HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

FoZZtone at 京都磔磔

2013年11月30日 | FoZZtone
2013年11月28日(木)晴れ

この日は京都でこの秋というか冬というか一番の寒い日でした。
仕事からのライブなので仕事仕様の服装でやや大変でしたが
服装より楽しむ事を第一に行ってきました。

この日は
片山ブレイカーズ presents「磔磔よいよい七日祭」というイベントで
片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティと仲間たちという感じで
この日はFoZZtoneとthe PINBALLSがいっしょに一夜を飾りました。

磔磔は京都のひっそりした町中にある元は酒蔵だったところなので
建物も回りの雰囲気も京都らしく、中の木造の壁などにはその年数の
深さが刻まれていて、1988年の誰それとかの名前とかもあったりして
フォズのメンバーも生まれてたかっていう感じの年代のもありました。
ここでどれだけの音楽が時代を作ってきたかわかりません。

最近は撮影してたりしてフォズのライブでは結構後ろの方で見てたのですが
この日は前方へ行きました。

<セットリスト>
レインメイカー
Fish, Chips, Cigarettes
blow by blow
口笛男
go way go way
Shangri-La
LOVE

この日は最初がthe PINBALLSだったのですが
とってもロックンロールなバンドでちょっとフラッドを彷彿する感じで
ミッシェル系というか、服装もそういう感じでした。
ぴしっぴしっっていうメリハリがあるし、なんか引き込まれるエネルギーを
もっているバンドでした。
結構、最初からテンションあがってしまって、拳が自然とあがる感じでした。

そんな彼らの音が結構いい感じに聞こえてたので
前方でも大丈夫かなって思ってそのままいたら
FoZZtoneになって、最初のレインメイカーがちょっと音的にあれ?って
感じで動揺しました。久しぶりにこの曲をバンドで聴けたというのに
出だしの演奏と歌がモウアモウアっていう感じでバラバラに聞こえてしまって
スピーカーの位置のせいかなにかわからなかったのですが
「なんだこれ~!」って感じでほんと焦りました。PINBALLSとスピーカーの位置
そう変わってないと思うのに。
でも,途中からだんだん落ち着いてきて、ようやく2曲目からはいつもどおりに
聞く事ができてほっとしました。ゆえに1曲目は顔がこわばってたと思います。
で、2曲目からは笑顔になれました。

FIsh, Chips, Cigarettesはやっぱり大好き。
ダリとガラのくだりが特に好き。
アートな香りとジム・ジャームッシュの映画な感じが渾然一体となっていて
味わい深いそんな名曲です。

blow by blowもこの歌からはいつも本当に風が感じられて
心にさわやかな風が吹いて来ます。

そして、なによりこの日来てよかった~って思ったのは
「口笛男」が聴けたことです。

冬といえばこの曲っていう感じのMCからこれが始まったのですが、
冬といえばもう一曲「ブランケット」も聴きたかったです。

でも「口笛男」が聴けてほんとうに全身全霊でこれを体に
吸収するていで、歌う渡會さんの姿やギターを弾く竹尾さんや
ベースを刻む菅野さんやドラムを鳴らす武並さんをひとりひとり
目に焼き付けるように見ていました。
これを聴けたら、しばらく会えなくても大丈夫だって
そんな気がしました。

この曲がなぜにこんなに好きなのか?
これは渡會さんが苦しんでいた時に生まれた曲だと聞いたことがありますが
その苦しみは多くのこの世界に生きている人たちが
共有できる痛みというのか、みんなそれぞれの場所や立場で孤独なんだけれど
その孤独が朝の電車のプラットホームやありふれた道の上で
繋がって行き、ひとりなんだけれどひとりじゃないっていうような
逆転現象を感じさせる曲なのです。

もうだめかもしれないと電車を待ちながらそこにない風景をぼんやり見つめている自分が
ため息をつきながら道を歩いている自分が、自転車に乗って無邪気に口笛を吹く男の人や
電車の中でぶつぶつひとりで楽しそうに話している人に一瞬気を紛らわされ、そして
それがクッションとなって、悩んでいる自分が一瞬消えて、息をつけるというのか
そんな感覚を呼び起こす歌なのです。

私はこの曲は一生涯大事にしていくと思います。

go way go wayはテンションが自然にあがっていく曲で
あ~かっこいいな~って思える曲でもあります。
武並さんのドラムスティックの動きを見ていると
棒がしなってみえるから不思議です。やわらかくなっちゃっているかのように。
それだけすごいドラミングなわけです。

Shangri-Laはやっぱり楽しい曲で、ふりもやりたくなっちゃいますよね。
これを小さな子どもたちといっしょにやりたいな。

ラストはやっぱりLOVEでした。

この曲は彼らにとっては代表曲としての位置づけなのですね。
本当に名曲ですから。

でも、私はこの曲も素敵だし、歌詞も大好きなのですが
彼らの真髄は「黒点」だと思っています。
「黒点」から彼らの宇宙が始まっていると思うのです。

だから「黒点」こそ欠かさずにいつもやってほしいと願います。

LOVEという言葉は「口笛男」の作られた頃には
「Help」に聞こえてましたが、
今では「Happy」に聞こえて来ます。

もちろん、まだまだ大変なこともあるでしょうけれど
新たな挑戦をくりかえして、前へ前へ進んで行ってほしいと
心から願っています。

さて、とりはもちろんこのイベントの主役の
片山ブレイカーズ。
名前は昔Jet Lily StarかJet Kellyと対バンしたと思うので
聞いたことはありました。

彼らは活動を一時休止していたのですね。
その復活祭だったようです。
フォズとも昔からよく対バンしていたようですね。

彼らもロックンロールという言葉がぴったりのバンドで、
もう楽しくて楽しくて仕方がない音楽で溢れていました。
日本語歌詞ですが、どこかオーストラリアのバンドの
ナックを彷彿させるリズムというかメロディというかで
懐かしさもあったりしました。

彼らもまた始まります。チャプター2という感じでしょうか。
これからもチャンスがあればライブみたいなと思いました。

そういえばこの日の渡會さんの服装はぴしっとした
ロックンロール仕様というかミッシェル系の服装でしたね。
イベントのカラーに合わされたのでしょうか?

ライブ終了後、菅野さん手作りのネックレスを買いました。
鳥のついたものです。
その時はさりげなく見つけたみたいなふりしてましたが
実際は絶対に鳥が欲しいと思ってました(笑)
ツイッターかなんかの写真で見た鳥のがすごくかわいくて
そして、少しだけ離れる今の私にぴったりな気もしたわけです。

FoZZtoneはとてもきれいなバンドです。このきれいは外見を言ってるのではありません。
もちろん、メンバー全員に清潔感があり、男前なのは確かですが、
曲に透明感があるというか、きれいな音や歌詞を作り出すバンドということです。
だからこそ、私自身の心がちょっと濁ってきている今は、そんな気持ちで聴いて
それが汚れてしまったらいやなので、ちょっと距離を置こうかなと思っています。

今私には痛みをともなったような、命を削ってるような音楽が
必要な気もします。私の心が汚れていても受け入れてくれるような音楽。
ドロドロしていても「飛び込んでこい」って言ってくれるような音楽。
美しくなくても「ブスだなお前」って笑いながら受け入れてくれるような音楽。
年齢なんて関係ねぇよって仲間にいれてくれる音楽。
遠くにいてあまりライブに行けなくても「いつも聴いてくれてるなら安心だ」って
肩をたたいてくれる音楽。

FoZZtoneをずっとずっと大好きでいたい。あの出会った頃の感動をずっと持ち続けていたい。
だから、また私の心が澱みを消した頃に会いにいきます。
もちろん、会いにいかなくても、音楽は聴き続けるし、CDも買います。

FoZZtoneに出会えてほんとうによかったです。

ありがとう。
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『gene』by Pay money To my Pain

2013年11月26日 | 邦楽
Dear K

君はもうこの世界にはいないんだね。

去年の年末に突然いなくなってしまった。

なんだかその時より1年近く経った今の方がより深い悲しみが襲ってきたよ。

仕事帰りにiPodで『gene』を電車の中で聴いていた。
満員電車の中なのにすごく孤独を感じて
そして、君の歌声を聴いてて胸がすごく痛くなって
心の中で雨がザアザア降ってきたようになって
悲しくてたまらなくなった。

もう体の中ではその雨の量を許容できそうになくなって
目のあたりから溢れてきそうになって
慌てて目を閉じた。

君の声はどうしてこんなに優しいんだ?

君が最後に残した7曲の歌。
その歌詞がなんだか辞世の歌のように感じてしまって
君は別の世界へ行く予感がしていたの?

「Last wine」の歌詞ってまるで最後の晩餐みたいだ。

I was gonna kill myself
Then you brought me my last wine

だなんて、どうしてこんな歌詞を書いたの?

私はまだ君とさよならなんて言いたくなかったのに。
まだまだ君からの新しい歌を聞き続けていたかった。

君の澄み切った瞳を見ていたかった。

こんなにもKのいないことが
辛いなんて、自分でも驚くほどだった。

このアルバム『gene』を聞いてて痛いほど君のことが
大好きだったってわかったよ。

ONE OK ROCKのTAKAが歌詞を書いた『VOICE』

♪そこから聞こえてくるモノは言葉やメロディではなくて
今も僕の中で生きている彼の声

っていうフレーズがほんとに泣けて来る。

TAKAの素晴しい歌声の中にKの遺伝子が受け継がれているそんな気がした。

あー聞きたいよ。君の生の声が。

どうして行っちゃったの?
まだ君はすべき事がたくさんあったのに。

身も心も削って
まるで自分の羽根を使って美しい織物を織るように
君はそんな歌を作って歌ってきたんだね。

それはそれはとても美しい歌たちを。

私たちは今、その歌たちをまとって
君の音楽への愛を受け取っている。

みんなが君の遺伝子を受け継いでいる。

君が最後に作った、歌った曲「Rain」

この曲を聴いている時まさに雨が降っていた。

♪I think of you
In this freezing rain
It chills my heart
I've felt this lost before
(by Pay money To my Pain)

私はこの歌詞のままだった。
君のことを思って。

君が書いた詩なのに
君のことを私たちが思うことになっちゃった。

君を失った今、どうしたらいいんだろう?
どこでこれを埋めたらいいのだろう?

1年経ったのに
涙が止めども無く溢れるよ。
どうしたらいいんだよ。

今ごろ天国で大きなフェスに出てるのかな?
クラッシュのジョーに会ったかな?
忌野清志郎さんに会ったかな?
Avengede Sevenfoldのレブのドラムに合わせて歌ったかな?
ルーリードとパンクな話したかな?
元SIAM SHADEのマネージャーの中村さんが君の今度は
マネージャーしてくれるって言ってる?
フレディもきっと君のボーカルすごく気に入ってくれてるよね。

とにかく今はただただ悲しい。

K
君はほんとにすばらしいロッカーでありシンガーだった。
最高だよ!ほんと最高だよ!
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真田暎人弾き語りワンマンライブ「サナーソニック」at 心斎橋LIVE Bar「酔夏男」

2013年11月24日 | 真田暎人/UESA
2013年11月20日(水)晴れ

平日のど真ん中の水曜日にライブ行けるなんて!
という感じでこの日は奇跡的にライブに行く事ができました。


19時開場で19時半始まりのはずだったのですが、
何があったのかわかりませんが、真田氏が会場に到着したのが
19時ちょっと前。でそこから声だしで、
始まったのが、15分遅れぐらいからでした。

真田氏にしては珍しいな~って。

この日のセットリストは

東京DROP
アークソング
キャラバン
真っ赤な糸
太陽
good night
スロウ
ホワイト
ロマンチック
星のリンダ
新世紀のビートニク
キャッチミー
巨人と小人
bt fly high
square beat liberation
ナイトライダー
beautiful day
where is love
夕焼けを見た
大人になって
en)
yes


心斎橋LIVE bar酔夏男さんへ行くのは今回で2回目。
1回目は片岡大志さんのイベントを見に行った時。
それも今年なので、今年初めてこの場所に来て
2回目来れたわけです。

ここは昔から真田さんがよくライブをしていたところで
いつも行きたいな~って思いつつも平日ばかりで
手も足も出ない感じでした。

何年もこのような奇跡的な日を待っていた気がします。

この日はMCも少なめで終始歌うことに専念していたように感じたヒデトさん。
お客さんも声かけなどをすることなく、聞き入る感じでした。

東京DROPから始まったサナソニ

一発目から心を鷲掴みされた感じでした。
これ、これこそが真田暎人というアーティストを一番まっすぐ表している音楽だって。
最近はなかなかこの感じが彼から出て来ないけれど、このメロディライン。
この独特の世界。これこそ宇宙の中でたった一人真田暎人しか作れない世界。
作れない音楽。作れない歌。

何度くりかえし、この曲を聞いたことか。
最近はあまり聞いてなかったから、この日突然これが来て、
泣きそうになりました。

♪傘の無い雨を~。

こんな表現だれができましょう。彼、真田暎人だけです。

アークソングは私は初めて聴きました。
でも、とてもいい曲で、あ~音源にしてほしいなと思いました。

♪靴ひもが解けても結びなおせない人の波

こんな風に靴ひもを名曲にできる人は真田氏とあと細美氏しか知りません。
そして、

♪いけない事がしたかった 耳の形を知りたかった

というところはとてもセクシーなフレーズで
彼らしい美しい表現だと思いました。

久しぶりにキャラバンや真っ赤な糸などUESAの曲も聞けて
なんか懐かしく思いました。

MCはそんなになくて、そんな中
今年は秋がなくて夏から冬になっちゃったっていうような
話から秋の歌をって言ったあとにセットリストが
頭から飛んでしまったようで
秋と関係ない「good night」をやったあとで
思い出したと「スロウ」をされました。

が、あとでやっぱりこれでもなくて
「ホワイト」だったと。

この曲も真田暎人というアーティスとの音楽を端的に表す曲です。

この日初めて聞いた曲の中でも特に素晴しいなと思ったのが
「新世紀のビートニク」

ビートニクとはアメリカで生まれた言葉でいわゆる「敗北の世代」という意味があるそうです。

ー「ドロップ・アウト」という言葉を生み出したビート・ジェネレーションは、自ら落ちこぼれることによって
「落ちこぼれの生き方」を芸術にした人々であり、ロックというある意味「落ちこぼれ的」な音の芸術も、
そこから多くの影響を受けてきました。ー

という話を聞いたことがあるのですが、それを思い出して
「東京ドロップ」と「新世紀のビートニク」ってなんか繋がっているのかなって。
でも、曲としては「さよなら少年」(Jet Kelly)と兄弟っぽい曲のように感じたのは気のせいかしら?

一方で、真田暎人って日本のボブ・ディランになれるんじゃないかって
ほんとこの曲聞いてるときに真剣に思ってしまいました。

この曲をより多くの人に聞いてもらいたいと本当に思いました。
特に男の子たちに。これを世界中の人に聞いてほしいって本当に思いました。
それだけ強い曲なのです。こういう曲ってそうあるものじゃないです。

映画「ビートニク」にも確かボブ・ディランも出ていたかと。

私のような、みんなとちょっと違うな~って思いながら中学高校時代を過ごしてきた人間にとって
「落ちこぼれの生き方」を強くプッシュしてくれたのがロックでした。
みんなといっしょでなくていいんだって。自分自身の世界を信じていいんだって。

新世紀にいろいろな敗北を感じる人たちにロックがエールを送るそんな歌のような気がしています。

「bt fly high」を久しぶりに聞いて、これがあのロウの翼で飛ぶイカロスの登場する歌だと思い出し、
これが先日書いたgood nightの歌についてのブログに繋がって、なんかうれしかったです。

「夕焼けを見た」は真田さんがJet Kellyの時代に大阪の梅田の歩道橋のところで路上ライブしてた頃に
見た夕焼けを思い出しながら書いた曲だと説明してくれました。

音楽をやめた仲間もたくさんいるけれど、僕はやめることを知らない。
これからもずっと歌い続けると思います。

というような言葉を真田さんが言った時に、彼がこれから先もずっと歌っていくという意思表明を聞いた気がしました。
というか、彼は音楽そのものです。彼はきっと♪でできています。だから彼から音楽をとったら
骨抜かれたくらげみたいになっちゃうことでしょう。ジェリーフィッシュになっちゃうのです。

アンコールで「yes」をやってくれました。

会場といっしょに歌う「yes」は真田暎人ワールドのアンセムになった気がしました。
yesという言葉はオノヨーコとジョンレノンが出会った言葉でもあります。
素晴しい音楽が生まれる「種」となった言葉です。
この出来事を知って、ここからインスピレーションを受けて彼がJet Lily Starの時代に作った曲です。
いつか、この「yes」をオノヨーコさんに聞いてほしいと心から願いました。

この日はとっても素敵な音楽で心がいっぱいに満たされた時を過ごせました。
紆余曲折この10年間ありましたが、変わらぬアーティストがここにいると
改めて感じました。彼の音楽を信じてきてよかったと改めて強く感じました。

やっぱりサナダヒデトは最高だぜ!って叫びたくなった心斎橋の夜でした。




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真田暎人が描く世界

2013年11月14日 | bye-bye circus
bye-bye circusの明日の代官山LOOPであるワンマンライブで
きっとこの曲をやってくれるんだろうなって思う曲のひとつに
「good night」という曲がある。

この曲の最初のインストからぐっと引き込まれる。
音がすでに真夜中を伝えてる。

この歌詞をそのまま受け取れば男女の一夜の愛の歌だ。
こんなにも温度が感じられて、
まるでそこに人間の体があるような詩を彼はどうして
書けるんだろう?って

昔彼が書いた名曲「楽園」にもそれがあって
その曲の歌詞で私は彼の音楽を好きになったといっても
過言ではない。こんな風に立体感を持って
皮膚の感覚を持って歌が成立するっていうのが驚きだった。

この「good night」にもそれがあって
もちろん実体験も含まれているのだろうけれど
これは聞く人の多くが(大人の場合だけれど)
自分の感覚を思い起こせるだろう。

歌詞をそのままストレートに受け取ったら
ある意味すごいセクシーな歌だ。
でも、不思議と彼が描くとそれが
美しく、映画のようなシーンへとなっていく。

デヴィッド・ハミルトンという写真家がいる。
今はもうかなり高齢だと思う。
昔、彼の被写体は10代の少女たちが多かった。
へたな撮り方をすれば変質的な世界になってしまうところを
彼はまるで妖精を撮っているかのようなファンタジーに
変えてしまってた。だから女性から見てとても美しい絵の
ようだった。

真田氏にもそのようなところがあって
日常のシーンでありつつ
ファンタジーにも行けるような
2重構造になっている。

この「good night」の歌詞も
深層心理的に考えることもできて
肉体を超えた精神として聞くと
またそれも素敵だ。

「太陽が二人を溶かす前に行かなきゃ」

この太陽が溶かすというフレーズ。

彼の歌にはときどき登場する。

そう、イカルスの翼を思い出すフレーズだ。
ロウを塗ってつけた翼をつけて脱出したイカルスが
太陽に近づき過ぎて、ロウが溶けて
やがて墜落して行くという話。

彼はどこか心にイカルスの翼を求めて
でも、彼のように失敗することなく
脱出したいという思いがあるのかな?

何からの脱出?

きっと今の状態からより彼がおもいっきり音楽をやれる世界へだろう。

「太陽が二人を溶かす前に」

っていうフレーズだけで聞くものには
未明のうちに二人はそれぞれの場所に戻っていこうって
いうのが感じられるよね。

あまり許される関係ではないのかもしれない。

とってもせつない歌でもある。

「心に名前をつけてみる」という歌詞もすごく響く。

そんな歌詞を書く人に出会ったことがない。

彼しか書けない世界を彼は日々紡いで行く。
そして音楽にしていく。

一度彼のバンドのライブを観に行ってもらえばそれが実感できると思うのです。




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bye-bye circusというバンドについて

2013年11月13日 | bye-bye circus
bye-bye circusという名がどうしてついたのかは私は知らない。

だからこんな感じでつけたのだろうか?とか
こういう意味だったらいいなとか
好き勝手に思ってたりする。

(本当の意味知っている人がいたら教えてください。)

そもそもbye-byeという言葉はgood-byeから来てるわけで
古くは「God be with ye」の短縮形だと本に書いてあった。
yeはいまで言うyouのことだし、
私の勝手な解釈ではbyeはby(そばに)と同じ意味なのかな~なんて
思ってた。

それを考えるとbye-byeは
「君のそばに、あなたのそばに」って事になるなって。
be with youが元なら「あなたとともに」だから
ほぼ同じ意味になるよね。

ではcircusはどんな意味なのか。

サーカスの語源はラテン語(Circus=キルクス)で、円周とか回転を意味するらしい。
つまり、「輪」を表す語。

ならば、bye-bye circusを拡大解釈すれば

人と人がそれぞれのそばにいて、手をつないでいけばやがて輪になっていく。

すなわち1つの音楽が人と人をつなげて、輪を作っていく。

そんな音楽を奏でるバンドに彼らはなりたいのかな~?なんて考えたりしている。


このバンドのフロントマンであり、音楽の作り手であり
歌うたいであり、ギタリストである真田暎人氏。

彼と出会ったのはかれこれもう10年ぐらい前になるのかな?
彼の描く音楽の中の世界はとっても広くて、奥行きがあって
その飛び出す絵本的な驚きを知ってしまってから
もう離れることができなくなってしまった。
なにが次のページでぴょんと飛び出して来るのかわからない
ワクワク感がいつもどこかに隠されているんだ。


今週の金曜日
11月15日に代官山LOOPで
bye-bye circusのワンマンライブがある。
これが初ワンマンではないのに
今回は以前とは気合いが違う気がする。
もう一週間以上毎日ボーカル真田氏のツイキャスがあって
彼はそこで3曲ほど毎日歌ってくれる。
残念ながら、毎日は仕事とかあって聞けてないけれど
聞くたびに思うことはこの人イコール音楽だ!って。

水を飲み干すように彼は歌を歌う。
渇きを癒すように歌を歌う

単に歌うという行為ではなく
息をしないと死んじゃうかのように歌う。

歌うことで生きているそんな人だ。

だからツイキャスでも
「さあ、いまから歌います」的な気合いとかはなくて
風がふわ~っと吹くように気がついたらもうギターは
鳴り始めて、歌があふれてくる。

私は彼のような音楽そのもののような人が世に知られないのが
とってもくやしいんだ。

もっともっと多くの人に彼の歌を届けたい。
でも、bye-bye circusは彼のためのバンドではないんだ。
みんなが集まってひとつになるバンドでなくてはならないんだ。

メンバーの半分は若くて、正直まだまだ経験不足を否めない。
でも、真田暎人氏が見つけた人たちだからこそ
私はそこに秘められたものを信じたい。

ただ、無理をさせちゃいけないと時々思う。

一番年長の薮内さんだって、彼のステージングを見てて
ときどき気のせいかもしれないけれど「無理してるみたいだな~」って
感じることがある。彼はきっとそんなに派手な振る舞いをする人ではない。
でも、かっこいいロックギタリストを見せつけるには派手なパーフォーマンスを
しなくちゃいけない?と真田氏も含めて思っているのかな。

もちろん、そういうロックヒーローもたくさんいるけれど、
もともとそういう派手好みの人ならいいけれど、そうじゃない人が
やるとどこかぎこちなかったりして、音と行為が溶け合わないことがある。
私は自然体でいいんじゃないかと思う。
あまり無理して動かなくても、鳴らす音自体が派手でロックなかっこよさを
もっていたら、それでいいんじゃないかって。
薮内さんのギターの音はほんとに素晴しいから。
自分の音につられて、大きなパフォーマンスをしてしまうのなら
それはそれでいいと思うし、きっとそういう姿を見たときには
泣けちゃうんだろうな。自然に高ぶって派手にやっちゃう薮内さんの
男前な姿をいつか見たいな。

ベースの佐藤さんはただひたすらシューゲイザー的なワールドに
入りがちではあるけれど、私は正直「好きなようにやれ」で
いいのではないかと思う。妙なベーシストでいいかと。
彼にはまだ佐藤印の音が完成していない。でも、あの奇妙な
取り憑かれ的弾き方がいつか佐藤印を生み出すと思う。
お客さんを放ったらかしにしちゃったって、ランドセルを
背負ってしまっちゃったって短パンはいてしまっちゃったって(そんなことしてませんが・笑)
構わないんじゃないかな。
レッチリのフリーが好きなら、尚更あの宇宙人のようなベースの
弾き方の日本版みたいなのが佐藤くんから生まれるやもしれない。

ドラムの柴田くんはあのドラミングを見ていると実直な人なんだろうなって
思う。ある意味、真面目なドラムだ。でも、真面目が何が悪いって話で
真面目ということは基本をきっちりやる人だということだから、
画家でいうなら、デッサンや色彩をしっかり学んでいる人だということ。
ゆえに、いつかピカソのように誰もが考えもしないような個性的な絵を
描くように唯一無二のドラミングを生み出せるかもしれないよ。
彼にはそんな奥行きが見えるような気がする。


なんか音楽やってないくせに
えらそうな事を言ってるって
ファンの方に怒られそうだけれど
生きている年数は佐藤氏や柴田氏よりはかなりたくさん生きているし
もちろん真田氏より薮内氏よりも生きて来たので
聞いている音楽の数はきっと私の方が多いと思うし、
ライブも海外や国内合わせてかなりいろいろ見ていると思う。

そんな中でも真田暎人というアーティストは類いまれなミュージシャンなんだ。
だから多くの人に彼の歌を聞いてほしい。そして彼の歌を一番最大限に
見せてくれるのがバンドのライブなんだ。


彼らは何枚かCDを出している。
でも、私はその中から次の曲たちを選び、
そして真田氏の前のバンドJet Lily Starでも演奏してた
yesを入れて、「これがbye-bye circusなんだ」って言いたい。

その選曲とは

good night
蹴っ飛ばせ
悪魔はラッパを鳴らさない
beautiful day
キャッチミー
yes

である。

これらの曲が一番私の中ではbye-bye circusとして
多くの人に届けたい曲なのだ。

他の曲たちや音源になってない曲にもいい曲はある。
でも、あえてこの曲たちを選んだのは
yes以外の5曲はメンバーがみんな「自分の曲」として
溶け込んでいるからだ。
他の曲はどこか他人行儀な感じがときどきして
まだ自分のものではなく真田氏の曲を弾いてます。あるいは
叩いてます。っていう空気を感じてしまう。

この選んだ曲は聞いててとても安定感がある。
これがbye-bye circusですって堂々と紹介できる曲たちだ。
もちろん、誤解のないようにお願いしたいけど
他の楽曲も素敵な曲ばかりだ。

個人的にキャッチミーからyesに行く流れはすごく好きだ。


♪神様よりも広い宇宙で私をつかまえて

っていうキャッチミー。
この曲を聞きに行くだけでも、ワンマンライブに行く価値はあると思っている。

なんかわかんないけれど、この歌をテレビの中で歌う彼らが見えて来るんだ。


騙すことはしないから
ほんとうに心に音の花が咲くから
彼らのライブを一度観に行ってください。






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