かに語りかけるような人に見えた。

いとこに出会い色々お話を聞いた。それによると教職現役の頃から絵を始め、光風会、中美公募展などに入賞し、中でも日展には1955年以来12回連続で入賞されていた。
13年目にある学校の教頭に請われて転職し、その時は入選しなかった。その時校長が「すまない。私がひっぱてきたばっかりに」と謝ったら、「私の本職は教育です。絵は又描けば良い」といいきったという。

結構私の近い所に芸術家はいたのか(私の叔父さんにも画家がいたし、その血のせいか兄も姉も妹も絵が上手かった)と感ずるところがあったし、何より、自分の仕事に使命感を持たれていたことに感銘した。
「強い絵が書きたい」というのが信条だったらしく、色調はやや暗いが、タッチは力強く迫ってくるものがある。外見の物静かな印象とは別に、緻密で激しいものが内に秘められていたように感じる。静物、人物より風景が得意な方だったように見える。
これほどの方ならば、生前に一度お話を伺いたかった。

明日の日曜日まで(入場無料)だが、なかなか良い、語りかけられる絵を見たような気がする。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿