最近見た2本の戦争映画から雑感を。
「ヒトラー ~最後の12日間~」 これはドイツ映画らしく真面目に淡々と、ヒトラーの人物の大きさ、人を寄せ付ける魅力、狂気、そして彼を取巻く人々を描いている。実はこの映画は東京・渋谷で単館上映されたのをわざわざ見に行き、そして今回DVDで見たものでこれで都合3回は見てると思う。
印象に残るのは嫌われ者ヒトラーを演じたブルーノ・ガンツとヒロインのアレキサンドラ・マリア・ラーラの見事さ(演技力など見抜く力はないから単純にそう思っただけ)。
この女優さんは「トンネル」に続いて2回目。あと役者は知らないがゲッペルスの人柄も名前も知らない奥目の俳優さんが見事に演じていたと思う。
ヒトラーに対する忠誠心と、ドイツ国民に対する無責任さ、そしてゲッペルス婦人の強さに比較して少々頼りなげな様子。
この映画は2時間以上の長尺ながら全然退屈することが無い名作映画。
「ワルキューレ」 トム・クルーズ主演なのであまり期待をしていなかったのが幸いして大変に面白かった。
名画に連なるのは無理ながら、映画館に足を運ぶ価値はあるのではと思う。
かつては「将軍たちの夜」 「オデッサ・ファイル」 「マラソン・マン」とかナチスに絡む面白い映画が沢山作られた。少し趣がことなるがこの映画はその線上に載せても良いと思う。願わくばドイツの英雄の物語なので、上記作品の様にドイツで真面目に作って名作に近づけて戴きたかった。
ところで、クリスチャン・ベルケル という男優さん、多分ドイツの俳優だと思うが、上記「~最後の12日間」でシェンク教授を演じていて大変に格好良いのだがこの映画でもなかなか格好良い、今後も注目したい役者である。
やはりドイツの英雄はドイツ人に演じてもらいたいものだ。無条件降伏を強いられた国同士、戦勝国に良い役を採られるのは気に入らない。