正月早々から訃報である。
同年代の友人K君ががなくなったという。青年会議所、ロータリークラブの後輩から連絡をもらった。
彼は学年は一学年、生年は2年上だったと思う。刈谷の西端に住むやんちゃな男だったが、名家の出自で資産家である。
小中学生の頃、近所のガキ大将だった彼に時々遊んでもらった。運動神経抜群で今で言うイケメンの彼は颯爽としていたが、彼自身はそんな意識はなく、淡々と過ごしていた。
若くして家業を継ぎ、順調に発展させ、美人の奥さんを娶り、JCの理事長やRCの会長にも推され、順調な道を歩んできた。酒とゴルフ若干のギャンブルを程よく楽しみ、何の憂いもないように見えた。生まれながらに銀のスプーンを咥えてこの世に来たというのは彼のことではないかと羨んだものだ。
ところが神様はこんな男にも試練を与える。60歳を過ぎた頃、鼻の裏辺りにガンを発症。発見の難しい場所のガンであったが、知り合いの専門医に別の件で診察をしてもらって居る時発見された。早期発見されたのは不幸中の幸いであったか、右目の視力に少し影響が出てはいたが、それでも私よりはゴルフのスコアーはよく、さすがだと思わせた。
それを機に事業を息子に任せ、自身はゴルフと少しの酒を嗜む程度に控えて穏やかに暮らしてきたが、ここへ来て病状が急速に悪化し、先月30日に旅立ったという。息子は彼より生真面目で好青年で、事業を一生懸命うけついでいる。
この歳になれば身近な人が逝くのはやむを得ないところではあるが、自分より年下や、僅かしか離れていない人が逝くのはやはり心に響く。彼も毒気のないいい人だった。心よりご冥福を祈っている。