「七つの顔」、これがまた面白かった。
〔内容〕
あるレヴュー劇場の花形歌手清川みどりが出演中楽屋から出火した。
新紙紙上に「歌姫誘拐される」「ダイヤの首飾をめぐる怪事件」の記事が大々的に報道され、社会の耳目をしん動した。
この事件の捜査に長谷川警部と、ダイヤの首飾りの貸主金田金平は、もと鬼刑事でならした本堂応助を伴って来訪し、また私立探偵多羅尾伴内の登場となって、事件は波乱を生む。
戦後の風景が生々しく、勧善懲悪の様な造り、綺麗な女優さんが適当に絡んで、最後に決め台詞がまっこと格好良い。
今じゃ差別用語なんでとても字幕には出来ないが、
「あるときは私立探偵多羅尾伴内、あるときは奇術師、あるときは老看守、あるときは新聞記者、またあるときは手相見、そして片〇の運転手、しかしてその実態は藤村大造」
とこんな感じ。
記憶によれば初めて「多羅尾伴内」の名前に出会ったのは、石森章太郎の漫画の中だと思ったがそれが何かは忘れた。
特筆すべきは主役の「片岡千恵蔵」の格好良さ、この映画はそれを旨い事引き出している、まぁ主役当人の力量もあるのだろうが。
片〇の運転手の格闘シーンは、格好は良くないが泥臭くて喧嘩慣れしている風情が漂っているしこのシリーズのお約束の様なシーンでもある。
これも昔の記憶の断片だが、片岡千恵蔵がソフトかぶって二丁拳銃を構えているところが四角いメンコの写真に使われていた様な。
もう一つは「13の眼」
こちらは少しトーンダウンするが、そこそこ面白い。
〔内容〕
警官2人が殺害された迷宮入り事件に私立探偵多羅尾伴内が挑む。
犯人グループが潜む歓楽デパート「ユニオンガーデン」に巣食う悪の秘密結社を相手に、金持ちを装って潜入し綺麗な女優さんが絡んで、得意の変装でジタバタ解決するという痛快ドラマ
ただ前作に比べると少々演出が臭い。
ともかくGHQの制約下でこの様な娯楽物を制作するというのも相当な苦労が有ったろうと思う。
これには素直に脱帽。
ところでこの映画によく出てくる短銃は「ブローニングM1910」 という米国のベストセラーの様な存在、黒沢明監督の「野良犬」で若い村木刑事が盗まれるピストルが「コルト25」これもベストセラーらしい。
この方面はいずれか記事にしようかと思う。
【眠れる落語】林家木久扇 「片岡千恵蔵伝 」
PS:こんなのを見つけた、記憶に間違いは無かった。
https://comic.k-manga.jp/title/104206/pv
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古い邦画は時代の風情が何とも懐かしくて、今失ったものがある様なきがします。と、何だか近頃めっきりと懐古主義者になりました。
さて古い邦画の最大の欠点は「音」と役者さんの活舌が悪い事ですが、それも味の内の様で。