HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

「YUKAGHIR(ユカギル)」by FLANGE

2005年06月18日 | インディーズ
『Good Morning RONIN』のカップリング曲がこの「YUKAGHIR」。この曲はCDを聴く前に11日のライブで聴いたのですが、その時、曲が心の奥底まで降りてきて、それによってぐいっと感情の源泉を新たに掘リ起こされた感じがしました。これもベースの阪田さんの作曲で、鼓動のようにベースは響き、ドラムの抑え気味ながら心を込めたビートがじわじわ押し寄せる何かを知らせるかのように迫ってきます。キーボードの音はシンセなのかな?それも音の静寂感を印象づけ、そこから展開していく曲に見事にコントラストをつけて、光と影がそこにはありました。

畳み掛けるような言葉が淡々と唄われ、そこからどんどん感情を高めて、一気に放たれるところはもう泣けてきます。感情を解き放つというのでしょうか。浄化されるというのか・・・そうカタルシスです。これは名曲ですよ。心底そう思います。

フランジというバンドをまったく知らずにどこかのラジオでこの曲を聴いたとしても、1発で好きになりますね。

歌詞はボーカルのムタグチさんが書かれているのですが、彼は月が似合う人だと以前から思っていたわけですが、それがあふれている歌詞ですね。月というのは夜に静かにひっそりと輝き、見るものに安らぎを与える存在であり、一方ではフランスではルナと呼ばれる月は人を狂わす存在と言われているように狂気を呼び起こす存在でもあるわけです。彼にはおそらくそういう二面性があるのではないでしょうか。それは歌詞の中から感じます。そして、どことなく村上春樹の作品と通じる何かがそこにありました。たぶん村上ファンなら好きになる世界観ではないかな~って思うわけです。

愛と道徳は成立するのか?っていう問いかけ(って別に歌詞にそう書いているわけではありませんよ、念のため)。私は愛はこれって言葉では言い切れないものだと思うわけです。そしてとらえ方も人それぞれなので、自分自身の感覚では「その人の存在を大切に思う心」が愛なんでしょうね。だから一人だけなんてあり得ないわけで、その人がこの世に存在してくれているというだけでいいと思える人は何人もいます。その人たちが私が存在しようがしまいが関係ないとしても、私がそう思う気持ちが愛だと思います。道徳は人に危害を加えないということだと感じる私は愛と道徳のバランスには気をつかいます。そしてやっぱり愛は見返りを求めてはいけないのでしょうね。まだこれから生きていける猶予をもらった私はだからこそ溢れる気持ちを大切な人たちに注いでいきたいと思います。

この歌詞での重要な言葉は「永久凍土」ですね。この言葉でこの歌の伝えたいことが溶け出してきます。感情が高鳴り、聴いた人はおそらく大切な誰かの事を思い浮かべて心を焦がすのでしょう。

また大切にしたい曲ができました。ありがとう・・・
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『Good Morning RONIN』by FLANGE

2005年06月18日 | インディーズ
先週の土曜日と違って私の心も無罪放免され、すがすがしい朝を迎えられました。でも先週に手に入れたこのフランジさんのCDは11日以来のヘビーローテーションとなっております。ゆえに職場でウォークマンを聴いているわけではないのにすでに脳内Podにメモリーされてしまったようで、いろんな場面で鳴っておりました。

聴いた事のない人にどんな曲かを説明するのはとっても難しいですね。今の日本の私の知っている音楽の中では「こんな感じ」ってサンプルを差し出すことができないそんな複合ミュージックだからです。メンバー4人の音楽性がきっと様々なんでしょうね。それぞれの好きな音楽のいい部分を念入りに抽出して、混ぜ合わせて、感性というエッセンスで味付けした結果の音楽なんでしょう。音にこだわったというのがすごく伝わる音質のいいディスクでした。インディーズでこのような音質のCDを500円で販売するというのはかなり勇気のいることであり、フランジの徹底的な音へのこだわりを強く感じました。店頭で1050円で売られているメジャーバンドのシングル盤と同レベルなので買った人はほんと「1コインでいいの?」(笑)って感じですよね。

この「Good Morning RONIN」というタイトルはどこから来たのかはまだ謎だけど、朝聴いて気持ちいいのは確か(笑)これはベースの阪田さんが作曲したというだけあって、ベースがすごく効いています。私は、ベースっていうのは絵でいうなら最初に白い紙やカンバスにその描きたいもののラインを描き、自分のイメージするものを浮き彫りにする4Bの鉛筆のような存在だと思うのです。それゆえ、そのデッサンがしっかりしていないと出来上がった絵もしっくりこない。だから、とても大切な存在だと常々語っているわけですが、今回そのベースラインは見事素敵な作品を完成させるデッサンを描きあげていたんだと感じてます。ほんとすごく気持ちいいベースなんだもの。

たとえを出してはいけないかもしれないけど、あえてこういうバンドの雰囲気があるといえば、私の大好きでライブにも行ったことがある英国が誇るロックバンド「LEVEL42」とアメリカのモータウンアーティスト「テンプテーションズ」の雰囲気。どちらもベースがよく効いているし、レベル42はボーカル・ベースのマーク・キングが曲を作っているから、ベースがかなりフューチャーされていて、それがすごくいいんですが、それと共通する何かがありました。っていってもレベル42って80年代に活躍したバンドだから皆知らないでしょうね。聴いた事ない方には是非一度聴いてほしいバンドの1つです。

ツインギターの2つのラインがまたすごくいい感じで溶けあっていて、一方が攻撃的なら、もう一方はなめらかに音を紡いで、あ~好きだな~って思うわけです。それとプログラミングやサンプリングも自然に導入されていて、いかにもって感じがなくて、バランス感がいいです。さらに導入部分にさりげなく入っている不協和音がすごく音を深めていて、すごいな~って思いました。いろいろ細部にまでこだわって作られたのが一音一音から伺えます。このバンドにはまだ正式なドラマーはいないのですが、サポートのタクヤさんのドラミングもすごくいいです。彼がこのままサポートとなるのか、他に探すのかわからないけど、ドラマーによってもまた変化していくだろうなって思いました。そして、ボーカルのムタグチさんのボーカル力もますます艶をましてました。この歌って結構唄うのは難しい気がするのですが、それをなめらかに伸びやかに広がりをもって唄っていて、聴く方がほんとに気持ちよくなります。もともといい声だけに、さらに人を惹き付ける雰囲気をパワーアップされた感じですね。

歌詞はメンバー全員で考えたそうですが、「この手は・・・この声は・・・」の部分はなんかムタグチさんっぽいな~って思いました。「グラストンベリー」を出してきたのはマッシュさん?とか勝手に想像してます(笑)

演奏力も皆さんかなりなもので、最初に見たライブの時とは全然印象が違いました。きっとバラバラだった部分が混じりあって、それぞれの本来の力が出て来るようになったのでしょうね。レベル高いな~って11日のライブとこのCD聴いて感じました。若い子たちにもすう~っと受け入れられる曲であると思うし、同時にマニア受け(笑)する曲でもあると思います。音楽やっている人に好かれる感じじゃないでしょうか。

だからこそ、多くの人にいっぱい聴いてほしいな~って正直思いました。でも、ライブに行かないと買えないのでしょうか?なんかの流通にのせられないのかな~。



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