「カキツバタ」
これが国指定の天然記念物であることをご存知か。
刈谷市の花でもあり、県の花でもある。
洲原公園の北端あたりに誘導路の入り口がある。
池の水源でもある丘陵地の脇を通って現地に向かう。
池のほとりに出るが、池は葦原の1/5程度。
ネビキグサ(アンペライ)に負けそうな風情で、
野性のカキツバタが咲いている。
ここらあたりの地名は「井が谷」古くは「井の谷」
つまり「井草の生えるところ」だったという。
昭和13年8月国の天然記念物に指定される。
最盛期バブルの頃、池に汚水が流れ込んだ頃は、栄養補給され、
カキツバタも池一面に咲いたそうだ。
今は守る会が9月に葦、マコモ、ガマ、アンペライなどを除去している。
腰まで泥に浸かる重労働である。
近年水がきれいになってきたので栄養が行き届かず、
カキツバタの草丈が低い。
ちょっとピンボケであるが、池の中央部には大きな群落がある。
昭和29年県花に指定される。昭和46年8月17日市の花に指定。
このほか日本には3大自生地があり、
京都、鳥取にそれぞれあるが刈谷が規模的には最大である。
池の南端近くに花びらが4枚の珍しい花が2つ咲いていた。
守る会の人が案内してくれた。
一緒に見ていたのが刈谷市観光協会会長だったが、
「これはもっと整備をして、盛んにしないと天然記念物の名がすたるなあ」
と述懐していた。
天然である事と、花の勢いを維持する事の接点を学問的に調整して、
昔のようにもっと沢山の花が見られるようにしたいものです。